
こんにちは、ライターのヒロです。天高く馬肥ゆる秋、秋ならではの味覚を堪能できる時期ですね。
そんな中、お茶農家を営む有限会社豊緑園が運営する「みどりとすずめ」(新富町)にて、先月末より販売開始された、「須木栗きんとん大福」が話題となっています。
今回は、その魅力についてご紹介いたします。
こだわりの栗きんとん

栗は、古代から日本人の重要な食料源のひとつで、青森県の三代丸山遺跡(縄文時代)からは、集落の周りに栗林を作っていた跡がみつかっています。
古くは煮たり、焼いたり、蒸したりして食べていた栗ですが、時代が進むと様々な加工が行われるようになり、甘く煮た栗をさつまいもの餡と合わせて練り上げた「栗金団(くりきんとん)」や、炊いて潰した栗に砂糖を加え、茶巾で絞った「栗金飩(くりきんとん)」が江戸時代以降に庶民にも浸透してきます(由来については諸説あり)。
どちらも「くりきんとん」と同じ呼び名ですが、前者はおせち料理の一品として親しまれ、後者は和菓子として親しまれています。
「みどりとすずめ」では、低温貯蔵された須木産の栗と甜菜(てんさい)糖に、お茶農家ならではの樹齢なんと80年のお茶の木から作られた有機ほうじ茶を風味付けに使い、他に余計な材料は使わずに、丁寧に栗餡を造っていらっしゃいます。
筆者も自身の店で栗を使ったカクテルを創作していますが、意外にも生産地によって栗の風味に差があるものなんです。
「みどりとすずめ」代表の森本亜矢さんに、須木栗を選んだきっかけや理由を伺ったところ、
「ご縁あって知人より紹介を受けて試作を重ねたのですが、1ヶ月くらい熟成をすることで、甘みも風味もすごく良くなったんです。理想に近いと思い、採用することにしました」
とのこと。
ポイントは、水分量や糖度のバランスだったんでしょうね。
自社の茶畑で有機栽培されたほうじ茶を使用

そして、大きなポイントでもある、有機ほうじ茶を加えた理由についても伺うと、
「お茶生産者がつくるお菓子として、全てのお料理・お菓子にお茶を使いたいと思っていますが、栗の風味を損なっては意味がないので、さまざまなお茶との相性を試しました。
結果として、栗きんとん大福にはほうじ茶!に辿り着きました。」
とのこと。
「みどりとすずめ」では、様々な種類のお茶が購入できますが、全て自社畑で無農薬栽培された茶葉なのです。
しかし、お茶屋さんとして、そして和菓子屋さんの立場としても、実際の商品化までに様々な葛藤があったようで、
「お茶とのバランス、栗の風味を活かすこと、栗の蒸し方、餅と栗との量のバランス、甘さ、包んでいる餅が固くならないようにするには…などなど、かなり試行錯誤し実験を繰り返しました。」
と話されていました。
実食!

さて、実食してみます。
しっとりし過ぎず、ホロホロし過ぎず、絶妙な柔らかさの餡は、加熱され甘みを引き出された栗そのもの。
控えめな加糖は、栗本来の甘さを引き出しており、色も鮮やかです。
そして一番のポイントは、在来ほうじ茶(接ぎ木などではなく、種から成木になった樹から生まれた茶葉を指します)のアクセント!
これで程よく味が引き締まり、後味にふわっとほうじ茶の香ばしさが残る、不思議な風味をもたらしています。
風味豊かで無添加の栗餡は、コシのある杵つき餅で包まれ、食べ進むのが楽しい食感を生み出しているんです。
まさに栗きんとんと大福のハイブリッド。
地元の食材の良さを最大限に引き出した、未体験の風味を味わえるのも嬉しいですね。
通販でも買えます

この須木栗きんとん大福は、「みどりとすずめ」での直売のほか、オンラインでの購入も可能。
通販用の商品は、風味を損なうことなく出来た直後に瞬間冷凍され、自然解凍でこの風味を堪能できます。
10月28日から発売開始されましたが、12月半ばくらいまでは提供可能とのことです。
売り切れてしまう前に、是非ご賞味いただければと思います。
なお、森本代表はデザイナーとしてご活躍された経歴もあり、「みどりとすずめ」のロゴや化粧箱のデザイン等も代表の手によるものなのだとか。
手づくり感のある温かなデザインからも、丁寧な仕事ぶりが伝わってくるようです。
【須木栗きんとん大福 (すきくりきんとんだいふく)】
価格:1個 350円(税込)、化粧箱箱入り8個 3,000円(税込)
原材料:和栗(宮崎県小林市産)、もち米(国内産)、てんさい糖(国内製造)、有機焙じ茶(宮崎県新富町産)
賞味期限:冷凍保存で60日(解凍後は当日中)
販売方法:
(1)みどりとすずめ店舗にて [ https://midoritosuzume.com/ ]
(2)もりもっ茶オンラインストア[ https://morimocha.com/ ]
隣にはティーサロンも併設

「みどりとすずめに」併設されたティーサロン、「サロン・ド・テ・もりもっ茶」も合わせてご紹介します。
筆者は仕事柄、世界中の飲み物に興味があり、こちらも気になっておりました。
店内は静謐でスタイリッシュ。お茶に集中できます。
豊緑園の茶畑は、自然との共生を心掛け、虫や小動物とも調和型の有機・無農薬でのお茶づくりを実践されています。
このサロンでは、同社の誇る様々なお茶、煎茶・ほうじ茶・番茶など複数のお茶を、温製でも冷製でも楽しめます。
香りも最大限に楽しめるよう、冷製は水出し製法でワイングラスにて提供されるなど、こだわりが感じられます。
日本茶もそれなりにカフェイン含みますので、飲めば頭スッキリ。
茶菓子とのペアリングの提案も、ここならではですね。
事前予約が必要ですが、カラダ喜ぶ麹を多用したランチも展開されており、こちらも好評を博しています。
短い秋のくつろぎのひとときに、期間限定の栗きんとん大福が持つ旬の味・香りをぜひお楽しみ下さい。
コーヒーも合いますが、やはりお茶が最高の相性です。
豊緑園では、近くパウダー茶シリーズの販売も予定されており、創業88年の歴史が育んだ、大地の恵みを気軽に楽しめそうです。
【みどりとすずめ】
住所:宮崎市新富町大字日置5190-1 → MAP
営業時間:10:00~17:00
定休日: 月曜・火曜
電話:0983-32-1285
Instagram:@midoritosuzume

【サロン・ド・テ・もりもっ茶(ティーペアリングサロン)】
住所:同上
営業時間:11:00~16:00
定休日:同上
電話:同上
Instagram:@salon_de_the_morimocha

寄稿者:ヒロ(境田宏明)「バー アルコリズム」オーナーバーテンダー。
シェラトンのバーで15年勤務後、2022年ニシタチに開業。ソムリエ・きき酒師・焼酎きき酒師・酒質鑑定士の資格を持つ。
2023年のG7農相会合では、ニシタチを代表するバーテンダーの内の一人として、レセプションでの振る舞いに2日間参加。
カクテル創作のワークショップや屋外イベントも展開中。
