【開店】お洒落な空間で気軽に味わうフランス・スペイン料理 - estudio PARIS CINQ

目でも楽しめる絶品料理

まず最初に出てきたのは、3種類のアミューズですが、アミューズが載っているオブジェのような器に驚かされました。器の概念を越えてますね。

アミューズは、写真左から、
丸く抜いてトーストした食パンの上にほぐしたカニの身、
同じく丸く抜いてトーストした食パンの上に、ミニトマト、ゆで卵、オリーブ、アンチョビと重ねたもの
空豆のフィナンシェ、
という3種。

目で見て楽しく、口に入れるとその複雑な香りや味のハーモニーに、思わず笑みがこぼれてきます。

これを、細かい泡の立ち上るシャンパーニュとともにいただく至福。

 

米のサラダ

続いて、円錐形で少し深めの白いボウルに入って出てきたのは、お米のサラダ(Salade du riz)

米をサラダに使うというのは、日本ではあまりなじみがありませんが、フランスでは、米のサラダは代表的な家庭料理のひとつです。

米のほかに、細かく刻んだゆで卵やパプリカ、ニンジン、エビなどが混ぜられていて、塩・胡椒とビネグレットで和えてあり、さっぱりとしながらもそれぞれの素材の確かな旨味が感じられます。

もう、これだけでいいから丼いっぱいちょうだいという感じの美味さです。

 

魚料理(ポワソン)

3品目は、魚料理(Poisson/ポワソン)。
白色で細かいドレープの入った、大きめで浅いボウルの中央にこんもりと盛られて出てきました。

ホタテのグリルの下に、軽く火を通した春キャベツが添えられ、上から細かく刻んだ野菜とヴィネグレットのソースがかけられています。

大ぶりのホタテは、完全に火を通さずに中央はレアっぽく、絶妙な火加減で甘さを引き立たせてありました。

 

肉料理(ヴィヤンド)

驚いたことに、ミニコースなのに、魚料理に続いて、肉料理(Viande/ヴィヤンド)も出てきました。
これが、この日のメインディッシュ。

大きな白い皿の中心をずらして、0時から3時の方向にかけて、絵を描くように盛りつけられた、このたたずまいの美しさ。

宮崎県産黒毛和牛のローストは、これまた中央部がほんのりと温かくなる程度に火が通され、噛みしめると柔らかく歯を押し返しつつ、肉の旨味が溢れてきます。

これに、ブルゴーニュ産の赤ワインを合わせて、ノンアルの連れ二人をよそに、一人悦に入ってしまいました。

 

デザート(デセール)

ミニコースの最後は、デセール(Dessert)で締め。
これまた肉料理と同様に、大きな白い皿のキャンバスに、絵を描くように盛りつけられています。

色彩と空間を意識した盛り付けが、まずは目を楽しませてくれます。

盛られていたのは、ピスタチオのムースにカシスシャーベット、2種のベリー添え。

これで最後にもう1杯、シャンパーニュを飲みたくなったのですが、ぐっと我慢したのでした。

こうしたクオリティの高い料理やお酒をいただきつつ、シェフを始めとするスタッフの皆さんの一挙手一投足を眺め、時には料理にまつわる様々なお話を伺いながら楽しい時間を過ごす。
オープンキッチンのカウンター席は、至福の時間を楽しめる、素晴らしい場所でした。

 

若き料理人を育成する場

オーナーシェフの大岐裕司さん(写真右から2人目)は、料理学校で後進の指導に当たることもあり、このestudioは、そうした若い料理人の卵達の修行の場でもあります。

あえて店の中央にオープンキッチンを設け、周囲にカウンター席を巡らせたのは、お客様を楽しませると同時に、見られることで料理人達に適度な緊張を与え、時にお客様と会話することで、サービスの本質を学ばせようとする意図があるのだと感じました。

21時までは、コース料理(3,500円~)のみですが、21時以降はアラカルトで気軽に楽しむことができ、今回のように予算に応じてアレンジもしていただけますので、是非、お一人でもカウンターでスタッフとの会話を楽しんでいただければと思います。

 
【estudio PARIS CINQ】
住所:宮崎市橘通東2丁目4-4 → MAP
電話:0985-41-8700
営業時間:17:30~24:00
店休日:日曜日

Follow me!

Page: 1 2

Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。 2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。 テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。