10月10日(土)東京の六本木ヒルズ「やさい家めい(株式会社イートウォーク)」で、宮崎県綾町の野菜をPRするイベントが開催された。(詳細については、NPO法人まちづくりGIFTのプレスリリースを参照)
本イベントを通じて、宮崎県綾町と六本木ヒルズやさい家めいは、すでに取引を開始。経済効果のみならず関連企業等の認知度拡大や様々な波及効果を生み出しているという。
本イベントから、地方と東京がつながりイノベーションが起こるヒントを考察する。
綾町の魅力を伝える「AYA100」代表の梶山さんが挨拶
本イベントは、綾町の有機農業、及び新販売される焼酎「阿陀能奈珂椰〜あだのなかや〜」のPRを兼ねて開催された
主催は、行政・民間・NPOが連携して宮崎県綾町の魅力を発信するAYA100。まさに地域一丸となり取り組むイベントだ。
本気で攻める、飛び出した行政マン達
綾町からは、有機農業推進、農産物、ふるさと納税の担当者が参加
この日のために集まった招待客らに生産者たちの熱い想いを代弁する
ふるさと納税担当者の小崎さん。昨年綾町には10億円を超えるふるさと納税が集まり、有効活用の方法を模索していた。
「ふるさと納税に頼っているだけではなく、大切なお金を、持続可能かつ地域の未来の為に投資していきたい」と語る。
地域の生産者の想いを伝える「やさい家めい」
この日のイベントの影の功労者は、六本木ヒルズ「やさい家めい」だ
本イベントの2週間前には、総料理長の関澤氏と店長の花澤氏が、綾町に実際に足を運んで視察。
農家さんとの交流や農産物などの仕入れを行った
そのため、実際に現地を知っている人がサービスを提供する事が実現し、会場の一体感を演出していた。
地方と東京のコレボレーションの真髄をここに見た気がする。
東京で、生産者の想いを料理とサービスをつうじて伝える
その想いは、実際に綾町の足を運んだ両氏だけには収まらない。
まだ宮崎県綾町には行ったことがない社員も夜を徹して、手づくりの料理メニューを作成。
*生産者の名前をメニューの一部に取り入れるユニークな施策
料理が実際に始まる前からの「おもてなし」に高い満足度が得られた。
超一流の食材 x 料理 x サービスのコラボ
筆者は実際にテーブルには入らず少し離れたところから会の模様を出入りしながらみていたのだが、その熱量は、外へも十分に伝わった。
「この野菜をもっと食べたい」「どこで仕入れができるのか?」「次回の開催はいつですか?」などという生の声も聞こえてきた。
地方創生時代「誰と組むか?」が大事
真剣にぶつかった綾町と真剣に受け止めたやさい家めい
この2つの熱量がこのイベントの成功を生み出したことは間違いない。
最高のコラボレーションは最高の結果を生み出す。
誰と組むか?は非常に重要だ
ここに地方創生時代の成功の秘訣があると考える。
地域の経済が動き出した。
すでに両者は次のステップへと動き出している。
六本木ヒルズ「やさい家めい」の「スゴべじ」は、全国の生産者、食材を紹介、コース料理を提供する、今回の綾町のイベントの拡大版だ。
次回綾町は、ふるさと納税を絡めた、このイベントの活用を画策している。
また本イベントを裏側で支え、仕入れ窓口などを担当したベジオベジコ(株式会社あらたな村/宮崎県)代表の平林氏からは、
「希望していた”やさい家めい”との商談のテーブルに付くことができた。」という嬉しい声も届いた
地方自治体はイベントだけで終わらせない投資が必要
地方と東京のイベントは数多く開催されているが、このように実際に経済が動き出し、取引が開始され、そして次へのステップと具体的に動き出しているという事例は少ない
地方創生時代、費用対効果が高いイベントを生み出すのか、また一回きりのイベントで終わらせるのか、同じお金の投資が、違う未来を生み出す。
イベント開催のための費用ではなく、綾町のように地域の経済を動かすイベントがより多く開催される事願う
写真:Move Emotions,Inc
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記事の転用元:MACHI LOG