宮崎の魚をもっと知って欲しい-小柄な女性社長の大きな挑戦


 

向附け

向附け

向附けは、「五ヶ瀬ぶどうカンパチの藁焼き、チョウザメの平造り」
皮目を藁焼きにしたカンパチは岩塩で、平造りにされたチョウザメはポン酢と自家製柚子胡椒を合わせたものでいただきます。

中田真稔さん

五ヶ瀬ぶどうカンパチの生産者、中田真稔さん(43歳)。

「北浦でへべすブリも生産しています。
宮崎でのカンパチの養殖歴は長いのですが、値段が下がると原価割れし、やめる人が出て量が減ると高くなるの繰り返しです。
もうカンパチは止めようと思ったら、25歳の息子が帰ってきて『一緒にやる』と言ったので、なんとかしようと思って(先にへべすブリを養殖していた)堀田洋さんに相談し、3年前からへべすブリをやっています。
自分で値段が決められるのが良くて、そうでないと絶対にやっていないと思います。
へべすブリに続いて、ぶどうを使った養殖を一緒にやってみないかという話が堀田さんからあって、この五ヶ瀬ぶどうカンパチを始めました。
堀田さんが五ヶ瀬ワイナリーの支配人と知り合いで、ワイナリーが産廃として出していたぶどうの搾り滓を使うことになったのですが、その搾り滓を餌に混ぜると、カンパチの身持ちが良いんです。
ぶどうの皮の中にあるポリフェノールが作用して独特の臭みが無くなり、血合いの部分の変色が遅くなります。
これまで1日で変色していたものが、3~4日になり、下手すると一週間後でも変色せずに食べられます。
店で見かけたら、是非食べてみて欲しいです。」

五ヶ瀬ぶどうカンパチの藁焼き

その中田さん自信の五ヶ瀬ぶどうカンパチ、確かに臭みも無く、身質もしっかりとしていて甘みもあり、じつに美味しかったです。
周囲の参加者からも驚嘆の声が上がっていました。

米良雅博さん

一方のチョウザメの生産者を代表して挨拶したのは、日南市南郷町榎原にある焼酎メーカー・井上酒造株式会社米良雅博さん。

「5年前に県がチョウザメの稚魚の供給を始めると言うことで、声をかけられました。
焼酎を造る湧き水の水温が(チョウザメの稚魚を養殖している)小林の水と同じで、会社に提案して養殖を始めました。
チョウザメはキャビアで有名ですが、キャビアが取れるようになるまでに最低で5年、通常は10年ほどかかるので、個人ではなかなか難しいです。当社も、地域の活性化のお手伝いができないかということで続けています。
チョウザメは、生後3年経たないとオスかメスかがわからないんですよ。外科用のメスで腹を割いて、ようやく判別できます。
メスからはキャビアが取れるのですが、オスは魚肉としての活用となります。半分はオスなので、その魚肉の販売を今後考えていかないといけません。
名前にサメが付いているので、なんとなくイメージが悪いんですが、カルノシンやコラーゲンなどアンチエイジングに効果のある成分がたくさん含まれています。
魚肉の販売については築地社長のお世話になっていて、宮崎に来るプロスポーツのキャンプや、ディズニーのオフィシャルホテルなどでも使っていただいています。
是非とも、当社の『飫肥杉』を飲みながらチョウザメを召し上がってください。」

 

焼物

島浦真鯛の塩釜焼き

焼物は、「島浦真鯛の塩釜焼き」
真鯛を日向夏の葉と果実で挟み、それを塩釜にして低温で焼いてあります。
真鯛のふんわりとした身の持つ上品な甘みが感じられます。
皮の下側の脂の美味しさが特筆的ですね。

木下拓磨さん

その島浦真鯛の生産者は、木下拓磨さん(30歳)。

「祖父の代から養殖をやっていて、3代目になります。7年目になりました。
今は、(養殖魚の)99%が真鯛です。
島浦の真鯛は、漁場の潮が速いので、太りが早くて身が締まっているのが特徴です。
餌にも工夫をしていて、成長段階に合わせて配合を変えていて、セサミンとかポリフェノールなども加えています。
皮付きの身の皮目を炙って刺身にするのが最高です。
締めたその日はこりこりとした食感がありますが、1日置いた方が旨味がでます。」

 
続きはこちら

へべすブリ登場! - 蓋物

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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