米粉麺で世界に挑む製麺所の三代目社長-川北製麺所・有田豪


道の駅きたごうレストラン

麺類は、食べるのも作るのも好きなDiceです。

2023年10月1日にオープンした「道の駅きたごう」に併設のレストランでは、2つの店舗の料理が楽しめます。
ひとつがお食事処「かつを専門店」、もうひとつが米粉麺専門店「無敵」です。

目次

米粉麺専門店「無敵」の驚きの麺

米粉麺専門店「無敵」外観

この米粉麺専門店「無敵」を運営するのは、串間市にある株式会社川北製麺所
創業73年になる川北製麺所では、国産米を原料とする米粉麺専用工場で作った、アレルギーの心配の無いグルテンフリー麺を製造販売しています。

進化形宮崎辛麺

この無敵の看板メニューが、「進化形宮崎辛麺」850円。
辛さが0辛から5辛まで選べます(写真は2辛)。

米粉麺

丼から麺を持ち上げてみると、黄色い中太のストレート麺で、見た目は普通の中華麺のよう。

これを食べてみると、モチモチとした噛み応えで、ツルツルとのどごしも良く、小麦の香りこそ無いものの、噛むと甘みも感じられて、実に美味しい麺であることがわかります。

これまで、小麦を使わないグルテンフリーの麺をいくつか食べたこともありますが、どれもプツプツと切れて噛む楽しみが無く、味もいまいちだった記憶があります。
それらとこの米粉麺は全く違い、良い意味でグルテンフリー麺の概念を覆されました。

この宮崎辛麺の他に、「豚しゃぶかつおの盛っとうどん」(880円)、「麦味噌コーンラーメン」(850円)のメニューがあり、いずれも米粉で作られた種類の異なる麺の味わいが楽しめます。

無敵の米粉麺で世界を狙う三代目社長 有田豪さん

有田豪さん

このグルテンフリーの米粉麺を開発したのが、株式会社川北製麺所三代目社長の有田豪さん。

有田さんは、1981(昭和56)年、大阪府堺市生まれの42歳。
22歳の時に結婚したのが、川北製麺所の娘さんで、そのお父さん(川北製麺所の先代)には娘ばかり三姉妹で跡取りがいなかったため、有田さんが三代目として製麺所の経営を継ぐことになったのだそうです。

当初は、普通の製麺所と同様に様々な麺を製造し、ラーメン店やうどん店などを中心に販売していた川北製麺所でしたが、人口減少や経営者の高齢化などで閉める店も出てきて、このままでは将来を見通せない状況でした。

そんな有田さんが米粉麺にチャレンジすることになったのは、子どもが通う保育園に小麦アレルギーの友達がいて、その子が食べられるような麺を作ろうと思ったのがきっかけだったのだとか。

しかし、初めて取り組む米粉ではなかなか麺にならず、試行錯誤を重ねて出来上がった麺を手に食品関係の展示会に出展するも、最初は「食感が悪い」、「美味しくない」と酷評の嵐。

それでもめげずに串間の工場に帰っては試作を重ねること2年。
ふとしたことがきっかけで新たな製法を思いつき、ようやく現在のようなもちもちして表面がツルツルの麺を創り出すことに成功しました。

その自信の米粉麺を持って、再び展示会に出展。
その展示会で試食の麺を食べ「これ本当に米粉か?」と声をかけてくれたのが、某大手高級スーパーの社長で、すぐにその高級スーパーチェーンとの取引に繋がったのだそうです。

以降、川北製麺所の米粉麺は順調にマーケットを拡大し、海外への輸出も増え、香港やシンガポールに営業の人材を置くまでになっています。
今後は、ハラム認証を取って、イスラム圏への輸出にも取り組んで行きたいと、夢を膨らませます。

直営の米粉麺専門店にチャレンジ

「無敵」のスタッフ

川北製麺の米粉麺の評判が高まるにつれ、グルテンフリーの米粉麺を使ったメニューを作りたいと複数の有名ラーメン店からも声がかかるようになりましたが、小麦粉の麺と平行して米粉麺を使うとなると、茹でる時のコンタミ(混入)などの課題もあります。

それを解決するとなると、米粉麺専門の店舗を新設する方が手っ取り早く、それなら自分たちでやってみようと、今回の「道の駅きたごう」の新設に合わせて、米粉麺専門店「無敵」をオープンすることになったのだそうです。

店舗のスタッフは、河野孝志店長(写真左端)のほか、有田さんの妻の美沙さん(写真左から二人目)、娘の沙七さん(写真右から二人目)に、有田さん(写真右端)も時々応援に入るとそうです。

河野店長は、日々、味のブラッシュアップや新メニューの開発に取り組んでおり、季節に合わせてメニューも変えて行きたいとのこと。

有田さんは、この店舗を米粉麺のアンテナショップとしてその可能性を高め、評判が良ければ他店舗展開も視野に入れたいと話されていました。
宮崎発の米粉麺専門店が、世界各地に展開される日もそう遠くないかもしれません。

皆さんも、グルテンフリーの米粉麺の可能性を味わいに、是非「道の駅きたごう」を訪ねてみてください。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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