宮崎県の獣害被害額は約4億5,900万円!「けもの道トレッキング」で現状を学んできた!

「けもの道」というワードに、どこかワクワク感を覚えるさこっちです。

さて、12月のイベント情報を見ていたら、んんっ?と目を疑ったタイトルがありました。

その名も「けもの道トレッキング」

紹介文にはこう書いてあります。

農村集落での暮らしに「猟師」はなくてはならない存在です。里山保全のため集落ぐるみで有害獣対策に取り組んでいます。
のどかな里山で獣害と共生する街の魅力を紹介し、新たな担い手を市内外から掘り起こすため、生目地区有害鳥獣対策組合が地元の猟師と歩く『けもの道トレッキング』を開催するものです。
当日はおいしい猪鍋とおにぎりも準備しています。皆様のご参加をお待ちしています!

トレッキングは、頂上を目指す登山とは違い、山頂にはこだわらずに山の中を歩くことを目的としているのですが、それに「けもの道」という、ちょっぴり危険な香りがするキーワードが張り付いているじゃないですか。

つまり、山中のけもの道をメインに歩くイベント、、、

素敵じゃないか!

しかも、おいしい猪鍋とおにぎりまで。

これは行ってみたい!

 

椎屋形自治公民館に集合

当日の朝、宮崎市生目地区の一角にある、椎屋形自治公民館に集合しました。参加者は、総勢25名ほど。

オレンジのベストを着た方々は、生目地区有害鳥獣対策組合や地元の猟師のみなさんです。

まずは、生目地区における有害鳥獣被害の状況について、害鳥獣対策組合の方から説明を受けました。

生目地区では、水稲、野菜類、飼料作物、果樹類、イモ類などの農林産物全般が鳥獣による被害を受けており、その被害額は増加傾向にあるとのこと。

また、畜舎や家畜、ビニールハウスなどにカラスもイタズラしてきて困っているそうです。

主な鳥獣としては、イノシシ、サル、シカがで、この3種だけで被害金額の9割近くも占めます。

この他に、アナグマ、タヌキなどの被害が挙げられます。

ちなみに、平成28年度の県全体での被害額はなんと4億5,891万円!!

農林産物の被害だけではなく、動物由来の感染症や交通事故などが増加する恐れもあることから、地区のみなさんで、有害鳥獣の駆除を行っているそうです。

なお、宮崎市生目地域センター管内での有害鳥獣の捕獲頭数は、次のとおり。

年度別捕獲頭数

数年前までは、かなりの頭数が捕獲されていたようです。

一時期と比べたら、だいぶその数は減っているそうですが、それでもまだまだ被害は起こっています。

生目地区では、地元住民や猟友会や行政などが一丸となって、対策に取り組んでいるそうです。

さらに、捕獲・駆除するための仕掛け罠の説明や、猟銃で使用する弾丸の種類などについても説明がありました。

初めて目にするものばかりで、興味津々!

現在は、猟師の高齢化や後継者不足もあり、猟師そのものが減っているそうです。

このまま猟師が減っていくと、有害鳥獣被害が増える可能性が高く、喫緊の課題のようでした。

しかし、最近では、猟師になりたいと都会から地方に移住する方や、通称「ギャルハンター」と呼ばれる、女性ハンターも全国的に増えているそうです。

ここ宮崎にも、猟師になりたいと移住してくる人が増えてくるといいですね。

ギャルハンターにも会いたいです(笑)

 

けもの道トレッキングに出発

さぁ、いよいよ、けもの道トレッキングのスタートです。

この日は、たまに小雨が降る天気だったので、およそ2kmと短めのコースに変更になりました。

とはいえ、、、

平坦な道じゃないから、アップダウンでかなり疲れる!!

伝わりますか?

この「けもの道」感!

普通の登山ではなかなか経験できない、スペクタクルでスリリングなトレッキングです。

参加者の何名かは、杖を持ってきていないことを悔やんでいました。。。

道中の2箇所には、箱罠が仕掛けられていました。

残念ながら獲物は捕まっていませんでしたが、3日ほど前にはかかっていたとか。

また、近年は知恵がついたのか、こういった罠にかかるのはイノシシの子どもが多く、親(大物)はなかなか捕まらないということでした。

箱罠を仕掛ける際は、餌として糠(ぬか)を撒くことが多いそうです。

 

待ちに待った!猪鍋登場

短いけれどスリリングだったトレッキングが終わったら、次は本命の猪鍋です。

外から帰って公民館に入ると、ものすごくいい香りが立ち込めていました。

地元の方が、猪肉を2日前から煮込んで作っていただいた猪鍋。

具材は、猪肉、里芋、椎茸、大根、長ネギで、味噌ベースのダシにすごくマッチしていました。

とにかく「うまい!」の一言!!!

猪肉には臭みがあるのかなと思っていましたが、全くそんなこともなく、肉はすごく柔らかくて美味しかったです。

ホクホクとモッチリを兼ね備えた里芋が、甘くて抜群で、いい役割を果たしていました。

あっという間に食べ終わり、すかさずおかわりをするさこっち。

だって、トレッキングで汗かいて、お腹空いて食べる猪鍋は最高やっちゃもん!

左から、ライターのこーへい、tama、さこっち。

あまりの美味しさに、3人で「美味しい、これ美味しい、本当に美味しい」と具体性が無い言葉で、ボキャブラリーの無さを露呈しながら、ガツガツ食べました。

だって、全部本当に美味しかったんですもん。

ということで、猪鍋パーティけもの道トレッキングのイベントは無事終了。

地域における様々な課題も理解できました。

その後の連絡で、好評につき、第2回目も実施することが決まったようです。

具体的な日程が決まり次第、またテゲツー!でも参加&報告したいと思います!

寄稿者:さこっち
宮崎の音楽・食・人が大好き。
ピーマン、キュウリ、タマネギなど、宮崎特産の野菜が苦手という斜め上をいくライター。
現在は、宮崎の魅力を発信し、他県から移住してもらえるよう取り組んでいる。

Follow me!

宮崎てげてげ通信ライター(寄稿)

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。 宮崎県内の地元の人だからこそ知っているおすすめの「グルメ」「観光」情報を軸に、地域の安全安心につながる情報の提供にも取り組んでいきます。