造り手を知るからこそ「宮崎焼酎」の良さを伝えたい-ミクソロジスト南雲主于三


バーテンダー仲間と宮崎の焼酎蔵を訪問(画像提供:宮崎焼酎酒場ひなた)

こんにちは、宮崎ブランドアンバサダーの牛島奈津子です。

皆さん、宮崎焼酎、楽しんでいらっしゃいますか?
「日本のひなた」といわれる宮崎県には38の焼酎蔵があり、焼酎の出荷量は日本一を誇ります。

先月、その宮崎県が主催する焼酎カクテルのイベント「TOKYO MIX UP WEEK」が東京で開催されました。
2018年にスタートした〝SHOCHU Mix Up〟の取り組みになどついて、日本におけるミクソロジーの第一人者で、この焼酎イベントのプロデューサーの南雲主于三(なぐもしゅうぞう)さんにお話を伺いました。

目次

東京で開催された「TOKYO MIX UP WEEK」

焼酎カクテル4種

宮崎県が贈る焼酎カクテルのイベント「宮崎 SHOCHU MIX UP」は、2020年より国内外様々な地域を舞台に展開してきました。
今年、2月7日(土)~21日(土)の15日間、東京で開催された「TOKYO MIX UP WEEK」では、都内を中心に約60のBARやレストランで、これまでの焼酎の概念を変える〝焼酎カクテル〟が生まれました。
これまでの「SHOCHU MIX UP」で世に送り出された焼酎カクテルは、1000種を超えたということです。

イベントでしか飲むことができない〝焼酎カクテル〟を私も楽しみました。
ロックやお湯割り、水割りで飲む焼酎ももちろんおいしいのですが、カクテルになるとより気軽に飲めますし、焼酎初心者の方や苦手という方でもチャレンジしやすく、焼酎の可能性を感じることができました。

日本を代表するミクソロジストで実業家の南雲主于三氏

南雲氏
画像提供:南雲主于三

イベント「MIX UP」の総合プロデューサーの南雲主于三さんは、これまでにない新しいカクテルを生み出し続けている日本を代表するミクソロジストであり実業家。
ミクソロジストとは「Mix(混ぜる)」と「ologist(専門家)」の造語で、既成概念を飛び越えて創造するカクテルをつくり出すバーテンダーのことです。

南雲さんは、1980年岡山県生まれ。
大学進学のために上京し、1998年にバー業界に入ります。
そこから都内の大小様々な店舗でキャリアを積んだ後、21歳で決めた「27歳で独立する」との期限の1年前の2006年に修行のため単身渡英。
ロンドン・パークレーンにある高級ホテル「Metropolitan Hotel」(現「COMO The Metropolitan」)内にある、松久信幸氏の世界的日本料理レストラン「Nobu London Metropolitan」に勤務しました。
2007年に帰国後、「XEX東京」のヘッドバーテンダーに就任し、2009年に「スピリッツ&シェアリング株式会社」を設立しました。

もともと焼酎は嫌いだったそうですが、焼酎で作ったカクテルで飲んで印象が変わったといいます。
「おいしくないと思っていたお酒がこんなにおいしくなるのか」と。
そこが、バーテンダーとして活躍する原点となりました。

現在は、都内に6店舗、京都に1店舗、台湾に1店舗の運営に携わっています。

「全ての液体をカクテル化すること」がミッション

Mixology Salon
『Mixology Salon』外観(画像提供:南雲主于三)

バー業界でキャリアを積む中で、焼酎に触れる機会はなかったといいますが、2017年にGINZA SIXの13階フロアに『Mixology Salon』をオープンしたことが大きな転機となりました。
ちょうど同じタイミングで、日本の酒文化を国内外に発信する酒販店『いまでや銀座店』も同じ建物に店を構えることになり、密な付き合いが始まったことで、〝國酒〟について本格的に学び、考える機会が増えたんだそう。

そこから焼酎関連のイベントにも声が掛かるようになりました。
「全ての液体をカクテル化すること」が南雲さんのミッション。
今年もすでに東京・新宿や名古屋など4店舗の開業が決まっています。

「MIX UP」の歩み、国内最大規模の焼酎イベントに

焼酎イベントでのトークショー
焼酎イベントでのトークショー

2018年に『いまでや』さん主催の焼酎イベントでカクテル創作を6種類依頼され、本格的焼酎カクテルをつくったのはこの時が初めてだったといいます。
その時、様々な蔵元の皆さんや焼酎を扱う飲食店さんからも「こんなおいしいカクテルができるんだ」と言われたのが印象に残り、焼酎に伸びしろを感じたといいます。

2020年に初めて開催された宮崎焼酎カクテルイベント「宮崎 SHOCHU Mix Up」では、蔵元によるセミナーや、南雲さんや各分野の専門家によるトークショーなどを実施。
コロナ禍の中の2021年には、宮崎の本格焼酎の魅力を満喫できる同イベントのオンラインイベントを実施しました。
そこから昨年(2025年)には、「宮崎焼酎カクテルウィーク」として、国内203店舗、海外5店舗のバーや飲食店が参加するなど、焼酎イベントとしては国内最大規模に成長しました。

「MIX UP」のイベントは毎年テーマを変えて行われていて、今年(2026年)は東京の56店舗のバーや飲食店で、一流バーテンダーの手によって生み出された新感覚のカクテルを楽しむことができました。

宮崎焼酎のこれから

焼酎カクテル2種
焼酎カクテル

今は「焼酎はそのまま飲め」という時代ではなく、カクテルにして世界に広げてほしいという蔵元からの想いも強いとのことで、時代や環境とともに業界自体が変わってきています。

南雲さんに今後の焼酎について伺ったところ、
「飲料文化のマーケットは競争が激しいので、焼酎がどんどん伸びていくのは考えにくい。
でも、海外のどこかで〝焼酎カクテル〟がトレンドになることはあり得ない話ではない。
レモンサワーを本格焼酎でつくってみるなど、まだまだ工夫ができる」
と話してくれました。

宮崎県のみならず、宮崎県内の酒蔵からのオファーも多い南雲さん。
宮崎焼酎の良さについては、
「38蔵それぞれが個性的で工夫されている蔵も多い。
知らないだけで飲んでみたらすごくおいしいお酒もまだあり、出会ってないから魅力を知らないだけ。
人の多様性が焼酎の多様性につながっていて、宮崎へ足を運び、造り手を知っているからこそ良さを伝えていきたい」と話されていました。

今後の「MIX UP」も全国規模で、300店舗超えていきたいとのことで、やりたいことはまだまだあるようです。

南雲さんが語る未来は、夢にあふれていました。
「新たなテクノロジーを導入して、バーテンダーがいないバーが近年中に現れるかもしれない。
カフェのようなオープンなバーで、宮崎の焼酎が味わえるかもしれない」
そんな大変興味深いお話も伺うことができ、宮崎焼酎の未来が益々楽しみになってきました。

牛島奈津子寄稿者:牛島奈津子
東京都在住のフリーアナウンサーで保育士でもある。3児の母として子育ても奮闘中。転勤族で2022年夏まで3年間宮崎県で過ごし、宮崎市のコミュニティFM局「宮崎サンシャインFM」のパーソナリティをしながら、たくさんの出会いを経験。現在も月に1度「宮崎サンシャインFM」の“なっちゃん通信”というコーナーで、東京で見つけた宮崎を発信中!宮崎県の「みやざきブランドアンバサダー」としても活動。

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この記事を書いた人

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