プロデューサーの悲報を乗り越え映画「みちのみちのり」の道は続く


記紀の道

皆様初めまして。ゴエ姉です。
皆さんは、西都市の「記紀の道」が舞台の「みちのみちのり」というドキュメンタリー映画のことはご存知でしょうか?

2021年に制作され、2021年11月14日に関係者向けに西都市で上映され、12月19日には西都市文化ホールで一般公開されました。

そして2022年3月4日から3月17日まで、宮崎キネマ館で上映されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

目次

記紀の道とは

逢初川
逢初川-みやざき観光情報「旬ナビ」より

宮崎県西都市の逢初川という小川は、高天原から降臨したニニギノミコトと美しいコノハナサクヤヒメの出逢いの地と言い伝えられ、現在は、逢初川周辺の都萬神社から稚児ヶ池の側を通り西都原古墳群まで続く4キロメートル程の遊歩道が、「記紀の道」として整備されています。

神話の時代から現代まで続く歴史ロマン溢れる遊歩道として、地元の方はもちろん、観光客にも愛される道です。

映画制作のきっかけ

映画「みちのみちのり」ロゴ

「記紀の道」整備事業で設計担当として西都市に来られた小笠原浩幸さんは、辺りの美しさに魅了され、「どうしても記録しておきたい」という思いに至り、映画の企画担当となって「みちのみちのり」が作られることになりました。

映画のスタッフは宮崎に縁のある人がほとんどで、プロデューサーには宮崎在住で映像製作会社「STEPS」代表の清武清さんが務めることになりました。

もう一人、西都市役所建設課で事業に関わっていた伊東修司さんは、出演者を調整するアソシエイトプロデューサーとしてスタッフに加わりました。
肩書きは、映画の製作に当たって清武さんが付けてくれたものとのこと。

伊東さんと清武さん
伊東修司さん(左)と清武清さん(右)

映画には、記紀の道の近辺で道に寄り添い暮らす人々が、長く続く歴史を大切にし、各々が自然とともに生き、環境を守るために工夫する姿が描かれています。

撮影には一年半をかけ、個人宅にお邪魔して話を伺ったり、人々が苦心しながらも楽しんで活動する映像が盛り沢山です。
映画スタッフは、地域の人々と「次第に親しくなっていった」と言います。

清武プロデューサーの急逝

清武夫人からの手紙
みなさんへ送られた清武さんの奥様からのお礼状

これからたくさんの人に「みちのみちのり」を観ていただくために、公式ガイドブックの作成などの準備をしていた最中、2023年1月に宣伝・広報活動を担当していたプロデューサーの清武さんが急逝するという、関係者にとっては実に悲しい出来事がありました。

清武さんは、記紀の道へ通い、たくさんの笑顔の写真を撮影し、映画製作の立ち上げを盛り上げてくれたそうです。
スタッフは、清武さんの優しい人柄のおかげで製作チームが結成され映画が出来上がったと感謝しているそうです。

妻高校の生徒とコラボした公式ガイドブック

「みちのりのみち」公式ガイドブックイメージ

亡くなった清武さんも完成を心待ちにされていたであろう公式ガイドブックは、2022(令和4)年に創立100周年を迎えた宮崎県立妻高等学校(西都市)とのコラボで作られました。

生徒たちが少人数のチームに分かれインタビュアーとなり、「みちのみちのり」にゆあかりのある飲食店や地域の人に聞いたエピソードをまとめて執筆したページができました。
インタビューに当たっては、地元の新聞社から取材の仕方についてアドバイスを受けたそうです。

担当の先生を通して、活動に参加した生徒の中から5名の生徒の丁寧に書かれた感想文がスタッフのもとに届きました。そのまま全文を載せたいところですが、一部意訳・抜粋してご紹介します。

「故郷を知る良い機会になった。アポの取り方や取材の仕方等を学んだ」(緒方美里さん)
「神話について学べた。メンバーと会話をしながら記紀の道を歩いたのが一番の思い出です」(久原翔吾さん)
「知りたいことがたくさんあり、取材できて良かった。知らない記紀の道、西都が知れた」(蛯原陸さん)
「初めてインタビューをすることで、敬語の使い方、相づちの打ち方、メモをとるスピードなどを学んだ」(後藤次郎さん)
「知らない情報を聞き出すのが面白かった。記事の書き方・レイアウトなどを高校生のうちに経験できてやりがいを感じた」(下村優奈さん)

ということです。皆さん良い体験をされたようですね。

この公式ガイドブック(A5版48ページ)は、2月8日(水)に妻高生へ届けられるほか、税込1,000円で上映会場等で販売されることになっていますが、現在、「みちのみちのり」ショップサイトで購入予約を受付中です。

コスモス
記紀の道に咲くコスモス

ガイドブックには、映画にも登場する逢初川や都萬神社などの風景写真が載り、古代ハスや川に生息するホタルの幼虫を守る人々、西都原古墳群のガイド、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが眠るとされる男狭穂塚・女狭穂塚の守部など、子供から大人まで地域への思い溢れる活動に勤しむ人々の写真がたくさん使われ、映画観賞はもちろん西都市の観光・遊歩道散策にも役立つ内容となっていますので、是非お求めください。

次は、鹿児島市で上映!

「みちのみちのり」ポスター

2月11日(土)と12日(日)には、鹿児島市のマルヤガーデンズ7F「ガーデンズシネマ」で映画の上映が予定されています。
宮崎県以外での「みちのみちのり」の上映は初めてのことですが、鹿児島県出身の古木洋平監督が撮影で参加した、西都市が舞台の映画「銀鏡SHIROMI」が昨年7月にマルヤガーデンズシネマで上映されたことから今回の上映に繋がりました。

11日(土)は、12:55~14:05の上映に続き、イベント「みちのりトーク&音楽ライブ」(約60分)が行われ、12日(日)は、10:15~11:25の上映に続いてイベント「神話と暮らす町」(約30分)を開催予定。

この機会に是非、ご覧いただけると幸いです。

Bassyプロフィール寄稿者:ゴエ姉
コンテンポラリーダンサー・振付家。イベントの取材とダンスを同時にこなす独自スタイル。テーマに合わせての即興ダンス「#姉さんシリーズ」など。景気付けに落成式やオープニングに呼ばれて踊ること多数。食材の特徴を活かすレシピ開発や料理教室を行う。これまでの食歴と鋭い味覚で食品官能調査パネリストに参加、レシピサイトのアンバサダー。食に関する相談を受付中。ミュージアムショップではPR活動を行う。

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この記事を書いた人

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。
宮崎県内の地元の人だからこそ知っているおすすめの「グルメ」「観光」情報を軸に、地域の安全安心につながる情報の提供にも取り組んでいきます。

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