ビール飲むなら、断然スタウト派のDiceです。
スタウト(stout)というのは、上面発酵酵母を使って醸造するエールビールの一種で、黒くなるまでローストした大麦を使い、黒い色と濃厚な味わいが特徴です。
その代表が「ギネス」と言えば、なんとなくでもイメージしていただけるでしょうか。
世界一の黒ビール「栗黒」
画像出典:World Beer Awards
そんなスタウト好きの私の元に、宮崎県延岡市にある「ひでじビール」で造られた、宮崎県産の栗を使ったスタウト「栗黒」が、イギリス・ロンドンで開かれたワールド・ビア・アワード (World Beer Awards) 2017で世界一に輝いたというニュースが飛び込んできたのが10月始め。
ワールド・ビア・アワード (World Beer Award)というのは、ビールの本場イギリスで毎年開催される、世界的なビールの品評会です。
ここでは、各国の一時予選で選ばれたビールが、8つのカテゴリーごとに二次予選、最終予選と審査され、それぞれのカテゴリーごとにその年のナンバーワンのビールが選ばれるという、ビール業界注目の権威あるコンテストなのです。
「栗黒」は、そのコンテストのスタウト&ポーター部門で、見事にワールドベスト(World’s Best Flavoured Stout / Porter)に選ばれました。
日本のビールがこの部門でワールドベストに選ばれたのは、「富士桜高原麦酒(山梨県)」の『ラオホ』が2013年に受賞して以来、4年ぶり2例目となる快挙なのだとか。
アルコール9%のエイジングビール
世界一、それも栗を使っているとあれば、是非とも飲んでみたいと思って一生懸命探したのですが、残念ながらその時「栗黒」は、輸出専用に造られていた銘柄で、どこにも売っていませんでした。
しかし先日、ふとしたことで、ひでじビールのオンラインショップと醸造所売店で、この「栗黒」が限定販売されているという情報を入手し、一も二もなくオンラインショップで購入ボタンを押したのでした。
数日後に届いた「栗黒」は、今年の10月25日に瓶詰めされたもの。
アルコール度数が9%と高く、瓶のまま数ヶ月~数年の長期間瓶内熟成が可能となっていて、熟成させることによって、まろやかさと香りが増し、重厚で調和のとれた味わいに変化すると、瓶の裏に貼られたラベルに書かれていました。
3本購入したので、とりあえず1本だけ味見して、残り2本は冷暗所に保存しておくことにしましょう。
まるで栗のムースを食べているような味わい
1本を開栓し、グラスに注ぎます。
ワイングラスかブランデーグラスを使うことが推奨されていますが、残念ながら手元に適当なグラスが無かったので、香りを楽しめるワイングラス型の「ノンジョルノ・グラス」を使いました。
グラスに鼻を近づけると、焦がした大麦の香ばしさとともに、栗の香りが立ち上ります。
続いて口に含むと、スタウト特有の、コーヒーのようなほろ苦さと甘さに加えて、栗のこくのある美味さが感じられます。
これはまるで、リキュールの効いた栗のムースを食べているような、従来のビールでは感じたことの無い濃厚で複雑な味わいで、驚かされました。
まだ瓶詰めしたての若い段階でこの味ですから、これから瓶内熟成して、より重厚さが増してまろやかになると、どんな味わいになるのか楽しみです。
さすがに世界一の評価を受けたスタウトビール。
これが宮崎のビールメーカーから生み出されていることが、実に誇らしくなります。
もともと北米のマーケットに輸出するために、特別に造られた「栗黒」。
原料も宮崎県産の栗を使用していますし、大量に製造できるものでもありませんので、現在発売中のロットも限定発売となっています。
この記事を読んで、飲みたくなった方は、ひでじビールのオンラインショップでお早めに。