まず最初に運ばれてきたのは、
以下、料理名はこの日、参加者に配られたメニュー表に基づいてます。
季節の空豆を茹でて裏ごしし葛粉で固めた空豆豆腐の上に載せられているのは、日南産のムラサキウニですが、殻から外したウニの身を貝でとっただし汁に浸して旨味を含ませるというひと手間をかけるというのがプロの技。
続いて2品目は、
「ゴールドラッシュ」という品種のスイートコーンは、今がまさに旬。もぎたては生でかじれるほど、粒皮が薄くさわやかな甘みが詰まっています。
これを玉ねぎとともに炒めてミキサーにかけシノワで濾してから、コーンの香りと味を邪魔しない昆布出汁でのばして、スープに仕上げてあります。
優しい甘さのスープで、これから来る料理のために胃をほどよく活性化させてくれます。
スープの横に添えられているのが、同じ「ゴールドラッシュ」の実をかき揚げにしたもの。
味付けに塩が振られているのですが、この塩加減が、思わず唸るほどに絶妙!
サクッと揚がった食感も嬉しい。
3品目は、
メニュー表では「鯵と日向夏のサラダ」ですが、実際には一皿に二種類の鯵料理が盛られていました。
産地の違う鯵が使われているということでしたが、どこの産地のものだったか聞き漏らしてしましました。
輪切りの紅大根で蓋をされた小鉢の方は、鯵のたたき。
刻んだオクラと青ネギと一緒に和えられています。
もう一つの方が、酢締めした鯵の切り身の上に日向夏が載せられたサラダ仕立て。
この日は日向夏の時期にはちょっと遅かったのですが、ここで使われた日向夏は、季節を外れても楽しめるように冷温貯蔵されたものとのこと。旬の味と香りを損なうことなく、爽やかな酸味と甘みを鯵の身に加えてくれていました。
鯵の締め加減も絶妙で、さすがは一流の鮨屋の仕事!
続いて、
テニスの錦織選手の好物ということで一躍有名になった「ノドグロ」は、日本海の魚というイメージがありますが、日本からオーストラリアまで太平洋西部に分布する「アカムツ」の通称で、宮崎でも水深100~200mの沖合に住んでいます。
「白身のトロ」と呼ばれるように脂が乗っており、口に入れるとホロリとほどける上品な白身から濃厚な旨味がほとばしってきます。
それを、蒸されて酢の酸味をほとんど感じることのない豆ごはんの蒸しずしが受け止めて、噛みしめる喜びを倍増させてくれます。あぁ、丼で食べたい!
5品目は、
「インパナータ」とは、パン粉をつけて焼き上げた料理のことなので、「太刀魚のパン粉焼き」なのですが、これがプロの手にかかると簡単には行きません。
マンゴー、梅干、大葉、日向夏の皮をみじん切りにしたものを合わせてフィリングを作り、それを三枚におろしてカットした太刀魚の身の片面にぬり、ロール状に巻いてからソテーし、仕上げにパン粉を載せて焼き上げるという行程を踏んで供されています。
インパナータももちろん美味しいのですが、付け合わせに添えられたトマトがまた美味いこと。
柔らかな酸味と甘みのバランスが良く、旨味が濃縮されたトマトでした。
6品目に登場したのは、
さすがに鮨屋の鮨は美しい。
手前から、いか、中トロ、甘エビですが、醤油つけなくていいように、どれもちゃんと仕事がしてあります。
これらの中でも今日の白眉は一番奥の甘エビ。
写真ではよくわかりませんが、このエビの身の下に、マンゴーの果肉が忍ばせてあって、エビの甘みに更に濃厚な甘みとフルーティーな香りを加えています。
鮨にトロピカルなフルーツを合わせることに抵抗もありそうですが、これが実に違和感なくマッチして、広がりを作り出しています。
7品目、
使われている牛肉は、岡崎牧場のものだとか。
岡崎牧場といえば「パイン牛」で有名です。
その牛肉を西京味噌に漬け込み、焼き上げた後にしばらくおいて肉汁を落ち着かせてからカットし、かぼちゃを煮て甘さの移った汁で炊きあげたご飯で作ったしゃりの上に載せてあるという丼。
味噌を焼いた香ばしさと西京味噌の甘さの移った牛肉は、見てのとおりレアっぽい焼き加減ながら中には十分に火が入って脂が活性化していて、適度に水分の抜けた歯応えのある食感とともに、ずーっと噛んでいたくなる嬉しさがあります。
これも、もっと大きな丼で食べたい逸品でした。
デザートとして供されたのは、
宮崎の伝統スイーツ「あくまき」が、フレンチのシェフの手によって変身。外側に砂糖をまぶしてフライパンでキャラメリゼしてから一口サイズにカット。供された時点でほんのりと温かい。
その横に、宮崎産のほうじ茶で作られた冷たいアイスが添えられて、冷熱のバランスを持ったデザート。
藤澤シェフが、最後の挨拶で「甘酒のソース」かけ忘れたと言っていたのはご愛敬。
最後の一品、
添えられているのはヒーリング効果のある薬草として知られているカモミールの花托。花びらも少し残っていますね。
口に入れると意外とさっぱりとしたジェラートですが、甘みと酸味のバランスの取れた宮崎マンゴーの美味しさが感じられて、最後を締めるに最適の一品でした。
全9品、宮崎の食材の素晴らしさを改めて感じるとともに、二人のシェフの技量、新たな地平へ向けたチャレンジを知ることのできる幸せな時間を過ごすことができました。
この日参加された27名のお客様もみな、大満足の様子でした。
これを皮切りに、これから「Fooding Miyazaki」としていろいろなイベントが仕掛けられることと思います。
たくさんのシェフがここに参加されているようですので、次はまた違ったシェフ達による新しい宮崎料理が楽しめることでしょう。期待したいと思います。
最後に、二人のシェフからいただいたレシピのプレゼントをテゲツー!の読者のみなさんにもシェアしましょう。
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