寄稿者:あんDo
宮崎は食の宝庫、その中でも児湯にはたくさんの美味しいものが溢れている。
その魅力を少しでも知ってもらいたいと日々思う新米フードアナリスト!
料理を作るのも食べるのも好きな髭おやじです。
最近、毎週のように魚釣りを楽しんでいる あんDoです。
今回、川南町通浜(とおりはま)漁港で水揚げされた魚を使った、インナービューティーな食を楽しむディナー会があるとのことで、潜入取材してきました。
インナービューティーのイベントは、これまではランチ会として行われていたのですが、今回は、「川南通浜ナイト~魚パワーでインナービューティーディナー」として、初めて夜間に行われました。
会場は、(株)コンフォートダイナー・グループの旗艦店、宮崎市西橘通りにある「みやざき晴夜」。
会場は、このように魚の形に切り抜かれた紙が吊され、周囲の壁には大漁旗や写真、宮崎のさかなブランドのポスターなどが貼られて、雰囲気を盛り上げています。
吊されていた魚の切り抜きの裏側は、本日のメニューになっていました。
川南通浜漁港と言えば、1月に今シーズン最大となる335kgの本マグロが水揚げされ話題になったばかりで、水揚げの9割近くをマグロ類が占める、県内屈指のマグロ延縄漁の基地です。
他にも、シイラ、サゴシ、タラ、フグ、カツオ、アジ、伊勢エビなど、年間を通して約100種類の魚が水揚げされています。
その豊富な魚の中には、普段は口にすることのできない高級魚や美味しい魚も。
今回使われるのは、すべて川南獲れの天然魚とあって、どんな魚がどんな料理として出されるのかとても楽しみです。
まずは、竹井社長のご挨拶
この日の宴は、(株)コンフォートダイナーの竹井俊光社長の挨拶で幕開けとなりました。
ご挨拶の中で竹井社長は、
「お店のメニューやイベントを行なう上で悩むのが値段です。
漁師は高く買って欲しい、お客さんは安く食べたい。
コンフォートダイナーでは、生産者と消費者の架け橋になり、より多くの人が美味しくいただけるようにと考えて価格を設定しています。
今日は、川南の漁協、役場、県の児湯農林振興局のおかげで、珍しい魚をたくさん用意することができました。
これをきっかけに、これからも、地元の魚のことを勉強していきたいと思います。」
と想いを語られました。
乾杯の挨拶は日高町長
続いて、川南町の日高昭彦町長がご挨拶。
「川南の町の魚は『まぐろ』です。まぐろは泳ぎ続けないと死んでしまう魚です。」
から始まり、最後は、
「魚で皆さんと繋がること、素敵な夜がくること、楽しめること、川南町の魚が売れることを記念して乾杯!」
との発声でみんなで乾杯し、楽しみな宴が始まりました
藁焼きくいちのたたき~バルサミコとバジルのソース~
まず、1品目に出された料理は、「藁焼きくいちのたたき~バルサミコとバジルのソース~」。
小型のニベのことを宮崎では「くいち」と言います。
皮目を藁焼きにして叩いた「くいち」の柔らかい白身と、パプリカのみじん切りを合わせて、これをバジルとバルサミコのソースとともにいただくと、ジェノベーゼの香りが鼻腔に抜け、追いかけるようにバルサミコの甘みと酸味が加わり、「くいち」の旨みを引き出します。
これは、凄く旨いですね!
より海老と宮崎野菜のカクテルサラダ~塩レモンヨーグルトのソース
2品目は、「より海老と宮崎野菜のカクテルサラダ~塩レモンヨーグルトのソース」。
「より海老」とは、概ね10cm以下のえびの総称のようです。
フリットにしてさくさくとした海老と、トマトや日向夏なども入った宮崎野菜が、レモンヨーグルトの少し酸味があるソースに抜群に合います。
川南通浜地魚5種の刺身盛り合わせ~紅芯大根を添えて~
3品目は、「川南通浜地魚5種の刺身盛り合わせ~紅芯大根を添えて~」。
5種の地魚は、鰤(ブリ)、真鯵(マアジ)、太刀魚(タチウオ)、へいま鯛(ヘダイ)、ちいき(チビキ)。
どれも新鮮で、それぞれ違った食感があり、中でも脂の乗った鰤は最高でした。
皮の赤いちいき(チビキ)は身も赤く、傷みが早いので地元でないとなかなか刺身ではいただけないそうです。
獲れたて新鮮なものが食べられるって幸せですね。
鱧とくいちのしゃぶしゃぶ~特製あたり胡麻ポン酢で~
4品目は、「鱧とくいちのしゃぶしゃぶ~特製あたり胡麻ポン酢で~」。
鱧(ハモ)の旬は梅雨の頃と言われますが、冬の鱧も最高に旨いです!
