刺身で食べて欲しい、とろける脂のうま味「ひむか本サバ」


ひむか本サバ刺身

肉も好きだけど魚も好きな、孤高の料理人Diceです。
さて皆さん、この皿に盛られた美しい刺身、何の魚なのかおわかりですか?

そう、サバです。それもマサバですね。

新鮮なサバは、新鮮なカツオと並んで、私の好きな刺身の双璧です。
醤油を入れた小皿の表面に浮く脂、とろっと溶けるような甘み、噛みしめるのが嬉しくなる。

そしてこのサバが、知る人ぞ知る「ひむか本サバ」という宮崎の誇るブランド魚のひとつなんです。

今回は、この「ひむか本サバ」を訪ねて、延岡市北浦町に行ってきました。

実はこれ、仕事の一貫だったんですが、一緒に行った会社で二番目か三番目に偉い人が、不意を突いて
「これ、テゲツー!に書くでしょ?」
と言うので、思わず返事に詰まってしまいました。
テゲツー!の活動も半ば職場公認みたいになってきてます。いいのか悪いのか(^_^;

 

ひむか本サバの達人・中西茂広さん

中西茂広さん

宮崎市から、東九州自動車道で北浦までひとっ走り。
北浦漁協の会議室で、北浦養殖マサバ協業体の中西茂広さんにお話を伺いました。

中西さんは、当初カンパチ主体の養殖を行っていましたが、養殖経営の改善と安定のために、平成11年から全国的に珍しい「マサバ」の養殖に着手。
養殖の開始当時から、食の安心安全のために無投薬飼育を実施し、現在もその方針を継続されています。

平成17年3月に「いきいき宮崎のさかなブランド確立推進協議会(現:宮崎のさかなビジネス拡大協議会)」から「ひむか本サバ」としてブランド認証を受けました。
宮崎県水産物ブランド認証品としては宮崎カンパチ北浦灘アジ門川金鱧に続く第4号の認証でした。

「ひむか本サバ」の認証基準は、次の5つ。

  1. 北浦養殖マサバ協業体で養殖されたマサバであること
  2. 無投薬で養殖しているものであること
  3. 出荷前は餌止め(7日以上)を行い、胃内容物を完全に除去し、肉質を安定させたもの
  4. 魚体重400gm以上であること
  5. 飼育履歴(餌の種類等)が明らかであること

この基準をしっかり守って育成・出荷されている「ひむか本サバ」は、市場での評価も高く、1kg当たり1,850~2,000円と養殖もののサバとしてはトップクラスの値段で取引されているそうです。

それでは、話もそこそこに、養殖の現場を見にいくことにしましょう。

 

船に乗って「ひむか本サバ」に会いに行く

養殖場

古江港からチャーターした海上タクシーに乗って、すぐ沖合にある養殖場に向かいます。

沖合にある宮崎県最大の離島、島野浦島が防波堤の役割を果たしているので、この辺りの海域は波が穏やかで養殖に向いており、昔からカンパチや鯛などいろいろな魚の養殖が行われてきました。

生け簀がたくさん浮かんでいる間を縫って、船を進めて行きます。

給餌船

しばらく進むと、目的の生け簀が見えてきました。波やうねりが無いので、船酔いの心配も無く、快適な船旅です。
中西さんの乗った給餌船が先に着いてますね。
給餌船の右舷に船を着けて、移乗。

 

これが給餌風景だ!

給餌船の船倉には、冷凍生餌などの原料が積まれていて、それを混合して大きなミンチ機のような給餌器で押し出しつつカットしてモイスペレットと呼ばれる小さな塊にし、ホースを通して生け簀に投入して行きます。

動画では色がよくわからないけど、群れをなして泳ぐサバの背が淡いブルーに輝いていて、なかなかきれいでした。
「ひむか本サバ」の出荷先は関東が7割で宮崎県内が3割、そのうち2割は延岡市内に出荷されているということで、地元の居酒屋さんなどに愛されているようです。

いつも魚を食べ慣れている漁協の職員も絶賛するこの「ひむか本サバ」、今回の視察行でも多くの魚好きを唸らせていましたので、その味は折り紙付き。
居酒屋で見つけたら必ず食べるべき、と言うか、メニューに入れている居酒屋を見つけ出して食べに行くだけの価値あり!。

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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