2年前に東京・新宿で宮崎県内製造のクラフトビールが飲めて買えるイベントを始めた Diceです。
そのイベントを始めるに当たって相談し、二つ返事で出荷をOKしてくれたB.M.B Brewaryのあつろー君とこの夏にビール飲みながら話した時、醸造場の新設を考えていると聞きました。
宮崎市神宮に今の醸造場を作ったのが4年前の2018年11月。
以来、彼らが造るクラフトビールは宮崎はもとより全国のビールファンに評価され、高岡文旦や大葉、新生姜、ユズやカボスなど宮崎産の様々な原料を使ったビールや、コラボビールも生み出されてきました。
歴史はまだ浅いのですが、B.M.Bのビールは新宿でのイベントでも人気で、早々に売り切れることもしばしば。
経営に影を落としたコロナ禍
順調に見えたブルワリーの経営ですが、そこに影を落としたのが2020年初頭からのコロナ禍でした。
他の多くの飲食店と同様に、宮崎市若草通りで運営しているビアバーの「Beer Market Base」は、コロナ前と比べて売上げが40%も減少し、厳しい経営を強いられました。
また、今年に入ってモルトや酵母、ホップといったビールの原材料や、各種資材の価格が高騰していることも、収益を圧迫する要因になっています。
この減少分をカバーするには、自社運営のBeer Market Baseでの販売だけではなく、他の飲食店や小売店舗に卸すこと、つまり販売のチャンネルを増やすことが必要になります。
しかし、そこには大きな問題がありました。
現在のブルワリーの設備では、生産能力に限界があり、大きく販売を伸ばすことができないのです。
新しい醸造場を造ろう!
そこで、B.M.B Breweryのメンバーは、醸造場を移転・拡張することを決意します。
既に宮崎市清武町に用地を確保し、開設準備を進めています。
新しい醸造場の生産規模は、現在の年間13,000リットルから、年間125,000リットルとおよそ10倍に拡大する予定とのこと。
生産量の拡大とともに、施設・設備も大きく、新しくなりますので、酒質の安定が見込まれるとともに、これまで以上に宮崎県産の農産物とのコラボがやりやすくなるメリットもあります。
そして新しい醸造場では、ビールの容器をこれまでのボトルから缶に変更することを予定しているとのこと。
遮光性の高い缶は、ビールの変質を防ぐのに効果を発揮するほか、軽くて割れないことで保管や運搬の効率も良くなり、SDGs的にもメリットがあります。
缶ビールの生産は、ある程度のロットが見込めないと手が出せない分野なので、今回のB.M.B Breweryのチャレンジの本気度がよくわかります。
クラウドファンディングにチャレンジ中!
そして、その缶充填機導入に役立てるためのクラウドファンディングにCAMPFIREで挑戦中です。
目標額は1,000万円で、期限は2022年11月30日まで。
All-In方式ですので集まった額がそのまま支援額になりますが、この記事執筆時点の残り23日で目標額の21%と、チャレンジャーにとってはちょっと不安で焦る展開になってます。
宮崎県内には、世界的な評価を受ける「宮崎ひでじビール」を筆頭に8ヶ所のブルワリーがあり、更に私の知る限りで2ヶ所が開設準備中と、クラフトビール界でも注目を浴びている県なのですが、クラフトビール文化を広めるのに、これまでBeer Market Base とB.M.B Breweryが果たしてきた役割は小さくありません。
今回の彼らのチャレンジも、宮崎のワクワクを生み出すのに必ず一役買ってくれることと思いますので、微力ながら応援しつつ、今後の展開を楽しみに見守りたいと思います。
クラフトビール好きの方はもちろんのこと、そうでない方も、ご支援いただけると幸いです。