口蹄疫を忘れない日シンポジウム:宮崎牛を食べて宮崎をさらに元気に!

パネルディスカッション「宮崎牛の未来を語ろう」

パネリストは、左から
・黒木誠さん(宮崎牛生産農家)
・坊園正恒さん(宮崎県畜産振興課長)
・三輪泰史さん(日本総合研究所創発戦略センター主任研究員)
・百野文さん(NHK宮崎放送局キャスター)
の4人。

黒木さんは、県家畜改良普及団やJA尾鈴で和牛生産に関わった後、現在は都農町で和牛肥育、繁殖牛計200頭を飼育する生産農家。2012年からJA尾鈴副組合長ということで、この4人の中では最も現場の苦労を知る人物。

坊園さんは、1983(昭和58)年に宮崎県庁に畜産職として入庁。2014年から現職だが、2010年の口蹄疫発生時は畜産課課長補佐として防疫措置や感染拡大防止などの対応に当たった、これまた宮崎の畜産の現場をよく知る人物。

基調講演から引き続きの三輪さんは、グローバル農業チームリーダーとして、日本農業の海外展開や農産物ブランドの構築、農業のビジネス化を通した地域再生などについて研究を続ける専門家。

百野さんは、NHK宮崎放送局で17時台の情報番組のキャスターとしておなじみ。特に、宮崎産の食材を使った料理を紹介する「宮崎を食べよう」のコーナーは有名。

そしてコーディネーターは、宮崎日日新聞社の河野州昭論説委員長。

パネルディスカッションでは1時間余に渡ったため、それぞれの発言を記録すると大変なので、印象に残った部分だけ手元のメモから抜粋。

三輪:ブランド化は持っている価値・ストーリーを伝えてお金に換えること。
肉の価値の構成要素として黒木さんが血統、エサ、環境、愛情が25%ずつというのは同感。血統(品種)だけに頼ったブランド化は難しい。
底の浅さが見えた時点でブランドとしては二流。関わる人の全てがバックグラウンド、ストーリーになる。

百野:観光客に宮崎で地元の良い肉を食べてもらうことはいいことだと思うが、旅行パックなどで宿泊先の特別宮崎牛会席コースとかはどうなのかと思う。これだけSNSなどが発達してきているので、それぞれの店舗で食べられる情報を伝えられるといいのではないか。
「カウカウビーフツアー」とかどうだろう?地元の人しか行かない店で食べられるツアーなどで人を引きつけられる。

ディスカッションの途中で示されたスライド。
1世帯当たりの年間牛肉購入数量の2004年と2014年の比較を見ると、2004年に全国平均が7,059g、宮崎市が8,903gと宮崎市が上回っていたものが、2014年には全国平均6,569gだったのに対し、宮崎市は6,470gと大幅減。

もう一枚のスライド。
牛肉、豚肉、鶏肉それぞれの消費量を見ても、鶏肉が全国平均を大きく上回って全国8位なのに対し、牛肉は全国32位、豚肉は全国38位と全国平均を下回っていて、畜産県を標榜する割には、地元での消費が低いことが示されている。

これらを受けて、伝えるという部分でメディアとしてできることについて、

百野:皆、知っているようで知らない。
放送できることもローカルの強みなので、県が進めているものを伝えることも大切な役割。
マスコミが、(宮崎牛を)食べてもらうための発信をしなければ。

三輪:宮崎牛のすばらしさは、食べてみれば皆わかる。
地元のメディアが発信の拠点になり、皆さんが宮崎牛を愛することで、10年後にはトップブランドになっているのではないか。なっていないとダメだ。

続きはこちら

詳しくは、2015年4月20日付け宮崎日日新聞で!

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Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。