みなさんは聞いたことがあるだろうか。
週に一度だけオープンし、あっという間に閉店してしまう幻のパン屋さんの噂を…。
そんな噂を確かめるべく、唯一の営業日であるという土曜日の午後、宮崎市佐土原町へ。
地図アプリを頼りに住宅街をしばらく行くと、かわいらしいお店が目に飛び込んできました。
10月で3周年を迎えたという「KODAMAPAN」。
店主ひとり、ちいさなカウンターでの対面販売スタイルにて営業されています。
カウンターにはフランスの大きな田舎パン「カンパーニュ」をはじめ、週替りで数種類のパンや焼き菓子が並びます。
普段の生活に当たり前のように馴染んでいくようなシンプルさこそ素敵だと感じるのは、オトナになった証でしょうか。。
こちらは宮崎産の栗が中にたっぷりの「栗パン」
端から端までごろごろおっきな栗の渋皮煮が詰まってて、噛み締めるたびにほっくり幸せを実感しました。
どうですかこの断面、ギュッと中身の詰まったパンだということが伝わってきませんか。
美味しさの秘密は、店主自らデザインして創りあげた薪窯でじっくり焼き上げるところにアリ。
KODAMAPANの土曜日は、早朝5時に窯に薪をくべて火を焚くことからスタート。
3時間ひたすら薪をくべ続け、十分に窯の温度が高まったところで、余熱でパンを焼いていきます。
釜が冷えてきたら追い焚き、また焼いて、そしてまた、、
これを3回繰り返して焼き上がる頃には、もうお昼前になっているというから、いかに手が掛かっているかがわかります。
だからこそパリッと焼き上がった外皮が内側にしっかりと水分を閉じ込めて、中のモッチリとした仕上がりが実現するんですね。
ちなみに薪窯は非常にデリケートで毎日稼働させることが難しいそうで、、曜日限定オープンの理由のひとつでもあるようです。
店主の児玉浩子さんからは、落ち着いた雰囲気の中に強い芯を感じさせるような印象を受けます。
そんな彼女に大きく影響を与えたというのが、タンザニアで過ごした幼少期の2年間と、マラウイで青年海外協力隊員として働いた経験。
マラウイでは病害虫対策の仕事をしていた児玉さん。
パン屋店主という顔以外に、農業試験場で働く残留農薬等検査員としての顔も持ち合わせていらっしゃいます。
薪窯でパンを焼くスタイルにも、アフリカで過ごした”火がいつもそばにあるくらし”の経験が反映されているのだそう。
また児玉さんはアフリカ女性の地位向上のため、現地の女性縫製グループと協力してフェアトレード雑貨の販売活動もされています。
写真はアフリカの伝統的な布「チテンジ」のかわいらしいパッケージに包まれた、バオバブの木から採れたピュアオイル。
抜群の保湿力がありながらサラリとした使い心地だそうで、これからやってくる冬の乾燥から肌をやさしく守ってくれそう。
もともと児玉さんがパンをつくりはじめたのは、卵アレルギーをもつ自身のお子さんがきっかけ。
子どもが安心して食べられるように、パンの基本材料は粉、水、塩と自作の天然酵母のみ。
その他の素材も地産地消、安心素材に徹底的にこだわり抜かれています。
ホームページには今週お店に並ぶパンと共に原材料がしっかりと明記されており、一切の妥協の無さがうかがえます。
お店には、そんな児玉さんのパンを信頼して多くのお客さんがやってきます。
毎週のように買いに来る馴染みのお客さんが多いようで、お客さんの姿が見えると児玉さんはすぐ奥に引っ込み、予め注文されていたパンを取って戻ってきます。
そしてパンの美味しい食べ方などを情報交換され、「またね」とお客さんが帰っていく様子は、ご近所付き合いのような、とっても素敵な関係性に映りました。
(児玉さんのインスタグラムでは、オシャレな写真とともに美味しいパンのある生活を発信中)
そう、KODAMAPANのパンは、予約注文しておくことができるんです。
以前テレビで放映されたことで、すぐに売り切れてしまうイメージを持たれがちだそうで、実際僕もそう思ってたんですが、予約できるというのは朗報ですね!
予約しておけば、慌てることなく安心して買いにいけますね。
近くにあったら毎週行きたい、ないけど定期的に行きたい、本当にあったかくて素敵やパン屋さんでした。
みなさんも土曜日がやってきたら是非。
ではでは。
【KODAMAPAN】
住所:宮崎市佐土原町下那珂4750-133
→map
※光が丘幼稚園の駐車場が利用できます
営業日:土曜日のみ
営業時間:12:00〜18:00(売り切れ次第終了)
TEL:080-4772-6282
※予約受付時間:(金)12:00~18:00 (土)8:00~18:00