9年目の備蓄缶プロジェクト宮崎、今回は能登の被災地の支援へ!


「備蓄缶プロジェクト宮崎」バナー

皆さん、こんにちは。缶詰使った料理もレパートリーにある、料理好きなDiceです。

備蓄缶プロジェクト宮崎」について最初に取材したのは、2016年10月でした。
株式会社器と宮崎海洋高校、宮崎県漁業協同組合連合会、一般社団法人みやPEC推進機構の4者合同プロジェクトとして、宮崎の海で獲れるシイラを原料に「宮崎マヒマヒフレーク缶」を開発し、それを賛同企業が備蓄用に購入して万が一の災害に備えるというもの。

宮崎の漁業資源の有効活用、高校生の教育、防災にと、一石三鳥どころではない、それ以上の可能性を秘めた素晴らしい取り組みだと関心したものでした。

目次

様々な魚介で様々な缶詰ができました

令和2年度のプロジェクト会議の一コマ
新商品開発会議の一コマ(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

その「備蓄缶プロジェクト」、そこからコロナ禍で中断せざるを得なかった2019年度を除き、毎年、海洋高校生と一緒に、使用する魚や料理法を変えながら新しい缶詰を生み出し、賛同企業による備蓄へと繋げてきました。

海洋高校生による販売実習の模様
販売実習の模様(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

このプロジェクトに関わる宮崎海洋高校の生徒達は、試作開発から販売実習まで、缶詰を作って売る工程の全てを身をもって知ることができ、大きな学びを得て卒業して行きます。

毎年変わる生徒達を相手に、新たな材料、新たな調理法による缶詰の開発は、株式会社器のスタッフや海洋高校の先生を始め、関係者の皆さんのご苦労も並々ならぬものがあったろうと思いますが、生徒達の成長を垣間見ることができるのに加え、新しいプロダクトが生み出されていく楽しみが、苦労を軽減させているのだろうと察します。

開発された備蓄缶の数々
2017~2023年に開発された備蓄缶6種(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

こうして、これまでに生み出された缶詰は、一番最初の「宮崎マヒマヒフレーク缶」に上記の6種類を加えた7種類。
いずれも味に妥協は無く、食べて美味しい缶詰に仕上がっています。

使われている魚介は全て宮崎の海で漁獲されるもので、よくネタが尽きないなと思うのですが、まだまだ未利用資源があるとのことで、開発を主導する株式会社器の西立野社長の意欲はまだまだ尽きません。

2018年には愛媛の被災地へ備蓄缶を提供

実習船「えひめ丸」で宇和島へ
備蓄缶を宇和島市へ海上輸送(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

備蓄缶は、もしもの災害発生に備えて備蓄されるもので、もちろんそれが使われないことが一番良いのですが、毎年のように国内のあちこちで大雨や台風、地震などで災害が発生している現状で、その真価を発揮したこともあります。

2018(平成30)年7月に西日本豪雨災害が発生した際には、プロジェクトの被災地支援プログラムを発動。

宮崎県内の約130社の企業から、備蓄されていた約2,500個の缶詰を回収し、愛媛県立宇和島水産高等学校の協力を得て、同校の実習船「えひめ丸」で愛媛県宇和島市へ海上輸送し、被災者の皆さんに提供しました。

今年は「さざえめし」で能登支援へ

備蓄缶プロジェクト2024スキーム
2024年のスキーム(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

プロジェクトのスタートから9年目となる今年、残念なことに1月1日に能登半島で大きな地震が発生し、たくさんの方が被災してしまいました。
そこで、今年は最初から「能登半島地震災害支援プロジェクト」と銘打ち、能登半島地震で被災された方々に役立つような商品開発を進めていくことに決まりました。

また、一般社団法人みやPEC推進機構は、今年4月から宮崎オープンシティ推進協議会に改組されましたが、備蓄缶プロジェクトについては引き続き参画を続けていくことになっています。

開発中のさざえめし
開発中の「さざえめし」(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

今回のプロジェクトに参加する高校生達が、様々な人々の話を伺いながら試作に取り組むことにしたのが、石川県の郷土料理「さざえめし」。

今回の地震で被害の大きかった輪島市の海で獲れるさざえの身を、出汁とともにご飯に炊き込んだもの。
輪島地方の人だけでなく、観光客も含め多くの人を虜にしている、輪島自慢の郷土料理です。

さざえめし缶パッケージ
さざえめし缶パッケージ(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

通常なら、原材料などのコストを計算し、利益も考えた上での商品設計となるのですが、今回は特別に、能登の人々に喜んでいただくために、利益に捕らわれない試作が進められています。

初めてクラウドファンディングにもチャレンジ

クラウド弾ディングトップ画像
ForGOODのプロジェクトページキャプチャ画像

利益度外視とは言え、備蓄缶プロジェクト宮崎の構成メンバーは、みんな手弁当で参加しており、資金的な余裕はありません。

そこで、開発した「さざえめし」の缶詰を能登へとどけるための費用の一部を、クラウドファンディングを使って調達することにしました。
利用するプラットフォームは、BORDERLESS JAPANが提供する「ForGood」。
支援者が支援金に加えてシステム利用料220円(税込)と決済手数料(5%)を支払うことで、プロジェクト実行者が支援金全額を受け取れる、他のクラウドファンディング・プラットフォームとは異なる特徴を持っています。

まず、支援する缶詰1,500個分に相当する180万円を目標に定め、8月1日(木)から受付開始。

備蓄缶7種セット
返礼品となる備蓄缶7種類セット(画像提供:備蓄缶プロジェクト宮崎)

返礼品には、支援金額に応じて、宮崎のお魚ペーパークラフトのセットや、備蓄缶プロジェクトでこれまで開発された7種類(「さざえめし」を含む)の缶詰のセットなどが用意されています。

備蓄缶プロジェクトは、参画している企業や学校、団体だけではなく、実際に缶詰を備蓄する企業など、たくさんの方の理解と協力が無くしては成り立ちません。
しかし、ひとつの缶詰が繋ぐ世界は、多くの人の夢や希望を実現し、明日への勇気を与えるものになっています。

今回のクラウドファンディングも、たくさんの人の思いを載せて能登に届けるためのもので、その先には単なるモノの支援にとどまらない素晴らしい世界が広がるはずですので、皆様のご協力をよろしくお願いします。

ご支援は、下記↓のリンクから。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。

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