いつも宮崎の酒場を放浪していると思われているようですが、どっちかと言うと自炊派のDiceです。
このところ新店ラッシュの宮崎駅前商店街「あみーろーど」ですが、以前、みやざき地頭鶏ラーメンの「ぐう」があった場所に、今年の2月20日に新しいお店「まんぺい」がオープンしました。
気になりながらもなかなかレポートする機会が無く、ようやく取材することができましたので、遅ればせながらお届けします。
扉を開けて中に入ると、右側の厨房に面した長いカウンターをメインに、左手窓側には2人掛けのテーブルが2つ。
カウンターを抜けた奥には、壁際の長いすと、組み合わせ自由なテーブルで10人ほどが座れます。
この写真の右奥には、6~8名収容の個室もあります。
カウンターの上部には、おでんの種を中心としたメニュー札がずらり。
まずは平兵衛サワーからスタート
席に着いたら、まずは手のアルコール消毒の洗礼が待ってます。
指や掌を消毒したら、温かいおしぼり貰って、飲み物の注文。
まず1杯目は、目の前にオススメメニューとして出ていた平兵衛酢サワーをいただくことにしました。この時季、宮崎ならではの飲み物ですから、いただかない手はないですよね。
こちらでは、日向市のかくちゃん農園のへべすを使っているとのこと。
爽やかで柔らかい酸味が嬉しいです。
刺盛り
へべすサワーと一緒に頼んだのは、「刺身盛り合わせ」。
盛り合わせの内容は、その日に入る魚によって違うのですが、この日はカツオ、キハダマグロ、釣りイサキ、カンパチ、太刀魚の5種類。
魚種に応じて皮目を焼いたりきちんと仕事がしてあって、どれも美味しい!
盛り合わせではなく、もちろん単品でもOKなので、お好みのものがあればそれをじっくりと攻めるのもありです。
毎日書き換えられる手書きメニュー
刺身とへべすサワーで少し落ち着いたところで、メニューをじっくり眺めます。
右上に日付が入っているところからおわかりのように、メニューは毎日手書きで書き換えられています。
カウンターの上にメニュー札が掲げられていたおでんのほかに、炭焼きとおばんざいがメインのようです。
どれも魅力的ですね。
名物料理のひとつ「原始焼」
入口近くのカウンター前には、炭火が赤々と燃える特注の炉がしつらえられています。
炉の前の席に陣取って、串に刺された魚や鶏を焼く「原始焼き」を眺めつつ飲むのもこれからの季節良さそう。
原始焼きのなかでもオススメなのが、青森県から取り寄せれれるまるまると太った「とろ鰯」。
頼んでからしばらく待つと、炭火の側の灰に刺されてじっくりと焼かれていた青森産の特大とろ鰯が上がってきます。
背びれを外したら、串を持って豪快にかぶりつくと、ふっくらと焼き上がった鰯の身から、美味しい脂がぴゅるっと染み出してきて、至福の味わい。
こんなに大きくて美味しい鰯は、宮崎ではなかなか食べる機会がないので、これは是非一度召し上がってみてください!!
特製の銅鍋で煮られるおでん
カウンターの中央付近には、特製の大きなおでん鍋が鎮座しています。
鍋の中のたねは、大根、しらたき、あつあげ、豆腐、ちくわ、こんにゃく、たまご、牛すじなどの定番のほかに、宮崎らしく豚軟骨も。珍しいところでは、もずくなんかもあって、単品で150~400円。
まずは、大根、あつあげ、豚軟骨をいただきました。
おまけに付いてきた昆布は、銅鍋の効果で緑色。
出汁のよく染みた大根の上部には、おぼろ昆布が載せられています。
豚軟骨は、柔らかく炊きあげられていて、ほろほろと崩れるよう。
横の皿に添えられているのは、和辛子、柚子胡椒、山椒味噌で、お好みで。
続いて気になった「もずく」。おでん種で「もずく」なんてなかなか無いですよね。
どんな感じかなと思っていたら、椀に張られたおでんの出汁の中で、太めのもずくが泳いでいます。
シャキシャキとしたもずくの食感に、おろし生姜の風味の効いた旨味たっぷりの出汁。これはなかなか美味しいです。
そして、もう一つ気になった「ダブルたまご」。
メニュー見た時は、黄身が2つの卵かなと思ったのですが、こう来ましたか!!
