私自身は勤め人ですが、身内に個人事業主を持つDiceです。
渡川の山師がコワーキングスペースについて熱く語った夜、同じ会場で「link miyazaki」という小規模事業者のネットワークが、働き方についてのトークセッションをやるというので、山師の話に続いて聞いてきました。
冒頭、挨拶に立ったのは、Webマーケティングを手がける株式会社mediadの代表、佐藤光倫さん。
ローカルWebメディアの「ザキミヤ」で身体を張ったレポートしたり、「モテるマーケティング」でマーケティングについて熱く語ったりしているので、ご存知の方も多いことと思いますが、今回の「link miyazaki」の代表でもあります。
「小規模事業者をつなぎたい!」という佐藤さんは、「働き方」がテーマの今回のセッションでは、小規模事業者の人たちの働き方を知ることによって、自分の働き方を見つめ直すきっかけにして欲しいと話します。
会場に来ていて、今回のセッションのメインとしていきなりフィーチャーされたのは、コピーライターが本業の木宮真紀子さん。
最近は、コピーライティングから派生して、ディレクションやプロデュースが多くなっているとのこと。
以前は某航空会社の機内誌のディレクションも手がけられていたそうで、ヒュー!日向のキャンペーンで浜辺に立っていたモニュメントも木宮さんの仕事なのだとか。
「宮崎の人達の仕事のクオリティは高いので、東京に負けない仕事をしたい。」
という木宮さんに対し、佐藤さんは、
「宮崎にはいいものを作れる人はいっぱいいるけど、結果的に安く仕事を受けている。
そういう状況を解決するために、小規模事業者同士のコミュニケーションを活性化する必要があるのではないか。」
と問題提起。
木宮さんは、これまでは自宅で一人で仕事をすることをメインにしていたらしいのですが、
「やっぱり、家でやってはいけない。」
と言います。
「アイディアを得るには外に出ないと。
人と会って話したり、ビルボードを見たり、目の前に溢れている事象や人の動きを見るだけも全然違う。
作るもののヒントになったりすることがある。」
と話します。
そんな木宮さんはオフィスを探していて、山師兄弟が創ろうとしているコワーキングスペースに興味津々。
「コワーキングスペースに入ることで、自分が抱える問題も解決できるのではないか。」
という意識もあるようで、月極で占有スペースを持てるなら、そこをオフィスにしようかとも考えているようです。
そういう木宮さんのお話しを受けて、株式会社Katatiumの東郷剛さん(写真左端)と佐藤さん、木宮さんの鼎談という形でセッションが進みます。
閉鎖的な空間で仕事をするのが好きという東郷さんは、2階建ての自宅の1階を事務所にしています。
「1年間フリーランスでやって、今は法人化してスタッフを2名抱えていますが、勤務時間はフレックスで、会社に来なくてもリモートワークでOKという形にしているで、みんながフリーランスの会社みたいなイメージでやっています。
自分でできない部分は外注する形で仕事をやっていましたが、外注だとスキルアップしないので、内製化したいということで人を集めました、という形になっています。」
とのこと。
「リモートワークだと、あの社員サボってんじゃないか、みたいなことはないの?」
という佐藤さんの問いに対し、東郷さんは、
「仕事が無ければサボっていていいかなと思うんで、お願いした成果を出してもらえばそれで良い。
仕事が無い時は、無理やり会社に出てきてボーッとしてもらう方が時間の無駄なので。
管理も苦手だし。」
と返していました。
個人事業主でチームを組んで仕事に当たることの多い木宮さんは、
「すごくよくわかる。
その方が生産性が高いし。」
と納得の様子。
するとここで、ブレッジマーケティング株式会社の磯貝佳賢さんがセッションに参加。
磯貝さんは、
「フレックス制を採用していて、就業時間9時~18時という就業規則はありますが、来る来ないは社員の自由にしていて、納品できればOKです。生産性もその方が高い。
小さな会社なので、縛り付けるルールが多いほど人間関係がうまく回らないというのも出てくるかも知れないので、こういう形にしています。」
とのこと。
パソコン一つとネットワーク環境があればできる仕事なのに、オフィスを持つ理由として、
「オフィスに行かないと気持ちがオンにならない。
自宅で子どもの声や家事の音が聞こえると、仕事ができない。」
という磯貝さんに対し、自宅が仕事場でお子さんが産まれたばかりの東郷さんは、
「確かに昼間は打ち合わせくらいで、自分の仕事はみんなが寝静まった夜中にやっている。」
とのこと。
自宅に別棟でオフィスがある佐藤さんは、
「家を出てオフィスのドアを開けると、スイッチが入る。」
と言います。
海外移住希望もあるという木宮さんは、
「今後どうしたいの?」
という佐藤さんからの問いに対し、
「試しに仕事を抱えた状態で東南アジアに2週間行って、仕事をしてみたらできた。
行ったり来たりで仕事をすることは可能で、日本にいながら海外の仕事が取れるし、逆に海外にいて日本の仕事もできる。
場所は関係なく、インターネットさえあればできる。東京でないとできないということが無くなったように、世界中どこにいても仕事ができる。
今、若い子が東京を目指すけど、宮崎でもいいじゃんと声高に伝えたい。」
と言います。
これには、一同、大いに納得。
更に木宮さんは、
「もし東京にいたら、同じような仕事をする人がたくさんいるので、箸にも棒にもかからなかったかもしれない。
逆に宮崎にいることで、東京からも注目をしてもらえる。
宮崎は、クリエーターにとっては働きがいのある場所。
チャンスを自分で掴めるか掴めないかだけの問題で、わざわざ東京に行く必要は無い。」
と続けます。
これに対し、東郷さんは、
「20代の新社員として入って、宮崎の会社でいきなり1億円のプロジェクトを回すなんていうことはまずないので、経験値としては東京はあるのかもしれない。
宮崎の会社に入るとして、どこに入るか、どの会社と一緒に仕事をするのかは、経験という意味では大事。」
と語りました。
4人の話しはまだ続くのですが、今回のポイントは以上に尽きるかなと思います。
なかなか面白かった約1時間のトークセッションの全編は、動画になっていますので、気になる方はこちらをご覧ください。
私もしっかり映り込んでいますけど(^_^;
「link miyazaki」では、今後もいろんなテーマでトークセッションを行い、その模様を動画配信したいとのことですので、WebサイトやFacebookページをチェックしてみてください。