日本のふるさと宮崎のルーツへ-江田神社とみそぎ池を巡る神話旅

みそぎ池

みなさんこんにちは。テゲツーライターのテルヒコです。

宮崎県といえば、日本神話の舞台として知られる土地。
天岩戸伝説が残る高千穂や、霧島に伝わる天孫降臨神話など、“神々のふるさと”として全国的にも有名です。

僕自身、『古事記』や『日本書紀』などの記紀神話が大好きで、以前は西都原で博物館ボランティアガイドをさせていただいていた時期もあるほどで、山を歩いたり、自転車で神話の舞台を巡ったりしています。

いまも僕らの心の奥で生きている熱い故郷(とち)のソウル、土地の伝承、その地を守ってこられた地域の方々、そして祖先たちの記憶。
今回はそんな“宮崎に残る神話のピース”を、僕自身の旅を通して皆さんと一緒に巡っていけたらと思っています。

今回は、イザナギ・イザナミによる国生み神話、そして日本神話の中心ともいえる“三貴子誕生”の舞台となっている、シーガイアに隣接する市民の森にある「みそぎ池(御池)」と、その神域を守る江田神社をご紹介します。

目次

日本のはじまり~三貴子誕生伝説が残る「みそぎ池」

イザナギ・イザナミ
画像提供:照らステージ宮崎

天の神々の命を受け、地上に降り立ったイザナギノミコトとイザナミノミコト。
日本最初の夫婦神とされるこの二神は“おのころ島”で結ばれ、日本の島々やヒルコなど数多くの神々を生み出しました。
しかし、最後に火の神・カグツチを生んだ際、イザナミは火傷を負って亡くなり、黄泉の国へ旅立ってしまいます。

妻を失った悲しみから、イザナギは黄泉の国へ向かいますが、そこで変わり果てた妻の姿を見てしまいます。
驚いたイザナギは、様々な騒動を乗り越え、黄泉の国から必死に逃げ帰ることに。

みそぎ池全景

そして地上へ戻ったあと、“黄泉の穢れ”を洗い流した場所こそ、市民の森にある「みそぎ池」だと伝えられているのです。
今もなお、こうした古代神話がこの土地に受け継がれているって、本当にすごいことですよね。

アマテラスら三貴子が誕生した場所

三貴子
画像提供:照らステージ宮崎

イザナギがみそぎを行った際、左目から生まれたのが「天照大神(アマテラス)」、右目から生まれたのが「月読命(ツクヨミ)」、鼻から生まれたのが「素戔嗚命(スサノヲ)」と伝えられています。
この三柱は「三貴子(さんきし)」と呼ばれ、日本神話の中心となる神々です。

「天照大神(アマテラス)」は、高天原を統べる太陽の女神。
伊勢神宮(三重県)や天岩戸神社(宮崎県高千穂町)でも祀られる、日本の総氏神とされています。

「月読命(ツクヨミ)」は、夜の世界を司る神。
一般的には男神とされていますが、性別を明言する描写はなく、男神・女神など、さまざまな説が残されています。

「素戔嗚命(スサノヲ)」は、海原を司る神。
後に出雲で八岐大蛇を退治する英雄神としても知られています。

みそぎの碑

全国の神社で奏上される祝詞「筑紫の日向の橘の小戸の阿波木原(たちばなのおどのあわぎはら)」の中にも登場する、“罪や穢れを祓う聖地”。それが、このみそぎ池周辺だと伝えられています。
宮崎市街地にある大淀川、小戸神社、橘通りなどの地名の中にも、こうした神話の痕跡を見ることができます。

こういう“神話と現代がつながっている感覚”、地域の思い出(ローカルスピリット)って、情報があふれコスパ・タイパがとても優先されがちな今の時代だからこそ、凄く大切にしたい。
愛しき故郷そのものの“記憶”が、自分のアイデンティティなんだろうなあと、ふと思うんです。

