秋の訪れを感じさせるこの頃ですが、まだ夏も盛りの8月19日(水)、株式会社百姓隊と株式会社ラディッシュ主催によりカリーノ宮崎地下の「まんまーる」で開催された「第2回和やさい展~伝統野菜と在来大豆のディナー」に参加してきました。
このイベントは、宮崎大学産学・地域連携センターの協力により2日間行われたもので、初日の19日は百姓隊の代表・谷口寛俊さんのお話、2日目の20日は在来大豆の存在を確認した宮崎大学農学部明石教授によるお話という構成で、できれば2日とも取材したかったのですが、諸般の事情で1日目だけに。
イケメンの並ぶポスターでお馴染みの百姓隊は、野菜の生産から加工、直売まで一貫して行う、20代のスタッフが中心の農業生産法人で、伝統野菜の復刻も手がけています。
「和やさい展」は、そんな百姓隊が伝統野菜の魅力を多くの人に知って欲しいと始めたイベントで、2014年7月31日の第1回に続き、今回が2回目とのこと。
百姓隊の代表を務めるのは、谷口寛俊さん。
谷口さんのお話を簡単にまとめてみました。
伝統野菜を年間40~50種類を作っており、今日は14~15種類を持ってきました。
伝統野菜=和やさいは、昔はどこにでもありました。昭和30年代半ばまでは身近にありましたが、高度成長時代に早くたくさん作る必要が出てきて、異なる特性のある親同士を交配したF1(雑種第一代)と呼ばれる野菜が主流になりました。
F1野菜は、成長が早く、形が揃う一方、美味しくなく、栄養分が少ない。
伝統野菜は成長が遅いが、味・香りが良く、栄養分も高いことが分析で証明されています。
ホームセンター等で種を買って家庭菜園で育てると、一度にたくさんできるので食べきれず無駄にすることもありますが、和やさいは、順番にできるので無駄になりません。
また、F1は雑種なので、育てても種を取ることができません。百姓隊では種取会などをやって、伝統野菜の大根や南瓜の種をお分けしています。
日本で栽培されている伝統野菜は全体で140種くらいありますが、このうち日本原産のものは約20種です。
本日お持ちした野菜を中心に簡単にご紹介すると、
打木甘栗赤皮南瓜は石川県産の加賀野菜で、昭和18年に固定化されました。
奥武蔵地這い胡瓜は本当の胡瓜で、長さ30cm、重さ1~2kgになります。
薩摩白長茄子は皮が固めで加熱用に向いていて、田楽や焼き茄子に向いています。
白皮長にがうりはすごく苦いです。苦くないとにがうりではありません。ゴーヤは、苦さが少なくなるように品種改良されています。
糸巻き大根(米良大根)は青首大根より糖度が2度くらい高く、肉質が密で柔らかいです。
日野菜蕪は滋賀産で上部が赤紫色をしていて、辛味があり、薬味として使われます。
打木源助大根は加賀野菜で、果肉が柔らかく煮物に最適です。セブンイレブンのおでんに使われていることで有名になりました。
みんなに食べてもらってこそ伝統野菜は生き残ると考えています。様々な地域の伝統野菜を栽培していますが、下手に地域で囲い込むよりは、各地で時期をずらしながら栽培する方が良いと思います。
そして、宮崎の気候は、いろいろな伝統野菜を栽培するのに向いています。
そんなお話を、百姓隊が育てた伝統野菜を使った料理を味わいながら伺ったのでした。
続きはこちら