基調講演「宮崎産農産物のブランド戦略とグローバル戦略」
続いて、日本総合研究所創発戦略センター主任研究員の三輪泰史さんが、「宮崎産農産物のブランド戦略とグローバル戦略」と題して基調講演。
それぞれの商品が持っているストーリーに光を当て伝えることがブランド戦略であるとし、宮崎牛についてはストーリー展開がまだまだで、いかに消費者に伝えていくのかが課題とする。
例えば、愛媛県の「媛っこみかんたまご」は、特産のみかんの皮を混ぜた餌で育てた鶏の卵だが、地元の特産品を余すところなく使いましたというストーリーがあるし、大分の「かぼすブリ」や「かぼすヒラメ」は既に確立されたかぼすのブランド価値を使いながら大分のポテンシャルを表現しているのに対し、「宮崎牛」はもったいないと。
東京のバイヤーに「佐賀牛」と比べて何がいいのかと問われた時に、肉質以外に語るべきストーリーを作るべきだし、それは可能なのだと説きます。
また、グローバル戦略=海外輸出については、新興国市場が急伸している今がチャンスだが、薄く広く存在するファンをどのように押さえるかが課題とする。
世界中で健康に良くて安全でおいしいものが求められているが、日本はいいものに囲まれすぎていて、いいものを安くという風潮が根強いが、海外ではいいものは高くても良い、値段が価値の証明というところがある、と話します。
しかし、牛肉の輸出については、「和牛」はまだまだ理解されていない上に、ジャパンブランドと地域ブランドの使い分けができていないため、それぞれが勝手気ままにやっている印象があることが問題だとし、輸出初期はジャパンブランド(日本産)で出し、輸出成熟期に入ってから各県ブランドで階層構造を見せながら売り込む必要があるのではないかと話しました。
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