海と歴史がゆるっと混ざり合う文教の城下町・高鍋を歩く

画像出典・宮崎県観光サイト旬ナビ

こんにちは。 地元の魅力、その輝きにスポットを当て、一人でも県内外の皆さんに日夜発信したい・・・宮崎愛に燃える漢(おとこ)。 テゲツーライターのテルヒコです。
今日もがんばっど!

南国らしいゆるさと、どこか懐かしい温かさが同居する宮崎。
実はここ、全国でもトップクラスの“県民幸福度が高い県”として知られています。
「日本のひなた」と呼ばれるほど日照時間が長く、晴れの日が多く、自然が近くて、人がやさしい。
そんな“てげてげ”な日向時間が流れる環境が、暮らす人の心をそっと癒してくれるのかもしれません。

今回スポットを当てたいのは、そんな宮崎愛に燃えてる僕が生まれ育った町。宮崎県央エリアに位置する児湯郡・高鍋町。
海も山も近くて、歴史もあって、食べ物もおいしくて、サイズ感もちょうどいい。
「自然のそばでゆるっと暮らしたい」「都会のスピードにちょっと疲れた」そんな人にこそ、ぜひ知ってほしい素敵な町なんです。
高鍋は、“住む”目線で見ても歴史と文化の魅力に溢れた場所。
都市部のような大きな観光施設はないけれど、暮らしの中で心にじんわり染みてくるメランコリックな良さがある。
サーフィン、ドライブ、グルメ、自然、歴史。 県外からの移住先としても、都会での暮らしや忙しい日常に疲れたそんな人におススメの優しい時間が流れる町だと僕は思っています。
というわけで今回は、「高鍋ってどんな町?」「住むと実際どんな感じ?」そんな疑問に、地元民としてぐっと迫っていきます。
ではさっそく、いってみましょう。

海がすぐそばにある、潮風と波の音が似合う高鍋町

画像出典:Photo AC

高鍋町といえば、まず思い浮かぶのは、“海の近さ”。
町の中心部から車で少し走るだけで、日向灘の水平線がぱっと開けてくる夏のあの瞬間は、何度見ても心がほどけます。
高鍋海水浴場(蚊口浜)は、県内でも有名なサーフスポット。
波待ちするサーファーの姿が絵になるし、海岸を吹き抜ける潮風は、日々のストレスをふっと軽くしてくれるような優しさがあります。
恋人同士や学生たちにとっても、思い出の場所になっている人は多いはず。
運が良ければ、天然記念物のアカウミガメに出会えることも。
地元の人が散歩やランニングに訪れる、“生活の延長線上にある海”というのも、高鍋らしさのひとつです。

そして何より、ここは“朝日”がすごい。
海から昇る太陽が水面に反射し、季節ごとに違う表情を見せてくれます。
お正月の初日の出は、毎年多くの人が訪れる名物イベント。
ふらっと立ち寄るだけでも、気持ちがリセットされるような場所です。

蚊口浜のコワーキングスペースがおすすめ!

ドラマや映画のロケーションみたいに、海が生活の背景にある町って、実はそんなに多くありません。
でも高鍋では、それが当たり前の風景として溶け込んでいて、町全体にゆるやかな空気が流れています。
僕も学生時代、波の音や潮風に何度も救われました。

最近では、蚊口浜にあるコワーキングスペース「VIVA CAGCⅭI(ビバ・カグチ)」 で行われるイベントやワークショップも増えていて、地方で起業して働きたい!自然と共に暮らしたいという人にとっても注目。
海のそばの絶景のもと、働いたり学んだりできる環境が整っています。
高鍋では、様々な取り組みやコラボを通じて地域を盛り上げようとする方々のおかげで、こうした場所から賑わいが生まれ、年々活性化してるんですよ。

【COWORKING SALON VIVA CAGCⅭI (コワーキングサロン ビバ・カグチ)】
住所:高鍋町蚊口浦6259-12 → MAP
アクセス:JR高鍋駅から東へ徒歩9分
電話:090-8407-5050
営業時間 10:00-18:00(最終受付 17:00)
定休日:不定休
キャッシュレス なし
駐車場・駐輪場:あり(無料)

城下町の名残がつくる“落ち着き”のあるまちなみ

左が高鍋藩七代藩主 秋月種茂(鶴山)公 右がその弟の上杉鷹山公の胸像

「なせば成る、なさねば成らぬ何事も。成らぬは人のなさぬ成りけり。」
(訳:やればできる。やらなければ何も始まらない。できないのは挑戦していないだけ。)
この言葉を残した偉人・上杉鷹山(うえすぎようざん)。

実はそのルーツは、高鍋町。高鍋藩第六代藩主・秋月種美の次男なんです。
そう、高鍋は“文教の町”としての歴史と誇りをしっかり持っている場所。
鷹山の溢れるベンチャー精神は、ここ高鍋から産まれたんだなと、郷土宮崎でヒーローを演じ番組を製作してた僕も心が熱くなりました。