骨切りされてわふわの食感の身に、胡麻が絡み鱧の甘みがいっそう増します。
厚めに切られたくいちも、上品な白身で、鱧に負けず劣らずの旨さ。
どちらも、特別に提供された日本酒の「綾錦」(雲海酒造)と「夢の中まで」(千徳酒造)によく合いますね。
サプライズな魚が登場!
当初の予定には無かったのですが、ここで出てきたのが、スペシャルメニューのアカムツの炙り刺し。
アカムツのまたの名は、あの高級魚。
そうです、テニスの錦織圭選手がインタビューで「のどぐろがあったら食べたい」とコメントして一挙にブレイクした、「のどぐろ」なんです。
皮目に脂が乗っているので、目の前でバーナーで炙って提供というパフォーマンスも。
炙っているそばから脂が溶け出しているのがよくわかります。
希少な魚なので、1人2切れ限定でしたが、口に入れた瞬間に溶けてしまうような旨さ!
これはもうたまりません~。
ビンコロと○○の串揚げ~明太子タルタルソース~
5品目は、「ビンコロと○○の串揚げ~明太子タルタルソース~」。
「ビンコロ」とは、ビンチョウマグロやハモのすり身、おからや魚のコラーゲンを使用した「びんちゃんコロッケ」のことで、通浜の直売所でも一番人気の、大人も子どもも大好きな、間違いない美味しさです。
もうひとつの串は、正体が明かされずに、何の魚か当ててみてとクイズが出されました。
ふんわりした食感の白身だということはわかったのですが、フライになっていると魚種を当てるのは難しく、誰も正解を出せずにいました。
答えは、「フカ」。そう、鮫の肉でした。
フカがフライにしてこんなに美味しいとは思いませんでした。
宮崎のさかなクンによるお魚クイズも
料理の幕間に、「宮崎のさかなクン」が登場して、お魚クイズが出題されました。
お魚トリビアは、素人には結構難しい問題もあって、残念ながら全問正解は果たせませんでしたが、なかなかためになりましたし、楽しめました。
まだまだ旨いもの3品
「宮崎のさかなクン」のクイズに続いて出てきた3品の料理、「夢かさご、魚介のアクアパッツァ」、「海鮮ロール寿司」、「通浜漁師汁」は、まとめてご紹介。
しっかりした白身のカサゴと、海老、バイ貝から美味しい出汁の出たアクアパッツァは、トマト味で絶品。
かつおとサゴシのロール寿司に、濃厚な出汁の出たアラ汁もまたベストな組み合わせで、幸せを感じるくらい美味しかったです。
デザートは、自家製抹茶のムース
最後の〆は、デザートの「自家製抹茶のムース」。
甘さを控えめに、抹茶の苦みを利かせたムースが、口の中をさっぱりとさせて、最後を飾るにふさわしい一品でした。
魚だけのフルコースで、お腹も心もいっぱいになったのは初めてのことで大満足なメニューの数々でした。
改めて、川南町通浜漁港で揚がる日向灘の魚たちの豊かさと底力を再認識しました。
この旨さを引き出していただいた料理長にも感謝ですね。
最後は、溝口組合長のご挨拶
みんなが魚尽くしの料理に大満足したところで、川南町漁業協同組合の溝口吉治組合長が、締めのご挨拶に立たれました。
太平洋にマグロを追って40年余という溝口組合長、お顔の皺の一本一本に、これまでの苦労が刻まれているような、海の厳しさを知り尽くしたプロの漁師です。
「川南で揚がる魚は、鮮度が自慢で、その美味しさはどの港にも負けない。」
とおっしゃっていました。
「漁港のすぐ近くには、鮮度抜群の魚を売る直売所も整備しているので、是非とも買いに来て欲しい。」とのこと。
これは、行かねばなりますまい。
ということで、日向灘の魚の豊かさと美味しさを再認識させていただいた関係者の皆様、ありがとうございました!
翌日は早速、川南町漁協の直売所「通浜」に行ってきましたよ。
その時のレポートjは、こちらから。