宮崎の地名のルーツ? イザナギ・イザナミを祀る江田神社

江田神社

僕自身、大好きな場所でもある市民の森の一角にある江田神社
こちらの神社では、先ほどご紹介したイザナギノミコトとイザナミノミコトの二柱が祀られています。

実はここ江田神社、「宮崎」という地名のルーツではないか? とも言われているんです。
“宮崎”とは「宮の崎(神の宮がある先端の地)」という意味があるとされ、その“宮”が宮崎神宮、もしくは江田神社だったのではないか、という説があります。

【江田神社】
住所:宮崎市阿波岐原町産母127 → MAP
電話:0985-39-3743

ヒーリングスポット「市民の森」で心癒されて

市民の森の中の小径

市民の森の木々に囲まれた小径を歩いていると、日々の疲れやストレス、小さな悩み事も気が付けば忘れてしまいます。
木漏れ日と清涼な気の中で、凄く言い得ぬ“ピュアな感覚”になっていました。まるで子ども時代、何事にも夢中だったころのように。
歩くたび、雑然とした日々の喧騒の中で、自分がおいてきてしまった、忘れていた大切なものがあったことに気づくような、そんな感じがして。
この森に来るたびに、いつも自分の心がリセットされるような、不思議とクリアな気持ちになれるんです。

江田神社に参拝に訪れた方の中にも、「心が落ち着いた」、「癒された」と感じる人は多いのではないでしょうか。
「宮崎に住んでて良かったな」、ふとそう思える瞬間でもあります。

隠れた祓の聖域「みそぎ御殿」

みそぎ御殿入り口


市民の森をさらに進むと、美しい白い鳥居が見えてきます。
こちらが「みそぎ御殿」。
天照大神や瀬織津姫をはじめ、伊勢神宮から分祀された神々を祀る“祓の神域”です。
本殿は神域のため撮影NG。今回は鳥居周辺のみご紹介しています。

みそぎ御殿のご祭神は、天照大神、月読命、伊弉諾命、伊弉冉命、級長津彦命、級長戸辺命、豊受大神、倭姫命、瀬織津姫命の9柱。

ここでは、「八度拝」(二拝礼、四拍手、四拍手、一拝礼)という、ほかではあまり見たことのない拝礼の仕方が推奨されています。

忘れていた“何か”を探しに

みそぎ池の睡蓮

いかがでしたか?
今回は、江田神社とみそぎ池を巡る宮崎神話旅をご紹介しました。

市民の森は、県外から訪れる観光客の方も、地元の方も、日々の喧騒を忘れて静かな時間を過ごせる場所です。
木々の緑、湖面に反射する光、水の音、蓮の花、鳥のさえずり、その静寂の中で過ごしていると、きっと前向きに生きるための力やアイデアが湧いてくるはずです。

江田神社鳥居


県外の有名人もこれまでたくさんこの地を訪れており、その感想を聞くと、改めて宮崎には全国に誇れる聖地があるんだなあと感じます。
宮崎に住んでいても、まだまだ知らないことばかり。

日本が誇る“こころのふるさと宮崎”を巡る旅の中で、これからもこの土地に息づく大切な輝く宝物たちに出会えるよう、いろんな人と出会い、学んでいきたいですね。

シーガイア周辺を訪れた際は、ぜひ“神話のふるさと”を感じに、市民の森と江田神社へ足を運んでみてくださいね。
※宮崎交通バスでも宮崎市内から市民の森方面へのアクセスが可能です。

テルヒコプロフィール寄稿者:テルヒコ
宮崎在住の美術作家兼フリーライター。事業所(照らステージ宮崎)代表。
日本文化の源流でもある神話のふるさと宮崎が誇るひなた文化の輝きを文化芸術の力を通じ明日の子供たちへ!という願いを込め製作されたテレビドラマ「日神王子アマテリアス」(宮崎国文祭芸文祭2020協力事業/日神王子シリーズ)の主演も務めるなど、子どもたちの教育問題や自然環境、地域の伝統文化へ日々関心を持ち多方面で活動している。宮崎観光文化検定3級。

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この記事を書いた人

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。
宮崎県内の地元の人だからこそ知っているおすすめの「グルメ」「観光」情報を軸に、地域の安全安心につながる情報の提供にも取り組んでいきます。

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