参照元:高鍋町
宮崎県高鍋町。ここには、5世紀から6世紀にかけて築造された古墳が、85基点在しています。この古墳群「持田古墳群」を囲むようにして、観音や地蔵をはじめ、7mを超える巨大な石像が700体以上あります。
この石像群は、地元ではおだいっさん「高鍋大師」と呼ばれ、岩岡保吉氏が造像したとされています。岩岡保吉氏とは、どのような人だったのでしょうか。
「高鍋大師」を完成させた岩岡保吉氏
参照元:宮崎観光情報旬ナビ
岩岡保吉氏は、明治22年に香川県に生まれ、7歳のときに宮崎県高鍋市に移住しました。7歳のとき、母親を亡くし、小学校卒業後、文具店で奉公、医院の車夫として住み込みで働くなどしていました。19歳で米穀販売をはじめ商売は繁盛します。
40歳からはじめた石仏の制作
29歳の時、四国八十八カ所巡礼にでかけ、40才で八十八カ所の建設を決心します。43歳で持田東光寺に土地を買い、整地。大分より石工仏師丸山又三氏を招き、石仏の制作に励み、彫刻技術を学びます。
88体の石仏を完成させ、東光寺八十八カ所を完成させます。その後、盗掘された古墳に眠る古代人の霊や、町民の安全祈願を願い、生涯をかけて750体もの石仏を完成させました。
「持田古墳群」と「高鍋大師」
参照元:宮崎観光情報旬ナビ
持田古墳群は、石棺が露出している石舟塚、県内屈指の壮大さを誇る「計塚」帆立貝塚式古墳「亀塚」など珍しい古墳があることで知られています。
ユニークな高鍋大使を巡ろう
高鍋大使は、観音や地蔵などの仏像だけでなく、スサノオノミコトなどの神様、水戸黄門などもあります。ユニークな石像や彫られた文言を一つ一つ丁寧に見ていると、岩岡保吉氏のひたすらな思いがひしひしと伝わってきます。
概要
住所 宮崎県児湯郡高鍋町大字持田
アクセス 宮崎空港から車で1時間16分
[mappress mapid=”373″]
宮崎県観光遺産「高鍋大師」を守る取り組み
現在、石像群の周辺や敷地内に花や木を植栽し、四季折々楽しめる「花守山」へと整備する取り組みが行われています。米屋のたった1人の男性が、半生をかけてはじめた「石像づくり」の熱意は、今もなお訪れる人々に元気を与えています。