料理好きのフードアナリスト、Diceです。
先日レポートした「こゆファーマーズマーケット」の会場を回っていた時に、気になる看板が出ているブースがありました。
3枚のパネルに、「グランプリ受賞」の文字が並んでいます。
「やきとり 大将」さんのブースで、売られていたのは「和風点心 鶏鳴」.
この「和風点心 鶏鳴」が、「にっぽんの宝物 JAPANグランプリ 2017」調理部門でグランプリに輝いたということでした。
にっぽんの宝物
画像出典:にっぽんの宝物Webサイトキャプチャ
「にっぽんの宝物」 というのは、良いものをただ作るだけでは売れなくなり、第一次産業の就業者も減少の一途を辿る現状に、日本のモノづくりの将来への危機感を抱いた(株)アクティブラーニングが、大学や自治体、商工会などの協力のもと、2009年から取り組んでいる、商品開発セミナーからコンテストへ至るイベントで、地方に隠された宝物を選び、新体験部門、調理部門、スイーツ部門のそれぞれで、毎年グランプリが選ばれています。
画像出典:にっぽんの宝物Webサイトキャプチャ
この「和風点心 鶏鳴」は、昨年10月に行われた宮崎県予選である「みやざきの宝 発掘!創造!プロジェクト」(宮崎県信用金庫協会主催)でグランプリを獲得し、5月4日に北九州で開催された日本大会でも見事、調理部門のグランプリを獲得したのでした。
折角なので、ファーマーズマーケットが終わってから、ゆっくりと話しを伺ってきました。
やきとり 大将
伺ったのは、新富町富田2丁目にある、「やきとり大将」。
みやざき地頭鶏を一羽買いして、炭火焼や串焼を始め、様々な料理で楽しませてくれる、地元でも人気の居酒屋です。
「和風点心 鶏鳴」は、ここの調理場で製造されています。
お話を伺ったのは、有限会社大将の取締役・吉田文恵さん。
「やきとり大将」の女将さんで、「和風点心 鶏鳴」の生みの親です。
早速、吉田さんに「やきとり大将」の厨房で、「和風点心 鶏鳴」が製造されるようすを拝見しました。
材料は、白砂ヶ尾地鶏牧場(野田清照代表)で育てられた「みやざき地頭鶏」のミンチ、キムラ漬物宮崎工業株式会社(木村昭彦社長)の「田舎ぬか漬 柿の皮入り」を小さなダイス状に刻んだものに、吉田さんの自家製塩麹。
これに、熊本県産のもち米と九州産の十穀米というこだわりの素材が加わって、「鶏鳴」ができあがって行きます。
冷めても美味しい
できあがったものを、2つに切っていただきました。
「田舎ぬか漬け」が、ほとどよく入っているのがよくわかります。
蒸してあるので熱は加わっていますが、大根のぬか漬けのコリッとした食感は残っていて、周囲のもち米や十穀米のもちっとした食感と、基本となる鶏ミンチの柔らかくもしっかりした食感と相まって、噛む喜びを味あわさせてくれます。
もちろん、それぞれの材料の持つ旨味のハーモニーも抜群。
熱々はもちろんのこと、冷めても美味しくいただけます。
むしろ、少し冷めたくらいの方が、味が落ち着いて美味しいかもしれません。
始まりは、役場主催の勉強会から
「和風点心 鶏鳴」の素材のひとつである「田舎ぬか漬 柿の皮入り」を提供している、キムラ漬物宮崎工業株式会社の木村昭彦社長(写真左)と、吉田さんが最初に出会ったのは、お互いの地元の新富町役場が主催した「やっどしんとみ」という異業種交流の勉強会だったのだそうです。
その後、高鍋信用金庫が主催するセミナーに参加して、ともに商品開発を行うことになったことで、今回のコラボレーションが生まれました。
宮崎県産で1年を通して入手可能な材料であることなど、数々のこだわりをクリアし、幾多の試行錯誤のの末に生まれたのが、このご当地グルメの「和風点心 鶏鳴」。
「鶏鳴」の名は、材料に鶏を使っていることがすぐにわかり、日本神話の天岩戸の故事に由来するめでたい名称であることから取られたのだそうです。
「にっぽんの宝物 JAPANグランプリ 2017」の最終プレゼンには、吉田さんと木村さんのほか、白砂ヶ尾地鶏牧場の野田清照さんの3人で臨み、見事にグランプリに輝きました。
この「和風点心 鶏鳴」が購入できるのは、現在のところ「やきとり大将」と宮崎山形屋の西館1階にある宮崎県商工会連合会のアンテナショップ「ひむかよかもん市場」の2ヶ所。
今後、販路の拡大を期待したいところですが、早く食べてみたいという方は、この2ヶ所のどちらかで、お買い求めください。