高原の素材とまんまーるの料理人の真剣勝負
まずは一品目、グラスの中に春の装いで供されるのは、「たかはるとれ筍と雑穀の冷製スープ たかはるセリの香り」。
香ばしい雑穀の奥にセリの春の香りが加わり、筍のほのかな苦みを包み込むクリーミーな冷たいスープが、前菜として食欲をかき立て、これから始まる饗宴への期待をいやがうえにも高めてくれます。
二品目は、「中嶋さんの熟成たかはる灰干し鶏のコンフィー 中武さんの芽キャベツ、キクイモチップス、山下さんのサルノコシカケ、クレソンのドレッシング」。
油の中でゆっくりと火を通された灰干し鶏は、噛むと柔らかく歯を押し返しつつ、凝縮した旨味が溢れ出し、もっともっと、1羽分でも食べたくなります。
添えられたクレソンのドレッシングも春らしく爽やかで、芽キャベツとサルノコシカケ、キクイモチップのそれぞれ異なる食感と味が、口の中を楽しませてくれます。
皿に残ったソースをぬぐい取って食べるのは、「たかはる産小麦の天孫降臨カンパーニュ」。
外側はパリッと焼けて香ばしく、中はもっちりとして、酸味はあまり感じず優しい味わい。
この日の「まんまーる」も80人の満員御礼。80人分を作る厨房はまさに戦場で、キッチンスタッフも総出で頑張ってました。
三品目は、「たかはる産よもぎとけったくり芋の2色のニョッキ はなどうの地蜜と梅肉、マスタードのソース」。
ニョッキは、蕎麦がきのように口の中でホロホロとほどける食感が面白い。けったくり芋は優しい甘み、よもぎは春の香りを残して溶けていく。そこにアクセントを加えるのが、梅肉の酸味と地蜜の甘みとマスタードのかすかな刺激。
四品目は、「灰干ししたニジマスのベニエ 日向椎茸研究会 田中さんの極上椎茸フリカッセ」。
ニジマスは、水分が抜けすぎず、あくまでも柔らかく、それでいてさっくりした衣の中で旨味が凝縮されている。添えられた椎茸のフリカッセのコリコリとした食感と旨味も嬉しい。
五品目は今日のメイン料理、「鳥丸軍三氏が肥育した極上宮崎牛のロースト、そのお肉の入ったハンバーグ『天照』 中武さんの塩へベスと牛肉のジュ」。
さすがにチャンピオン牛!、噛むほどに溢れ出す脂の美味さ。ずーっと噛んでいたくなる肉。
ハンバーグの中にも塊の肉が仕込まれていて、これまた美味い!。
やれ、黒毛和牛は脂が多いので健康に良くないとか、赤身の美味さがどうのこうのと言うけど、毎日のようにたくさん牛肉を食べる訳ではないのであれば、この一皿の中で味わい尽くす牛肉ということであれば、やはり丁寧に育てられた黒毛和牛に勝るものはない。
黒毛和牛は、日本の食卓に適した牛なのだろうな。そんなことを感じさせる素材と、その素材を活かす料理でした。
そして「神様の水『祓川湧水』で炊いた、小清水米の炊き込みご飯 鳥丸軍三氏の宮崎牛しぐれ添え」。
ゴボウの炊き込みご飯に、生姜を効かせた牛のしぐれ煮が添えられていて、このしぐれ煮が絶妙!。スゴい牛肉を余すとこなく使い切ろうとする料理人の意地を、このしぐれ煮に感じました。
そしてデザートは、「ゆるり紅茶のクリームブリュレ」。
どうです、このビジュアル。皿の上に茶色の大地から萌え出でる春が描かれているでしょう!?。
「ゆるり紅茶」は、高原町産の緑茶用茶葉を発酵させて作られた紅茶。そのままでもほのかな甘みがあるのが特徴です。
食事が終わって、ラディッシュセブンの佐藤店長もご挨拶。
高原町は芸達者が多くて面白かったけど、何にもまして凄い牛肉だったと、鳥丸さんの育てられて黒毛和牛の肉に感動を覚え、それを余すとこなく味わい尽くすメニューを考えられたのだそうです。
佐藤店長、スタッフの皆様、ごちそうさまでした。
しかし、凄いのは料理ばかりではなかった。
もうひとつの感動は、高原町産の穀類を原料に造られたアルコール飲料の数々でした。
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