日向市細島の食文化を伝えるYouTube動画が完成!


細島食文化紹介動画トップ
画像出典:YouTube動画「日向市細島食文化PV(日本語版)」よりキャプチャ

みなさん、こんにちは。宮崎の食文化を代表する料理「冷や汁」を世界に広める活動もやっている、冷や汁エバンジェリストDiceです。

そんな私の元に、日向市細島の食文化を紹介する動画がYouTubeで公開されたとの情報が飛び込んできたので、早速チェックしてみました。

目次

文化庁の「『食文化ストーリー』創出・発信モデル事業」

日向市観光協会NEWS RELEASE画像
画像出典:日向市観光協会NEWS RELEASE

この動画は、日向市観光協会が、文化庁の令和5年度文化芸術振興費補助金「『食文化ストーリー』創出・発信モデル事業」に応募して採択された、「漁師町と商人町の文化が育んだ細島の食文化継承発信事業」によって作られたもののようです。

採択時のプレスリリースを見ると、

日向市には、太平洋に面した天然の良港「細島港」があります。
細島地区には、東九州の貿易拠点として栄えた商人町と漁師町の異なる2つの文化が共存しています。
食文化においても地域性が色濃く残されており、特に漁師飯については細島の伝統的な家庭料理として継承されてきました。
本事業では、地理的・歴史的側面からクリエイティブな細島の郷土料理の誕生ストーリーを明らかにし、その文化価値を高め国内外に発信することで、文化振興と地域活性化に資すると共に、広く愛され後世に残る食のコンテンツへと繋げます。

日向市観光協会 NEWS RELEASE(2023.5.18)

とありました。

食文化の面でもグローバル化が進む現代においては、伝統料理や郷土料理は、残す努力をしないと消えゆく運命にあり、実際にいつのまにか作られなくなった郷土料理も全国的に珍しくありません。
そのような状況で、日向市の中でも特色のある、細島ならではの食文化を後世に残そうとする取り組みは、地元の皆さんの郷土愛と文化への誇りを感じる、素晴らしいものだと思います。

ナビゲーターは台湾出身の元アイドル

真楪伶(まちゃりん)
画像出典:YouTube動画「日向市細島食文化PV(日本語版)」よりキャプチャ

動画の中で細島の料理をナビゲートしてくれるのは、台湾出身で、2024年2月20日にアイドルグループAKB48を卒業したばかりの真楪伶(まちゃりん、Macyarin)さん。

2016年2月から日本での活動を開始したとのことで、AKB48卒業後も、引き続き日本を拠点に女優やモデルとして活動中。日本語もなかなかに流暢です。

それでは早速、まちゃりんが巡る細島の食文化の紹介動画を視てみましょう。

登場する料理は4種類

動画の中で紹介されている料理は漁師町の料理2種類と商人町の料理2種類の計4種類。
順番にご紹介しましょう。

こなます

こなます

まず始めは、「こなます」。
かつおの身とご飯を混ぜて塩で味付けし、焼きおにぎりにしたもの。
船上で作られた漁師料理で、自宅で待つ妻や子どもに食べさせるために焼きおにぎりにして持ち帰りやすくしたのが発祥とのこと。

ごんぐりのかき揚げ

ごんぐりのかき揚げ

2品目は、「ごんぐりのかき揚げ」。
「ごんぐり」とは、マグロの胃袋のこと。
酒で洗って食べやすい大きさに切った「ごんぐり」を薄口醤油、酒、塩に漬けて下味を付け、玉ねぎ、にんじん、ごぼうと混ぜてかき揚げにしたもの。

「ごんぐり」を甘辛く煮たものは日南地域の漁師料理として、日南にルーツのある私にも馴染みが深いのですが、細島では、それを誰もが食べやすくかき揚げに進化させたということのようです。

以上2品の漁師町料理は、「海の駅ほそしま」で試食できるとのこと。

味噌なます

味噌なます

続いて、商人町の料理として紹介されたのが「味噌なます」。
高級魚の甘鯛を使った冷や汁で、甘鯛の切り身も入っていて、砂糖が加わって少し甘みもあるのが特徴。
高級魚の甘鯛を使えたのは、財政的に豊かだった商人町だったからだとか。

干しフカの橙酢漬け

干しフカの橙酢漬け

最後に登場したのは、「干しフカの橙酢漬け」。
サメ(=フカ)を開きにして塩をして3週間ほど天日干しした後、のこぎりで5~6cmに切って熱湯につけて表面の鮫肌を取り除き、食べやすい大きさに切ってから、橙の絞り汁と薄口醤油、みりんで作ったたれに1日以上漬け込むという、手のかかる料理。

近畿地方から伝わった棒鱈で作る料理を、フカで代用したのが始まりとか。
フカのゆがきは宮崎県内でも食べるところは多いのですが、開きにして塩干しにするのは珍しく、細島でも貴重な料理なのだそうです。

英語字幕版(English Subtitles Ver.)

国内外に細島の食文化を紹介したいということで、同じ内容で英語字幕版の動画も同時に公開されています。

動画の中で美味しそうに食べる真楪伶さんの姿を見ていたら、細島に行ってこれらの料理を食べたくなってきました。
特に、「味噌なます」は、冷や汁エバンジェリストとしては一度は食べておかねばならない料理ですね。
機会を作って、是非、細島を訪ねてみようと思います。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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