町を歩くと、地名や史跡のあちこちに城下町の名残が見つかり、歴史が生活の中に自然と混ざり合っています。 歩いているだけで、どこか落ち着くんですよね。
象徴的なのが、高鍋町美術館のすぐそばにある 「舞鶴公園(高鍋城址公園)」。
お城そのものは残っていませんが、石垣やお堀などから当時の姿を想像できます。
春には桜が満開になり、地元の憩いの場として親しまれています。

画像出典:Photo AC

もう一つの名所が 旧高鍋城二の丸跡に建つ「舞鶴神社」。
境内は静かで、木々に囲まれた空間は時間がゆっくり流れているような心地よさがあります。
ここには、かつて高鍋〜児湯郡エリア(新納院)を本拠地とした高鍋藩秋月家のお殿様も祀られており、地元のパワースポットとしても人気です。
さらに高鍋は、藩のルーツである福岡・太宰府とのつながりも深く、姉妹都市の朝倉市、宮崎県串間市、山形県米沢市との交流もあります。
町の神社には、太宰府天満宮の祭神・菅原道真公(学問の神様)が祀られている場所も多く、文教の町としてのエネルギーは、こうした歴史的背景からも流れているのだと感じます。

アートによるまちおこし

高鍋町の玄関口・高鍋駅前では、高鍋在住で世界的な彫刻家・田中等先生作のモニュメント「ムーンダンス」がお迎えしてくれます。

最近では、城下町を思わせる建築デザインで景観を整えたり、アーティストを招いたオブジェ制作やアートイベントを開催したりと、文化発信にも積極的。

高鍋駅の構内には、誰でも気軽に演奏できるグランドピアノが設置されていたり、地域の学生たちの作品も展示されています。

毎年開催される灯篭祭りや、高鍋出身のラッパー・GADOROさんの活躍、高鍋駅に展示される文化部の学生作品など、町のあちこちに“文化のピース”が散りばめられています。

こういう、誰でも参加できるクリエイティブな空気感が残っている町って、意外と貴重ですよね。
地元でたくさんの文化体験に触れることで、高鍋から気鋭の若手アーティストたちが今後夢いっぱいに世界へ羽ばたいていってくれることに僕も期待大です。

食のまちとしての魅力と“高鍋グルメ”

画像出典・宮崎県観光サイト旬ナビ

高鍋町は、農業と畜産が盛んな地域として知られています。
児湯地域は特に畜産が盛んで、牛肉や豚肉の品質には定評があります。
町内の飲食店では、地元産の肉や野菜を使った料理が提供されており、観光客でも気軽に地域の味を楽しめます。

その中でも、高鍋といえば「餃子」。
町には餃子の名店がいくつもあり、地元の人にとっては日常の味。
皮のもちもち感や具材のジューシーさは店ごとに違い、食べ比べも楽しい。
県外の人を案内すると、だいたい喜ばれる鉄板グルメです。

高鍋の台所を支える主婦の強い味方と言えば、僕もよく買い物でお世話になっている「ママンマルシェTAKANABE」も大人気。
直売所には季節ごとの新鮮な野菜が並び、農業が生活に近い距離にあることで、食の安心感や豊かさが日常に根付いています。

ここで買える最近話題の高鍋ご当地グルメとしては、 「ゴボチ」(ごぼうチップス)なんて逸品も。
他にも、にんじんチップス「キャロチ」など多彩なバリエーションのチップスが人気です。
グルメも熱い高鍋、あなたもきっとファンになるはずです。

【ママンマルシェTAKANABE】
住所:高鍋町持田俵橋5654-1 → MAP
電話:0985-65-6677
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休

豊かな自然と小丸川の水を護る青龍伝説


高鍋町には海だけでなく、湿原や川など多様な自然が広がっています。
その代表が 「高鍋湿原」。
日本一小さいトンボとして知られるハッチョウトンボをはじめ、九州でも貴重な動植物が生息し、今も大切に保全されています。
木道を歩けば、季節ごとに変わる植物や野鳥の姿が見られ、自然の豊かさを全身で感じられます。
僕にとっては、子どものころの“冒険フィールド”で、今でも訪れると懐かしさがこみ上げてきます。
近くには季節ごとの美しい表情を見せる棚田で知られる「四季彩の村」や、宮田川添いにはパワースポットとして人気の「川上神社」もあり、地元民にとって思い出深い場所です。

