AGRIST株式会社(新富町)のピーマン収穫ロボットについては、昨年10月に日本ロボット大賞の農林水産大臣賞を受賞した話題をテゲツー!でもお届けしたところですが、その後もアメリカでの展示会に参加するなど、あちこちで注目を浴びています。
そんなAGRISTが、宮崎県及び半導体等電子部品関連専門商社の株式会社マクニカ(横浜市)との間で連携協定を締結することになり、4月26日(水)に宮崎県庁の特別室で締結式が行われたので、ゴエ姉が取材に行ってきました。
初めての県庁特別室に緊張しながら入室すると、スーツ姿の関係者がずらりと勢揃い。
中央のテーブルには、写真左から反時計回りに、
AGRIST株式会社 共同代表取締役兼最高技術責任者 秦 裕貴さん
株式会社マクニカ 代表取締役社長 原 一将さん、
河野俊嗣宮崎県知事、
久保昌広宮崎県農政水産部長
の4名が座り、「ピーマン自動収穫ロボットによる持続可能な農業の実現に向けた次世代農業事業に関する連携協定」の協定書に三者で調印を行いました。
収穫ロボットの性能評価・機能付加に対する助言等や、ロボット収穫に適したピーマンの仕立て方等の栽培方式の開発支援を行う宮崎県の河野知事からは、
「宮崎からいずれは他国への技術支援をと、夢を大きく未来を切り拓いていきたい」
と挨拶がありました。
収穫ロボットの基盤開発・生産や販売の支援を行うことになる株式会社マクニカの原社長は、
「新富アグリバレーのAGRISTの農場のセンサーから得られるデータの解析を行い、テクノロジーを活用し、生産性の向上を担う」
と話されました。
AGRISTが開発を進める自動収穫ロボットは、4月22・23日に行われた「G7宮崎農業大臣会合」の会場で展示され、各国の農業関係者からも注目を集めました。
センサーが用いられたロボットは、ピーマンの位置をカメラで確認し、収穫時期のサイズを判断し、ワイヤーを使うアームを伸ばして摘み取り、ハンドで挟んだピーマンを下の箱に落として運びます。
ピーマンは宮崎県の農業の主力産品の一つですが、労働力不足による収穫遅れが課題で、24時間稼働できるロボットによりその課題が解消できれば、収量を20%増やして経営規模の拡大が期待できるとのことです。
AGRISTの秦CTOは、
「ロボットは現在9代目で、今後も改良を重ねていきます」
と話します。
まずは、今年10月までに実用化し、2、3年以内に新富町内・県内での普及を目指すということです。
現在は農家によってピーマン栽培方法が違うので、ロボットに適した方法や品種について、宮崎県農業試験場の協力を得る予定です。
AGRISTでは、ピーマンだけでなくキュウリのロボットも開発中とのこと。
農業従事者の高齢化や労働力の減少が宮崎のみならず日本の農業の課題となっていますが、こうしたロボットの実用化によって、日本の農業への貢献が大いに期待されるところです。