日南の職人と世界を繋ぐプラットフォーム-「離岸 -Rigan-」


ロゴ書体 ニューヨークを拠点とする書道家アーティスト 井上理白 / 撮影・編集 岸谷叙南(GEEK PICTURES)
画像提供:GLIDER

皆様、こんにちは。自分の手でいろんなモノを作るのが好きで、職人の世界にあこがれるDiceです。

県内には(県内に限らずですが)、日本の歴史と伝統に根ざした鍛冶、竹細工、木工、染色、織物、陶芸など様々な工芸品があり、それを作る職人がいますが、地域に埋もれていていることが多く、その姿が表に出てくることはなかなかありません。

そんな職人たちの素晴らしい技を世界的な影響力を持つクリエイターたちと結びつけ、地域文化と産業の新たな発展を目指すプラットフォームが日南市で立ち上がり、今回、第一弾となるコラボレーションが公表されました。

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「離岸 -Rigan-」

そのプラットフォームが、2011年設立のクリエイティブ・ブティック「GLIDER」(代表:志伯健太郎)が手がける「離岸 -Rigan-」

「GLIDER」代表の志伯健太郎氏は、電通出身で、国内外での受賞も数多いクリエイティブ・ディレクター。
日南市のプロモーション動画を作製する仕事がきっかけで日南市と出会い、日南市特命大使を務めることに。
その後、新型コロナによる社会状況の変化もきっかけとなって、2023年には会社の拠点を東京南青山から、自身が惚れ込んだ日南市油津に移転しました。

今回の「離岸 -Rigan-」プロジェクトは、日南市に眠っている、住んでいる人たちすら気づいていないような価値を、思い切って世界という舞台に持って行こうというもの。

そのネーミングは、岸から沖に流れる、水難事故に繋がる危険性もはらむ海流「離岸流」が元になっていて、
「国を出るということはリスクも伴うけれど、だからこそ、岸を離れて海外での評価を得るようなトライをしてみましょうよ」
との意味が込められているのだとか。

水元刃物×イタリア・ミラノ

(左)宮崎県日南市に唯一残る、鍛冶屋「水元刃物」。(右)イタリア ミラノ「Wicky's Innovative Japanese Cuisine」 オーナーシェフ「ウィッキー・プリヤン」
画像提供:GLIDER

今回公表された、日南市の職人技と世界的クリエーターとのコラボレーション第一弾は、日南市唯一の鍛冶屋「水元刃物」と、イタリア・ミラノで革新的な和食を提供する「Wicky’s Innovative Japanese Cuisine」のオーナーシェフ、ウィッキー・プリヤン(Priyan Wicky)とのコラボ。

「水元刃物」は昭和6年の創業で、現在80歳の水元利信氏が、祖先から受け継いだ技術と伝統を守りながら、焼き入れから仕上がり、持ち手部分の制作まで、1本1本の刃物を手作業で制作をしています。

Priyan Wicky氏は、家庭料理や寿司といった日本食がメインだったイタリアで、2011年から本格的な懐石料理をベースとした創作料理をスタート。
日本を中心に世界の各地で培ってきた文化的交流、経験、技術、創作力、世界中の素材や料理を追求し続けてきた好奇心と探究心を生かしてイノベーティブな料理を次々に生み出し、イタリア料理業界の中でも注目され続けています。
特に包丁への思い入れが強く、100本以上の様々な用途の包丁をコレクションしているとか。

2024年4月19日(金)にミラノで招待制のイベントを開催するということで、具体的な内容までは公表されていませんが、折しもミラノでは世界最大規模のミラノサローネ国際家具見本市が開催されいて、1週間ぐらいの開催期間に世界中から100万人規模の人が集まっているとのことなので、世界中の人に日南市の小さな鍛冶屋の素晴らしい仕事が紹介されることになるのでしょう。

その成果は、改めて公表されることと思いますが、これを契機に水元刃物のみならず、日南市、宮崎県、ひいては日本の工芸品に改めて光が当たることを期待しています。

「離岸 -Rigan-」プロジェクトの今後の展開も楽しみです。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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