そして高鍋の自然を語るなら、町の北側を流れる「小丸川」は外せません。
川沿いには広い農地が広がり、のどかな景色が続きます。

比木神社に現存する伝説の天井画「生き龍」

実はこの小丸川には、ちょっとロマンのある伝説が残っています。
古代に、朝鮮半島の百済から逃れてきた王族が、この地にたどり着いたという、比木神社の百済王渡来伝説。
さらに小丸川には、神社の天井画から抜け出した龍が美女の姿に変わったとう青龍伝説まで。
比木神社は、高鍋藩秋月家の氏神様。
青龍が、神社の護り神としてこの小丸川から地域の豊かな自然と水、暮らしを護ってくださっているのだなと思いました。
こうした伝説が自然と共に残っている町って、とっても素敵ですよね。

ちょっと不思議でユニークなアート空間・高鍋大師と卑弥呼の鏡に興奮

岩岡保吉翁が刻んだ、唯一無二の世界(画像出典:Photo AC)

高鍋町持田地区にある「高鍋大師」。
初めて訪れると、思わず岡本太郎ばりに 「ナンダこれは!」 「これは凄まじい空間だ…!」 と叫びたくなるほど、独特のエネルギーを放つスポットです。
ずらりと並ぶ石仏たちは、ひとつひとつ表情もポーズも違っていて、まるで“野外アート展”。
アート×歴史×ミステリーが混ざり合った、高鍋にしか存在しない異空間です。
この圧巻の石仏群をたった一人で彫り続けたのが、 高鍋が誇る石工職人・岩岡保吉(いわおかやすきち)翁。
四国のお遍路に影響を受け、近くの持田古墳が盗掘されていく様子に心を痛め、「古代の人々の霊を慰めたい」という想いから、人生をかけて石仏を彫り続けたといわれています。
その数、なんと 700体以上。

石仏たちの表情は、厳ついものから優しいもの、ユーモラスなもの、不思議なものまでさまざま。
どれもどこか愛嬌があり、見ているとクセになってきます。
神仏習合ワールド。天照大神の像は巨大ロボのような、いまにも動き出しそうな迫力がありました。
森の中を歩けば、風の音や鳥の声が耳に入り、木漏れ日が石仏の顔に当たる瞬間は、写真では伝わらない哀愁があります。

そしてここからが古代ロマンの本番。
高鍋周辺には、なんと 邪馬台国の謎に関わるロマン が眠っています。
卑弥呼の鏡ではないかと言われる「景初四年鏡」が出土していたり、地元の小丸(おまる)・青木(あおき)・立花(たちばな)といった地名が、天照大神誕生の祝詞に登場する「橘の小戸の阿波木原(たちばなのおどのあわぎはら)」の由来だったり…。
「ひょっとしてここって、古代のなにやら凄い謎が眠ってるんじゃないか?」
古代ファンの僕としては胸が熱くなるポイントばかり。
高鍋大師は、地元の人にとっては子どもの頃の思い出が詰まった場所であり、 県外から訪れる人にとっては「こんな場所があったの?」と驚く唯一無二のスポットです。

おわりに:高鍋は“ちょうどいい”が詰まった町

画像出典:Photo AC

いかがでしたか?
温かい宮崎の日差しと潮風に包まれ、海と山のどちらにもすぐ手が届く…そんな“ちょっぴりお洒落なコンパクトシティ”が、ここ高鍋町 です。
歩けば歩くほど、巡れば巡るほど、「え、こんな場所あったの?」「なんかこの町、ちょうどいい…」そんな発見がぽろぽろ出てくるのが高鍋の魅力。
宮崎県央の落ち着いた町並み、心が洗われる自然、そして人の温かさ。
気づけば、この町のことをもっと知りたくなっているはずです。
さらに、高鍋町観光協会では レンタサイクル も用意されていて、 海沿いを走ったり、城下町エリアを散策したり、“高鍋を自分のペースで楽しむ旅”ができますので、是非ご利用ください。

【レンタサイクル情報(令和7年11月1日より)】
通常タイプ(電動なし):1日 1,500円
電動アシストタイプ:1日 2,500円
貸出場所:JR高鍋駅構内(高鍋町観光協会)
営業時間:10:00〜19:00(返却は18:30まで)
定休日:木曜日(祝日・イベント時は変更あり)

海も山も、歴史もアートも、自然もグルメも、 “ちょうどいい距離感”で全部そろっている町、高鍋。
あなたも一度、僕らの町・高鍋に遊びに来てみませんか。 きっと、想像以上に好きになってしまうはずです。

寄稿者:テルヒコ
宮崎在住の美術作家兼フリーライター。事業所(照らステージ宮崎)代表。
日本文化の源流でもある神話のふるさと宮崎が誇るひなた文化の輝きを文化芸術の力を通じ明日の子供たちへ!という願いを込め製作されたテレビドラマ「日神王子アマテリアス」(宮崎国文祭芸文祭2020協力事業/日神王子シリーズ)の主演も務めるなど、子どもたちの教育問題や自然環境、地域の伝統文化へ日々関心を持ち多方面で活動している。宮崎観光文化検定3級。

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Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。