まずは横に細長い皿で前菜3点盛りが出されましたが、その中の一品、伝統野菜のぬか漬。
キムラ漬物宮崎工業株式会社の木村昭彦社長が、この日のために自ら糠床に漬けた4種類の野菜を少しずつ。
ちょうど良い塩加減で、野菜の持つ自然な甘みと美味さが引き出されていました。
こちらが、キムラ漬物宮崎工業株式会社の代表取締役を務める木村昭彦さん。この日は、カメラマンとしてもご活躍でした。
今回のもうひとつの主役、宮崎大学農学部で確認された宮崎の在来大豆から作った在来大豆の豆乳。
さらっとした飲み口ながら、甘みの強さを感じさせる豆乳でした。
こちらは、その豆乳から作られた在来大豆の豆腐。
シンプルに塩とオリーブオイルでいただくと、豆の甘みが引き立ちます。
2皿目は、完熟もちきびのキッシュ。
手前は、完熟もちきびの実に三股の生金胡麻を合わせたもの、キッシュの下には、モーウィ胡瓜と雑穀のラタトゥイユが敷かれています。
トウモロコシが甘味とフレッシュさを追求する方向に変わって、昔ながらのもちきびが食べられないことを残念に思っていましたので、味わいのしっかりとしたもちきびが再び食べられるのは嬉しいですね。
3皿目は、白皮にがうりと都農尾鈴豚ソーセージのポトフ仕立て。
谷口さんのお話にもありましたが、にがうりは、品種改良されて苦みの薄れているゴーヤと違い、しっかりとした苦みがありますが、決して嫌な苦さではなく、それを都農尾鈴豚の脂が洗い流してくれることで、苦さとコクの相乗効果が生まれていました。
4皿目、打木甘栗赤皮南瓜のニョッキ。
オレンジの皮色が美しく、しっとりとして甘みのある打木甘栗赤皮南瓜を練り込んだニョッキはコクのあるクリームソースで煮込まれ、粗く挽いた黒胡椒をアクセントに。
薄くスライスしてローストした打木甘栗赤皮南瓜のオレンジ色が美しい。
5皿目、万願寺唐辛子のグリルとサーモンのロースト。
サーモンの下に敷かれた緑色のソースが、本来のパセリの代わりに無農薬大葉を使って作られたサルサヴェルデ。手前のクリーム状のものが、カシューナッツのソースで、これが想像と違って酸味のあるソースで驚かされました。
締めは、百姓隊 在来大豆と地這い胡瓜のひや汁。
寛俊さんの奥さん俊子さんの手づくり味噌を使った、贅沢な冷や汁。
もっと食べたいところでしたが、すでにこの時点でかなりの満腹状態。
デザートの東京南瓜の羊羹ともりもっ茶のクランブル。
甘みを抑えて南瓜本来の味を活かした羊羹と、新富で有機栽培されているもりもっ茶で作られたクランブル。ミニマカロンももりもっ茶と東京南瓜の組み合わせ。盛りつけもアートです。
デザートは別腹と言いますが、かなり苦しい。
とどめの在来大豆の豆乳アイス。
最後の最後にたたみかけるように供された在来大豆の豆乳で作られたアイスクリーム。
さっぱりとして後味の良い口溶けでした。
ここまでコースだけでも全8品。これにビュッフェで供された料理を加えると、20種を超える料理を味わったことになり、お腹ははちきれんばかり。ビュッフェを控えめにしていたからコースは最後まで食べ切れましたが、逆にビュッフェで味わえなかった料理があったのは少し心残りでした。
ラディッシュセブンのシェフ陣、少し頑張り過ぎたかも。
それにしても、今回いただいた伝統野菜の数々、それぞれがしっかりとした味や食感を持っており、素材そのものが本当に美味しいと言えるものでした。
規格品として市場に出荷するため、大量に生産するには向かないかもしれませんが、こうしてレストランなどで味わえるように販路を確保できれば、生産者も安心して生産できることでしょう。
今回の「和やさい展」には、プロの料理人も参加されていましたが、このようなイベントを通じて宮崎産の伝統野菜への理解が深まり、利用が広がるといいなと期待しています。
今度は、冬の野菜も食べてみたいですね。百姓隊の皆さん、今後ともよろしくお願いします!