5人の達人が語るカツオの現状とこれから
パネルディスカッションは、左から
奈須貴芳さん(宮崎日日新聞)、
岩切孝次さん(かつお一本釣り漁船「第8三代丸」船主)、
築地加代子さん((株)宮崎活魚センター代表取締役)、
谷村勝德さん(港の駅めいつ支配人)、
竹井友子さん(日南市漁協女性部加工グループ代表)。
そして、右端のモデレーターは田鹿倫基さん(日南市マーケティング専門官)。
奈須さんは報道、岩切さんは漁師、築地さんは流通、谷村さんは販売、竹井さんは加工と、それぞれの道の達人たち。
この5人から、話を引き出す田鹿さんは、これまたマーケティングの達人。
短い時間でいろんな話が出たのですが、特に中学生の時からアルバイトでカツオ船に乗っていたという岩切さんの語るカツオ漁の歴史や船での生活実態が特に面白かった。
昭和30年代までは日南でもカツオを地元で加工しており、当時は鰹節製造でも14~15の業者があったが、その後(大手の鰹節業者のいる)鹿児島県の山川や枕崎に揚げるようになって今があるとのこと。
高知と違って、宮崎の人はシビ(若いマグロのこと)やシイラが主で、カツオをあまり食べなかったのが、消費量の差に繋がっているらしい。
日南の郷土料理になっている「カツオ飯」も、昭和40年代にカツオ船に乗り始めた頃は船内に食品を保存する設備(冷蔵庫など)が無く、漁師は四つ足のものを船に乗せないという風習もあって、米とカツオしか食べるものが無い環境からできた漁師メシなのだとか。
「カツオ船では、釣れても釣れなくても交代でカツオの群れを探して見張りをしており、いつでも操業ができるように寝るのも仕事」
とか、
「『日向の三段釣り』という言葉があるように、一人前になると返しの無い針で3秒に1匹を釣り上げるが、その一人前になるのに3年はかかる」
とか、なるほど、なるほど、という感じ。
そして、5人が口を揃えて言うのは、地元での消費がもっと増えるように、PRや情報発信に力を入れて行きたいということ。
そのために、竹井さんや谷村さんがやっているような加工や直販もあるし、魚食普及の取り組みもあるのだ。
ということで、いかに新鮮なカツオが美味しいのか、実際に食べてもらって知って欲しいと、今回のバルが開かれたのでした。
さあ、ここから食べるよ!
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