コーヒー飲みながらパソコンに向かってテゲツー!の原稿書くのが半ば日常になっているDiceです。
テゲツー!がずっと追いかけてきて、これまで4度に渡って記事にしてきた、美郷町南郷区渡川の山師兄弟、今西猛(弟)さんと今西正(兄)さんが、宮崎市の中心市街地にマチとヤマを繋ぐコワーキングスペースを作ろうという計画。
・美郷町渡川の山師兄弟のチャレンジが熱すぎる!!(2016年9月10日)
・山師兄弟は、セルフ・リノベーションに挑戦するつもりなのか!?(2016年11月30日)
・山師のコワーキングスペース・プロジェクトがいよいよ始動!(2017年3月10日)
・野菜たっぷりのヘルシーサンドがもうすぐ若草通りに!!(2017年7月9日)
この後、着実に準備が進んで、いよいよエピローグを迎えることになったようです。
セルフ・リノベーション
山師兄弟が手がけた計画は、3階建ての空きビルを1棟まるごとリノベーションして、1階をデリカフェの「若草HUTTE」、2・3階をコワーキングスペースの「co-ba Miyazaki」にしようという、無謀とも思えるほど大きなものでした。
規模が大きいと当然に費用もかかるので、プロでなければできない部分は業者さんにお任せすることとして、それ以外はなるべく、自分達でセルフ・リノベーションしようということになりました。
今西兄弟と美郷町渡川の仲間達の手によって、コツコツとリノベーションが進む中、7月22日(土)には、仲間達が集まって、床や壁などのペイント塗りを手伝うイベントも開催されました。
梅雨が明けて夏が始まり、暑い中でしたが、クラウドファンディングの支援者を中心に10数人が集まり、床や壁、木製建具に塗料を塗る作業をお手伝い。
私も、午前中だけでしたが、3階のトイレのペンキ剥がしなどをお手伝いしました。
この部分は、この後、他のメンバーの手によって黒いペンキが塗られて、シックなトイレに生まれ変わっていました。
セルフ・リノベーションと平行して、1階には業者さんの手によって厨房機器なども設置され、ペイントが乾いてからは、今西兄弟が福岡まで軽トラ飛ばして買い出しに行った備品類も設置されて、短期間の間に着々と準備は進みました。
オープニングパーティー
画像提供:今西猛氏
一週間後の7月29日(土)には、クラウドファンディングの支援者や計画時点からお世話になっている関係者の皆さん、応援してくれる仲間達を集めて、内覧を兼ねたお披露目のパーティーが開かれました。
渡川山村商店代表で、このプロジェクトの中心である今西猛さんが、改めて美郷町・渡川の現状と、プロジェクトの意義について熱弁を振るいます。
かつて自分達の青春時代に通い詰めたファッションビルを再生することで、宮崎市の中心市街地に往時の賑わいを取り戻し、その場を自分達の住む山村の情報発信の拠点とすることで、山と街の交流が生まれ、山の暮らしにもメリットをもたらすこと。
コワーキングスペースを中心として、様々なクリエイティブな人々が集まることで、その人の交流から新たな価値が生まれる手助けをすること。
価値が価値を生むプラスの連鎖を作り出すことで、自分達の生まれ育った渡川という集落を、将来的にも子ども達の笑顔が絶えない、持続可能な地域にしていこうという強い意志が、今西兄弟とその仲間達を突き動かす原動力になっているようです。
そのための拠点が、このデリカフェ&バーの「若草HUTTE」であり、コワーキングスペースの「co-ba Miyazaki」なのです。
この日は、その渡川からも、加工グループとしてお弁当や総菜を作っている「渡川マンマ」のメンバーが駆けつけ、代表して宗石節子さんがご挨拶されました。
「若草HUTTE」では、「渡川マンマ」が作った総菜や加工品を初めとして、美郷町など県内の中山間地域で作られている加工品や野菜なども、セレクトされて販売されることになっています。
オープニングセレモニー
たくさんの人々で賑わったオープニングパーティーから一週間後の8月5日(土)、今度は、戸敷宮崎市長、尾畑美郷町長ら行政や商工会議所、商店街振興会などの関係者が参加する、オープニングセレモニーが行われました。
「若草HUTTE」の運営責任者となる、今西兄弟の兄・今西正さんが、ヘルメットに防護ズボンという山師の正装で登場。
デリカフェとかコワーキングスペースとか、最近流行のお洒落なことを言いながらも、こうしてしっかり自己アピールするところに、山師の矜持を感じる訳ですね。
テープカットならぬ丸太カット!?
