“好き”を仕事にしながら働くということ-『教えて!先輩』@都城市立図書館


会場となった中央のホール

こんにちは!砂山です。寒い季節になってきましたね。
しか~し、家に閉じこもっている暇はありません!

何やら面白いトークショーがあると聞いてやってきたのは、今年4月28日にリニューアルオープンを果たして以来、何かと噂の都城市立図書館。

自分の“好き”を仕事にしながら働き、楽しく生きている様々な「先輩」たちに学ぶトークイベント『おしえて!先輩』に参加してきました。

 

初回のゲスト先輩は、ステレオテニスさん

ステレオテニスさん

第1回目のゲスト先輩は、この『おしえて!先輩』企画の発起人でもあるステレオテニスさん。

都城出身で、ファッションイベント「東京ガールズコレクション2018」のメインビジュアルや、音楽グループ「電気グルーヴ」のグッズデザインなども手掛けているのだとか。

す、すごい経歴です……

どんな人なのでしょう。楽しみです。

 

“好き”の原点は漫画を描くこと

ステレオテニスの仕事展

イベントと同時開催されていた『ステレオテニスの仕事展』(2018年11月20日~12月25日)には、1980年代をモチーフとした作品が並んでいました。

トークショーは、ステレオテニスさんの生い立ちから始まりました。

ご本人が、「漫画家になりたい期」と称するとおり、小さい頃は、とにかく漫画を描いていたというステレオテニスさん。

当時大人気だった『りぼん』(集英社)に投稿したこともあるのだとか。

「14歳の時だったんですけど、りぼんNEW漫画スクールっていうのに応募しました。そしたら、Aクラス(誌面にのる手前の賞)だったんです。
編集部から、『絵は非常に上手ですが、内容が全部どこかでみたことある。』って書かれてしまいました。
当時の漫画は、好きな作家たちの見よう見まねだったので、『言い当てられた!』という感じでしたね。」

編集部あてに、
「完全にデビューして本誌で漫画家になれるのに何年ほどかかりますか?」
と質問している手紙なども披露され、会場が沸きます。

「とにかく好きなものに対する集中力はすごかった」というステレオテニスさん。

まっすぐに夢に向かう姿勢が伺えるエピソードです。

 

「ステレオテニス」が誕生するまで

図書館スタッフの質問に答えるステレオテニスさん

その後、京都の嵯峨美術短期大学に進んだステレオテニスさん。

デザイン科でしたが、映像にも興味があったと言います。

映像サークルがなかったため、それなら自分で作ってしまおうと、学校中に張り紙をして募集を開始。

そして女子2人が集まり、組んだのが“マイクロマイクロ”というユニットでした。

「3人のメンバーでアルバイトをして機材を購入して、クラブでVJ(Video Jocky=音楽に合わせて様々な映像作品を流す人)として活動しました。
だけど、しばらくするとある程度やりきった感があって。何か新しい名前で変なチームが作りたいと思ったんです。
そこで生まれたのが女性2人で組んだ“ステレオテニス”でした。」

裏方でありながら、派手な服を着てVJをする「ステレオテニス」。

“軽くて、あまり真面目じゃなくて、ふざけた感じ”という、80年代に対する解釈を自由に表現し、発信する彼女たちには、スポンサーがついたり、いろんな所から声がかかるようになったりしていきました。

 

「直感」に従い、京都から東京へ

MacBookを前に話すステレオテニスさん

2005年、ステレオテニスさんは京都から東京に引っ越します。

職場の先輩に誘われたのがきっかけだったと言いますが、決断は一瞬だったのだとか。

「直感的にいいなって思って、『行きます』と言いました。すぐ引越しの手続きや準備をしましたね。
あの時は何も考えていなかったと思います。“やりたい!”という気持ちだけでした。」

会場から驚きの声が漏れます。

とにかく、思い立ったら即行動。
その行動力を持っている人は、そうは多くないのではないでしょうか。

東京に拠点を移したあと、ステレオテニスさんはさらに活躍の場を広げていきます。

本人が「コラボレーション爆発期」と呼ぶ時期には、有名アーティストやキャラクターとのコラボレーションを多数実現し、日本だけではなく韓国にも仕事の幅が広がったのだそうです。

その仕事の数々は、ぜひステレオテニスさんの公式ウェブサイトをチェックしてみてください。

 

地域は、“好き”がストレートに表現できる場所

会場に集まった人々

トークショーは、質疑も入れて約2時間半でした。

自身の“好き”を突き詰めていくうちに、それが周りからも求められるものになっていく。

その過程が実例とともに紹介され、いかにステレオテニスさんが、“好き”を大切にし、それが仕事になってきているかが分かります。

「みなさんも、“この人と仕事をしたい”って、どんどん思ってほしいです。
私ができてるから、きっとみなさんもできるはずなんです。
もちろん東京に行っていろんな経験するのもやった方がいいと思いますが、地域にいると、好きを仕事にできることって多いと思います。
突出する方法を考える方に力を使わなくて良い分、やりたいと思ったことをストレートにやりやすいのは意外と地域だと思っています。」

会場には、都城市内外からがたくさんの人が集まっていました。

“好き”を仕事にする。

もしかしたら、それはそんなに難しくないことなのかもしれません。

 

次回のゲスト先輩は、版画家の黒木周さん

第2回チラシ「ゲスト先輩」の生い立ちをたっぷり聞くことができる『おしえて先輩!』は、都城市立図書館で毎月開催されていて、第2回目となる12月22日(土)には、やはり都城出身の版画家で、国内外で個展を開催している黒木周さんが登場。
そして、黒木さんからお話を聞き出すのは、ステレオテニスさんという、これまた魅力的な組み合わせ。

さらに、3回目の1月19日(土)には、映像ディレクターの家子史穂さんが登壇します。

それぞれ、“好き”を仕事にされている皆さんで、どんなお話が伺えるのかすごく楽しみです。

事前申し込みは不要ですので、皆さんもぜひおいでになりませんか?

 

砂山プロフィール寄稿者:砂山とも子

都城在住、面白いイベントやカフェ巡りが大好きな事務職です。
最近、ヨガを始めました。

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この記事を書いた人

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。
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