トレイル・ランニングのコースとしても有名な加江田渓谷の全貌-宮崎市


その1から続く。

加江田渓谷は四季折々いろんな楽しみ方ができる。
実はこの一帯、トレイル・ランニングのコースとしても有名で、時々、登山姿の横を颯爽と走り抜けるランナーもいたりする。

甌穴1

甌穴

硫黄谷の先に行くと、左手の川の中にに丸い穴が穿たれたような岩が見えてくる。
これは、岩のくぼみに入った石が、水流で回転しながら岩を削ってできた甌穴(おうけつ)と言われるもので、都城市の関之尾滝の上流部にあるものは世界でも有数の規模として有名。
甌穴2
こういう景観を楽しみながら、更に奥へと歩みを進める。

広河原休憩所

広河原休憩所看板

硫黄谷から約800mで、広河原休憩所。
休憩所

ここから川原に降りることができるので、加江田川の清流を間近に見て欲しい。
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どう!?、この水の透明度。心まで洗われるようじゃない。
清流2
流れはゆるやかで水深も浅いので、小さな子ども連れでも安心。だからと言って、水辺では目を離しちゃダメ。何が起こるかわからないからね。

多目的広場

多目的広場看板
国有林の入口から2.1km地点にある多目的広場。右手にトイレがあり、左手にはちょっとした広場があるので、休憩するにはもってこい。こういうとこでバーベキューとかするといいだろうね。
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私もトイレの前のベンチに座って、おにぎり3個で小休止。ピクニック弁当とかあるといいんだろうけど、自転車だったし仕方ない。
軽いハイキングなら、ここで折り返す人が多いと思うが、今日はここから更に奥のあかご淵を目指す。

 

登山道

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加江田川の左岸側は双石(ぼろいし)山系、右岸側は椿山、花切山、斟鉢(くんぱち)山などを擁する徳蘇(とくそ)山系で、遊歩道からそれぞれの山へ向かう登山道も伸びていてる。
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ちょっとハードに楽しみたい人は、登山と組み合わせてもいいし、複数の山に縦走をかけることもできる。
ただし、遊歩道からの登山道は、急登があったり、道がわかりにくい場所もあるので、安易に考えて登ると痛い目に遭う。渓谷の中は携帯電話の電波は届かないし、ちゃんとした装備と準備が必要なので気をつけて欲しい。

杉の美林を抜けて

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蛇淵、第一家一郷橋、第二家一郷橋と抜けると、遊歩道はそれまでの川沿いから、杉林の間を通って行く。
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それまで自然林だったのが、よく手入れされた人工林に来ると新鮮であり、美しささえ感じる。こうした杉林があったからこそトロッコが整備され、それが時を経てこうして遊歩道として利用できている訳だ。

 

あかご淵へ

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そこから更に橋を渡り、
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「人形淵」を臨み、
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丸野駐車場から約5kmの地点、今回の目的地である「あかご淵」に到着。
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遊歩道は、まだこの先3kmほど、椿山キャンプ場まで続くのだが、そこまで行ってしまうと帰りが大変になるので、ここから来た道を引き返す。

でも、丸野駐車場から椿山キャンプ場まで片道約2時間のこの遊歩道は、観光コースとしてもポテンシャルが高いので、送迎車両を準備して丸野駐車場でツアー客を降ろし、車は椿山キャンプ場に先回りしてバーベキューなど昼食の準備をして、2時間余かけて歩いてきたツアー客に昼食をサーブした後にピックアップして帰るという日帰りツアーを組むと面白そう。

ニョロニョロ

銀竜草
「あかご淵」の近くで何気なく木陰を覗いてみると、白く儚げな花みたいなものが。
初めて目にするものだったので、写真に撮って、帰りにここら辺の自然に詳しい人に確認してもらったら、「銀竜草(ギンリョウソウ)」という植物らしい。菌類と共生する腐生植物として有名らしく、生えている場所やその姿から「ユウレイタケ」とも呼ばれたりするらしいが、なんかムーミン谷のニョロニョロを連想させる。
オンツツジ
遊歩道のところどころには、オンツツジの花も美しく咲いていた。

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この他にも、季節によっていろんな花や木を楽しむことができる。苔やきのこを見るだけでも楽しい。
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ポケット図鑑を片手に、子ども達と一緒に目に入るものを調べながら歩くのも良さそうだ。

鳥好きは、野鳥の姿を探すのもいいだろう。この渓谷だけで十数種類の鳥を確認することができるという。この日は、姿こそ見なかったものの、ウグイスがしきりに鳴き交わしていた。

本当に気軽にアプローチできるショート・トレイルなので、もっともっとたくさんの人に宮崎の自然を楽しんで欲しい。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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