最後の飯物は、「特製海鮮丼」。
集まった生産者の魚を一つの丼に盛り込んだ、この日限りの特製丼。
ひむか本サバ、へべすブリ、五ヶ瀬ぶどうカンパチ、島浦真鯛、島浦かわはぎ、西米良サーモン、日南チョウザメ、シャクナゲ山女魚の漬け、黄金いくらという9種類が盛り込まれ、かわはぎの肝醤油をかけていただくという超贅沢な丼。
様々な味と食感が渾然一体となったこの丼には、もう悶絶するしかありません。こういう機会でなければ、なかなか食べることができないでしょう。
それらの魚のあらを使ったあら汁も、魚の旨味たっぷりでした。
これらの料理をまとめあげていただいたのが、わらしべグループの総括料理長・苗村竜二さん。
苗村さんは、素材のすごさに感動したとしつつ、
「養殖の魚は、供給や品質の安定という点で、飲食店には無くてはならない存在です。
今回、宮崎の養殖魚の持つ力を再認識したので、これからも使って行きたいと思います。」
と締められました。
最後に、参加者全員で集合写真を撮りましたが、皆さんの満足そうな顔を見れば、今回のイベントがどんなものだったのかおわかりいただけるかもしれません。
日本の一次産業は、少子高齢化の波に押されて従事者が減少する一方ですが、宮崎県の水産業もその例に違わず、従事者の減少が止まらず、その平均年齢も高齢化の一途を辿ってきました。
その背景には、天然資源に依存するマグロ漁やカツオ漁などが、資源の減少の影響を大きく受けていること、養殖業についても、それぞれの生産者の連携ができておらず、厳しい経営状況がつづいてきたことなどが挙げられます。
しかし、近年、魚種や餌などに工夫を凝らした養殖に取り組む事業者が少しずつ出てきて、その中から新たなブランド魚が生まれ、市場の注目を浴びるようになってきています。
そこに、今回ご紹介した若い人々が後継者として参画するようになり、新しい感覚で経営を行うようになってきています。
更に、今回の仕掛け人である築地さんのように、販売という立場から、生産の現場を盛り上げ支えたいという人が現れ、ばらばらだった生産者の動きに横串を刺して、相互の情報交換や連携を産もうとしています。
今回、このイベントに参加してみて、宮崎の水産業の将来に、まだわずかではありますが、明るい兆しがみえたような気がしました。
築地社長と若い養殖事業者の皆さんの今後の活躍、ひきつづきウォッチして行こうと思います。