黒麹全量仕込みで麦焼酎を極める-本格焼酎ドット恋Vol.7:高千穂酒造編


高千穂酒造ラインナップ

今年の5月から、毎月第2水曜日に開催されてきた「本格焼酎ドット恋」。
これまでもテゲツー!では、
第2回:渡邊酒造編
第5回:雲海酒造編
第6回:小玉醸造編
とお伝えしてきましたが、11月に開かれた第7回にもなんとか参加できたので、その模様をお伝えしましょう。

南村拓海さん

今回のゲストは、高千穂酒造株式会社で製造部に所属する南村拓海さん。
宮崎市内の高校から岡山県の大学に進学、宮崎大学の大学院に進んで、焼酎用の麹や酵母研究の大家だった故・小川喜八郎先生の教えを受けたという入社15年目。

高千穂酒造株式会社は、1902(明治35)年に米焼酎造りで創業した110年を超える歴史を持つ酒造メーカーです。
現在の工場は、雲海の観察スポットとして有名な「国見ヶ丘」の下に位置し、「道の駅 高千穂」からすぐのところにあります。

麦・蕎麦・とうもろこしなど、地元で生産される雑穀を使った本格焼酎を主体に造っており、昔は「刈干」という銘柄でとうもろこしと蕎麦の2種類が主力でしたが、近年は麦を主力にしており、「刈干」については蕎麦しか残っていません。

 

乾杯は米焼酎の「露々」

露々

南村さんが乾杯用に選んだのは、米焼酎の「露々」
全量を高千穂産の酒造好適米「はなかぐら」で仕込み、減圧で蒸留した後、20度に仕上げた焼酎です。
香りも穏やか、ライトなテイストなので、焼酎をあまり飲まない人や女性にもお薦めできるということで最初に飲む焼酎選ばれました。
これをロックでいただきます。

レンコンのはさみ揚げとサンマの竜田揚げ

乾杯に合わせて、「まごころダイニングやまぢ」自慢の料理が運ばれてきました。
長皿に盛られた揚げ物三連星、まずは、レンコンのはさみ揚げとサンマの竜田揚げ。
ここのサンマの竜田揚げ美味いんですよね。

メンチカツ

揚げ物三連星ジェットストリームアタックのとどめは、メンチカツ!
これがまた、外側がサクッと、中はジューシーでどっしり。焼酎飲みには嬉しいつまみです。

 

二杯目は芋焼酎で

芋製高千穂

「露々」に続く二杯目は、芋焼酎の「芋製高千穂」
白麹常圧蒸留原酒と黒麹常圧蒸留原酒のブレンドという、他社ではあまり見られない製法で造られた焼酎は、麹の特徴を絶妙に合わせ、まろやかで香ばしい焼酎に。
20度なので、私はいつものようにロックでいただきましたが、もちろんお湯割りでもいいと思います。

せせり炭火焼

芋焼酎に合わせるのは、適度な歯応えがあってジューシーなせせりの炭火焼。
もも肉の炭火焼とはまた違う味わいに、芋焼酎もすすみます。

 

麦焼酎を極める「高千穂 零」

高千穂 零

続いて三杯目は、今回の白眉「高千穂 零(れい)」
しかーし、何故かこれだけ写真撮るの忘れていて、画像は高千穂酒造さんのWebサイトから拝借させていただきました。お許しあれ。

南村さんによれば、「麦を極めたいと思い、香る麦焼酎を目指して造られた焼酎」とのこと。
全量黒麹で仕込まれたもろみを常圧蒸留し、3年貯蔵しているので、まろやかに仕上がっており、できればロックで飲んで欲しいということでしたので、これまたロックでいただきました。

黒麹にこだわり原点を追求するというコンセプトの下、黒いボトル、黒いラベルに明度の異なる黒い文字と、黒づくめで素人カメラマン泣かせのおしゃれなデザインになっています。
そして、「色番の0が黒を意味することから、零(れい)と名付けた」のだそうです。

このデザインにより、2014年のグッドデザイン賞を受賞ということでも話題になりましたが、デザインだけではなく、口に含むときちんと麦が香り、スムースな喉ごしの美味しい焼酎です。

鍋

「高千穂 零」を飲みながらいただくのは、野菜たっぷりの鍋。
寒い冬には鍋で温まりながら、焼酎のロックをくいっとやるのは実にいいものです。
揚げ物、焼き物、鍋と、料理を選ばず合わせられるのも食中酒としての焼酎の素晴らしいところです。

 

これは和製バーボン!?「月夜の梟」

月夜の梟

さて、食事も焼酎のお代わりも進んできたところで、ハードリカー来ました。
「月夜の梟(ふくろう)」は、麹もとうもろこしで仕込み、更にとうもろこしを加えて二次発酵させたものを常圧と減圧でそれぞれ蒸留し、それをブレンドした上で樫樽で10年保存した、和製バーボンと言ってもいいような焼酎。
梟のイラストも可愛いですね。

アルコール度数は43度とかなり高めですが、甘い樽香があり、ロックでゆっくり楽しむといい酒です。
これを、デザートで出されたバニラアイスにかけていただいたら、絶品の大人のデザートになりました。

 

デザートにいただく「日向夏リキュール」

日向夏リキュール

そして最後に、デザート代わりの甘いお酒「日向夏リキュール」
宮崎特産の日向夏を使い、甘いけども酸味が効いて甘さが口に残らない、さっぱりといただけるリキュールです。
今回は、炭酸割りでいただきましたが、牛乳割り、ビール割り、トマトジュース割りといろんな飲み方ができる面白さもあります。

 

次回は2016年1月13日

さて、いかがでしたでしょうか?
高千穂酒造の南村拓海さん、まごころダイニングの黒木素弓さん、お世話になりました。
今回も、バラエティ豊富な宮崎の焼酎、大いに楽しめました。

本格焼酎ドット恋の例会、第8回目となる次回は、2016年1月13日(水)の予定。
次回のゲストは、日之影町の姫泉酒造です。
次回もレポートできるといいな。

Follow me!


よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

目次