オープニングセレモニーに付きものと言えば、間違いなく「テープカット」なのですが、山師のやることは徹底しています。
ここでは、来賓による「丸太カット」でオープニングを祝います。
まずは、宮崎市の戸敷市長を先頭に、安全手袋をして、のこぎりで用意された杉の丸太に切れ目を入れて行きました。
そして、最後の仕上げは、このためにわざわざ正装した今西正さん。
愛用のチェーンーを片手に登場し、木を切り倒す前の恒例儀式である上部と後方の退却路、チェーンソーを入れる根元の安全確認を行った後、鮮やかな手並みで丸太を切断して、丸太カットの儀式を終了しました。
しかし本人、最初の「よし!」での周囲の反応が芳しくなかったので、スベったんじゃないかと、終わったとで反省しきりでしたけどね。
グランドオープンは8月11日「山の日」
画像提供:若草HUTTE
無事にオープニングセレモニーも終わり、グランドオープンは8月11日(金)の「山の日」となります。
最後まで山にこだわる山師なのです。
場所は、若草通のアーケードから、四季通りとハイカラ通りの間にある細い路地(UPPER YARDの横)を北へ入り、ドライカレーで有名なGamを越えた先の右側になります。
1階が「若草HUTTE」
画像提供:若草HUTTE
鈴木ビルの、青いドアとロンブル、広いガラスの開口が特徴的な1階部分が、渡川と宮崎市を繋ぐ、Delicafe & barの「若草HUTTE」になります。
コーヒーや美郷町産の紅茶のほか、アルコール類も充実しているようですが、なんと言っても特徴的なのは、若草HUTTE × やお九州 × enaプリン の3者によるコラボで開発された、「フレッシュサラダサンド」です。
ご覧のとおり、野菜や椎茸、卵などがたっぷりと挟まれた、カラフルでフォトジェニックなサンドウィッチで、1カット500円。
ボリューミーなので、これひとつで、結構お腹いっぱいになります。
インスタ映えするので、これを目当てに来店するお客さんも絶対多いはず。
もうひとつ、渡川産の鹿肉のローストと野菜をバケット1本に豪快に挟んだ「丸太サンド」。
丸ごと1本だと2,000円で、 1/4カットが600円で販売予定です。
これを丸ごと1本テイクアウトして、オフィスや家庭でみんなとシェアして食べるのも楽しそうです。
2階と3階は「co-ba Miyazaki」
画像提供:若草HUTTE
「若草HUTTE」の左横の階段を上って、2階と3階が、コワーキングスペースの「co-ba Miyazaki」です。
2011(平成23)年12月に渋谷に誕生したシェアードワークプレイス「co-ba Shibuya」を中心に全国に広がる「co-ba NETWORK」の一員として、各地に根ざすチャレンジを応援する場所となります。
3階は、個別のブースも用意された、プレミアムルーム。
ここは、プレミアム会員限定のエリアなので、一般の方は入れません。
プレミアム会員は、24時間自由に出入りできるのだとか。
2階は、2時間以内500円(別途1階でワンドリンク購入が必要、学生割引あり)からと、飛び込みでも利用可能なオープンスペース。
写真では、まだ全ての備品が揃っている訳ではありませんが、クラウドファンディングで得られた資金で購入された、真新しい卓球台も置かれていました。
これから更に椅子やテーブルなどが設置されて、面白い空間になりそうです。
さあ、いかがですか?
今西兄弟の夢へのチャレンジは、1年を経て、こうして実際に形になってきました。
しかし、彼らのチャレンジはこれがゴールではなく、実はここからがスタートなのです。
ここしばらく人が立ち入ることの無かった空きビルに再び賑わいが戻り、山のモノが街で消費され、人と人の交流が生まれ、山も街も潤う状況を作り出すこと。それこそが、彼らの目指すゴールにほかなりません。
そのスタートとなる記念日が「山の日」の2017(平成29)年8月11日(金)。
皆さんも是非一度、「若草HUTTE」に足を運んでみてください。
【若草HUTTE】
住所:宮崎市東橘通3丁目5 鈴木ビル1F → マップ
営業時間:10:00~23:00
Facebookページ:https://www.facebook.com/wakakusahutte/
【co-ba Miyazaki】
住所:宮崎市東橘通3丁目5 鈴木ビル2,3F → マップ
営業時間:10:00~22:00(最終受付 21:00)