2つに割られたゆで玉子の上に、イクラが盛られています。鶏卵+魚卵でダブルたまご!!
半熟に近い、あまり染みていない玉子に、このイクラの塩気が絶妙にマッチ。一見奇をてらっているようで、よく計算されている一品です。
いや~、ほかの種も食べてみたいけど、お腹いっぱいでこれ以上は無理でした。
近いうちに再訪しなければ。
いろいろ選べるおばんざい
カウンター前の大皿に盛られた「おばんざい」は、その日によって7~8種類用意されています。
単品では450円ですが、小皿で盛り合わせた3種盛りで750円、5種盛りで1,250円。
オススメの3種盛りをお願いしたら、「宮崎ゴーヤの肉詰め」、「蓮根となっとう炒め」、「きのことお魚のあんかけ」が出てきました。
納豆を炒め物に使うのは初めてでしたが、納豆特有の臭みも無く、旨味だけがうまく使われていて、勉強になりました。
県内酒造場の本格焼酎を品ぞろえ
焼酎は、渡邊酒造場(宮崎市田野町)の「萬年」や⼩⽟醸造(⽇南市飫肥)の「杜⽒潤平」など県内各地の焼酎蔵のものから、定番の霧島や⽊挽きまで各種揃っています。
写真右端の「Colorful」は松露酒造(串間市)産で、タマアカネを白麹で仕込んだ原酒と宮崎紅を黒麹で仕込んだ原酒をブレンドした30度ある芋焼酎なのですが、華やかな香りがあって、私はこれをソーダ割りでいただくのが好きなんですよ。
日本酒も愉しめます
焼酎はもちろんですが、日本酒のセレクトもなかなかのもの。
日本各地の日本酒が、季節に応じて揃えられています。
この日は、秋らしいセレクトの日本酒がいろいろ入荷していました。
この日いただいたのは、平孝酒造(宮城県仙台市)の「日高見 秋酒 ひやおろし」。
柔らかな吟醸香に透明感のある旨味。すっきりと端麗で、料理の味を邪魔しない、食中酒にふさわしい酒でした。
日本酒に合わせたのは、この井桁に組まれて出てきた「宮崎ごぼうの唐揚げ」。
噛むほどにごぼうの甘みと旨味がしっかり感じらて、これをすっきりとした日本酒で流し込む至福。
笑顔のステキなスタッフの皆さん
店主の後藤研介さん(写真右端)は、宮崎市内の⾼校を卒業後上京。
叔父が営むちゃんこ料理店を振り出しに、居酒屋の神様といわれる宇野隆史氏が率いる(株)楽コーポレーションなどで14年修⾏を積み、自分の店を持とうと宮崎に戻って準備を進め 、晴れて2⽉に「まんぺい」のオープンとなったのでした。
一諸に店を切り盛りする千裕さん(写真左端)は東京時代の同僚で、宮崎が気に入りこの夏に移住してきたのだそうです。
大柄な二人の元気な声と明るい笑顔に引っ張られて、他のスタッフも笑顔が絶えません。
二人のしっかりとした技術と、素材を選ぶ目利きの力に裏打ちされた料理は、どれを食べても外れ無し。
盛りも良くて、リーズナブルにいただけるので、リピーターも多い人気店になっています。
複数で訪問される際は、事前に予約の電話を入れるのが良さそうです。
【まんぺい】
住所:宮崎市広島2丁目5-30 ルポ宮崎駅前ビル1F → マップ
電話:0985-41-5969
営業時間:17:30~24:00(料理L.O. 23:00 ドリンクL.O. 23:30)
店休日:日曜日
66 291 381*55