
こんにちは、ライターのヒロです。
今回は、ビールが美味しく感じる季節にちなみ、宮崎のクラフトビール界のみならず、県外のビールフリークからも大人気のビール醸造所・B.M.B Brewery (ビー・エム・ビー・ブリュワリー)を訪ねてきました。
B.M.B Breweryは、昨年の7月に醸造所を宮崎市神宮から清武町の現在地に移転・拡張され、「Excited To Make It(造ってワクワク)」の理念のもと、”ビールからカルチャーへ”をテーマに、月平均5000リットルの商品を製造されているんです。
醸造所の外観はいたってシンプル。
ホップをくわえるスカル(髑髏)がトレードマーク。
好奇心をカタチに

B.M.B BREWERY代表の松田温郎(まつだ あつろう)さんは、高校卒業後、寿司職人・バーテンダーを経て、2012年に宮崎市の上野町にビアパブのBeer Market BASEを開業しました。
当初は、自身がチョイスした国内外のクラフトビールを仕入し販売するスタイルで、県内初のクラフトビール専門のビアパブでした。
店を運営しながら、国内外の様々なビールについて勉強を重ねるうちに、その深さの虜となり、やがて自身でビールを造ってみたい…と意識し始めます。
そこで、宮崎におけるクラフトビールのパイオニアで、延岡市に拠点を置く「ひでじビール」の永野社長に製造委託を嘆願し、当時まだ珍しかったクラウドファンディングで費用を集め、2016年に念願の第一号の自社ビールをリリースしました。
(その時の記事がテゲツー!にも掲載されています↓)

自社醸造所の誕生~直営店の移転

ひでじビールからは技術面でも学びを得て、ついには2018年11月に宮崎市神宮にある民家を改装する形で、自身の醸造所であるB.M.B Breweryを設立しました。
誰の手も借りず自由な姿勢で製造できる環境を得たことで、様々なタイプの商品を生み出すことに繋がり、その商品群は一躍、県内外のビールフリークの中で話題となりました。
また、直営店であるビアパブのBeer Market BASEも、2020年7月に現在地の若草通りアーケード内に移転。
「お客様への対応が途切れない」理想の長いカウンター席とオープンキッチンのレイアウトで、席数も以前の倍になりました。
提供するビールのメニューは日替わりで、大きな液晶モニターに表示されていて視認しやすく、外国人旅行者にも人気。


店の奥には、16個ものタップ(ビールの注ぎ口)が並ぶ圧巻の光景が。
これ、なんと松田さん達の手作りということで、店内には他にもDIY感が漂っています。
自社製のビールのほか、ブルワリーの恩師であるひでじビールの銘柄や、松田さんがチョイスした国外のビール数種を含む最大16種類ビールが、サイズごとに気軽に楽しめるとあって、地元宮崎のみならず県外や国外からもビール好きが訪れる人気店となっています。
さらなる高みへ

ブリュワリーに話を戻します。
松田さんは、更なる品質向上、生産性向上を目指し、新型の機器購入と工場の拡張、それに伴う移転を模索するようになりました。
目標を実現するためにはかなりの費用が必要になりますが、それまでに築いた人脈・繋がりとSNSを駆使し、クラウドファンディングで資金を調達。

時間はかかりましたが、その時点で県内のクラウドファンディング史上最高額の資金を得ることができ、2024年7月に現在地の清武町沓掛に新醸造所を設立し、現在に至ります。

新醸造所には、8基の醸造タンクが並び、8種類のビールを同時並行で醸造することが可能。
また、非常に高額なため、マイクロブルワリーでは保有率が低い缶充填機も備えています。
ラッピング包装も可能な缶充填機は、見た目はシンプルですが、なんと価格は約800万円!
ブリュワリーの夢を叶えた機械でもあるのです。
こうした充実した設備で、さらに豊富で自由度の高い商品を生み出しており、県内外のイベント等でも人気を博しています。
醸造は現在3名のスタッフで行っており、県内外200以上の店舗に製品を出荷するほどになり、宮崎が誇るクラフトビールメーカーの地位を確立しました。
缶ビールのメリットは

ビールといえば、缶より瓶の方が優れているように思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
B.M.B BREWERYも、第一号のビールは瓶タイプだったのです。
しかし、現在は缶タイプにシフトして製造を行っています。
その理由について松田さんにお話を伺ったところ、
「缶は紫外線を防ぐことができ、高い密閉性でホップの香りやフレーバーを長く維持できますし、軽量で割れないため、物流コストも削減できます。
アウトドアの展開にも強く、缶はほぼ全面フルラッピング印刷が可能で、デザインの自由度も高いのです。」
とのこと。
メリットだらけなのが分かりますね。
また、常温保存可能な商品もあり、積んで省スペースで保管できるのも、小売店やご家庭にとって嬉しい点です。
しかも、遊び心溢れるラベルは剥がしてデザインを保管できるのもユニークで、つい集めたくなる、ナイスアイディアですね。
筆者はバーテンダーが本業ですが、飲食店においては、缶タイプであっても綺麗な所作で注いでサーブできれば、瓶タイプに劣ることは無いと思います。
より身近にクラフトビールを
B.M.B BREWERYでは、これまで200種類以上の商品をリリースし、伝統的なスタイルのものから、果汁感・果肉感あふれる濃厚でフルーティーなものまで、ボーダーレスでユニークな商品を絶えず生み出されています。
また、オリジナルグラスや、贈答向けの6缶パック等、楽しめる商品構成の広さもこのブリュワリーならでは。
まずはビアパブBeer Market BASEで楽しんでいただき、ぜひオンラインや小売店(宮崎では、フーデリー霧島店、ラディッシュ、道の駅高岡ビタミン館)で缶ビールを購入してみて下さい。
地元にこんなクラフトビールがあることに、きっと驚かれるはずです。
【Beer Market BASE】
住所:宮崎市橘通東3-4-31 クラフトビル 1F → MAP
電話:0985-71-0348
営業時間:17:00~0:00
定休日:月曜日

「バー アルコリズム」オーナーバーテンダー。
シェラトンのバーで15年勤務後、2022年ニシタチに開業。ソムリエ・きき酒師・焼酎きき酒師・酒質鑑定士の資格を持つ。
2023年のG7農相会合では、ニシタチを代表するバーテンダーの内の一人として、レセプションでの振る舞いに2日間参加。
カクテル創作のワークショップや屋外イベントも展開中。