
こんにちは、ボタニカルライファー孝映です。
今回は、秋を魅了するに違いない風物詩のご紹介です。
この花は、まだ私が子供の頃、北国では珍しいはずの植木鉢を買ってきた、おばあちゃんとの思い出と共に香るタイムスリップスイッチです。
でも、結局咲き誇った後に寒い冬を越えられなかった苦い思い出もあり、強い印象が未だに心を掻き立てます。
日本の三大香木の一つであるキンモクセイは秋を知らせるメッセンジャーです。
春のジンチョウゲ、夏のクチナシと比べても大きくなりますので、その香りが風にのって漂う範囲は以外に広く、車の移動はついつい窓を全開にして、ふとした瞬間どこからともなく訪れる魅惑の香りに癒されます。
風水の考えでは金運を招く木だそうで、庭植えとしても人気ですので、かなりの多くのお庭で咲いているのだと思いますが、そんな縁起もののキンモクセイが見られる宮崎県内の名所5選をお届けします。
北浦町古江(延岡市)

海風そよぐ北浦の地に約300年佇む、淡い黄白色のウスギモクセイ。
キンモクセイより色が薄く、ギンモクセイ黄みがかった花を咲かせるこの木は、1930(昭和5)年に国の天然記念物に指定されています。
かつて異国の船人が「沖合まで漂う芳しい香りに誘われて港に吸い寄せられた」と伝わる、ロマンあふれる名木です。
大海原と風が紡ぐ香りは、今も遠い航海の記憶を呼び覚まし、訪れる者の郷愁を誘うようです。
この時期、静かで落ち着いた雰囲気の辺り一帯が、甘い香りで満たされます。
場所は、延岡市北浦町古江2421。
民家の庭先に佇んでいますので、訪れる際は、ご迷惑にならないように十分に配慮しましょう。
願成就寺(日南市)

飫肥(おび)藩主・伊東家ゆかりの城下をそっと見守る願成就寺(がんじょうじゅじ)。
江戸前期の境内移転とともに根を下ろしたとされるウスギモクセイの大木が、静寂に包まれた苔むす石垣を彩ります。
こちらは、日南市の指定天然記念物です。
古刹の重厚な歴史と凛とした甘い香りが溶け合い、時の流れを忘れるほど深い情緒で胸を満たし、推定樹齢330年の時間の流れが香りと共に漂います。
場所は、春日山 願成就寺(日南市今町1丁目5-35)の境内です。
阿波岐原森林公園 市民の森(宮崎市)

神話において伊弉諾尊(イザナギノミコト)がみそぎを行ったとされる、阿波岐原(あわきがはら)の聖なる地に広がる森林公園「市民の森」。
松林を渡る南国の風に乗って漂う華やかな黄金色の香りは、まるで古代の神々から授かった祝福のよう。
光射す木々の間で、心身が解き放たれる清らかな心地に包まれます。
場所は、西駐車場や管理事務所横、憩いの池周辺で、優しい香りがきっとあなたを包み込みます。
宮崎県立平和台公園(宮崎市)

宮崎市街を一望する丘にあり、太古の土のぬくもりを伝える「はにわ園」や「平和の塔」。
秋の陽光の中、幾千の時を超えてたたずむ埴輪たちを包み込むように、キンモクセイが咲き誇ります。
鮮やかなコスモスとともに風に揺れる香りは、忘れていた幼き日の郷愁や温もりをそっと呼び覚まします。
場所は、はにわ園周辺、平和の塔裏手エリア、大花壇などで、お散歩コースに香りと彩を添えています。

特別史跡公園 西都原古墳群(西都市)

ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの伝承が生き続ける、古代ロマンの聖地・西都原。
広大な古墳群の芝生広場に足を踏み入れれば、秋空の下で甘美な香りが全身を包み込みます。
いにしえの豪族たちが眠る陵墓と澄み渡る風、そして黄金色の芳香が時空を超えた悠久の物語に心を委ねられる場所です。
場所は、第二古墳群の芝生広場です(詳細は、西都原古墳群公式サイトにある公園マップ(PDFファイル)を参照ください)。
キンモクセイの香りを楽しむ和紅茶のご紹介

日之影町で有機栽培された茶葉で作られた和紅茶に、金木犀の花びらをブレンドした“金木犀の和紅茶”「NOKKA」が、福岡県直方市の「誉茶紡 HOMARESABO」から発売されています。
キンモクセイの甘く芳醇な香りをまとう和紅茶で、ほっとリラックスできる時間を過ごすのも良いのではないでしょうか。
寄稿者:孝映雅な世界を愛する、手動2輪ライダー孝映です。流行り病を切っ掛けに歩行困難となりましたが、自然の理(コトワリ)に身をゆだねつつ家族軸を見つめ直す今日この頃。
不思議と不自由だからこそ見えてくる自由もあります。
日々、感謝の種を拾い、それを植えるボタニカルライフを目指しています。