テゲツー!焼酎担当のDiceです。
毎月第2水曜日に開催の「本格焼酎ドット恋」例会、2017年の幕開け、記念となる20回目の例会が、1月11日(水)に「居心地屋 やまぢ」で開催されたので、今回も取材に行って参りました。
ちょっと遅くなってしまいましたが、当日のレポートをお届けします。
今回のゲストは、串間市北方にある寿海酒造株式会社から、営業部部長の前鶴孝嗣さん(写真左端)と営業部の迫田利幸さん(写真右端)。
寿海酒造は、1985(昭和60)年に、100年以上の歴史を持つ串間市内の5つの焼酎メーカー(國光焼酎、玉之露醸造、吉田焼酎、石上商店、谷村酒造)がそれぞれ出資する協業組合として設立されました。
その後、2010(平成22)年に株式会社に移行し、現在に至ります。
同社の工場がある一帯は、「やまだいかんしょ」というブランドかんしょの栽培を中心とするJA串間市大束のエリアで、皮が赤く中は黄色い、焼き芋にすると甘くてとても美味しい、宮崎紅(みやざきべに)という品種のかんしょ(さつまいも)の主産地になっています。
最初にいただくのは、その赤芋を使って白麹で仕込まれた、同社のフラッグシップとも言える「ひむか寿 赤芋仕込み」をぬる燗で。
原料の赤芋そのままに甘みがあって、香りもふくよかな焼酎です。
製品は、20度と25度の2種がありますが、主に県内向けに出荷される20度は、そのまま燗をつけても楽しめます。
これに合わせる料理は、「鶏手羽元のスペアリブ風」。
ニンニクを効かせたタレに漬け込んでローストした鶏手羽元が、赤芋仕込みの甘さとよく合います。
続いて2杯目は、「日向焼酎 がんこ焼酎屋」をロックで。
前鶴営業部長によれば、元々福岡の居酒屋さんのために作ったプライベート・ブランドで、宮崎でも数店舗だけにしか卸していない限定品なのだそうです。
黒麹仕込みの赤芋焼酎を樫樽で1~2年貯蔵し、27度に調製して出荷。
鼻に抜ける甘い香りが特徴で、味にキレもあります。
芋の香りと樫樽の香りが喧嘩するのではないかと想像していましたが、それほど強い樽香でもなく、うまく調和しています。
使われる樫樽は、新樽だけだと荒くなるので、適宜入れ替えを行っていくのだそうです。
これと合わせるのは、「やまぢ」定番の「みやざき地頭鶏炭火焼き」。
旨味の乗った鶏の脂を、香り高い焼酎のロックで洗い流しつつ味わう幸せ。
3杯目は、「無ろ過 濁り銀」。
白芋であるコガネセンガンを白麹で仕込み、蒸留した後に濾過をかけず、余分な油成分を手作業で丁寧に取り除いただけの、焼酎好きにはたまらないガツンと来る焼酎。
香りも旨味も強く残っているので、個人的にはお湯割りよりもロックでいただく方が好きですが、そこはお好みで。
これに合わせるのは、グラスに入って供された「がごめ昆布とわかめの酢の物」。
フコイダンなどネバネバ成分の豊富ながごめ昆布は、免疫力を高め、アンチエイジングにも役立つと言われています。
酢のさっぱりした味わいを持つネバネバが、ガツンと来る焼酎と口中で出会うと、双方の旨味がシナジーをもたらして、ああ、これだけで1合飲めそうとか思ったりして。
そして隠し球の4杯目は、宮崎県産の完熟きんかんをまるごと、37度の赤芋焼酎の原酒に漬け込んだリキュールの「金柑酒」。
これを炭酸で割ると、きんかんの香りがふわっと開き、すっきりと飲めます。
果糖で甘みが加えてあるので、食後酒として楽しんだり、カクテルやデザートに使ったりするのも良さそうです。
「やまぢ」の料理はまだまだ続き、3種盛りで出てきたのは、写真左奥から、
揚げだし豆腐のグリーンピースだし、
だし巻き卵、
筍の土佐煮・梅肉和え、
という、初春を感じさせる3品。
さらに、「天ぷらの盛り合わせ」。
右端は白身魚の天ぷらなのですが、大将から「何の魚か当ててみて」と課題が出され、悩んだ挙げ句に「なまず」と答えたら、なんとこれが大正解!なんとか、フードアナリストの面目を保ったのでした。
しかし、宮崎でもなまず食べられるんですね。ふんわりと柔らかく、淡白な白身で、なかなか美味しかったです。
これらをつまみに、上記の焼酎を交互に飲み進めつつ、蔵元の方から直接焼酎の深~いお話を伺っていると、時間を忘れてついつい深酒をしてしまいます。
実に危なくも楽しいイベントでありますが、こうしてこの日も更けていったのでした。
2月8日(水)に行われたVol.21(ゲスト:神楽酒造)には残念ながら参加できませんでしたが、次回Vol.22は3月8日(水)に日南市大堂津の古澤醸造合名会社を迎えて開催予定です。
興味ある方は、本格焼酎ドット恋のFacebookページをcheck it up!
【寿海酒造株式会社】
住所:串間市大字北方1295 → マップ
電話:0987-72-5611
FAX:0987-72-4355
Webサイト:http://www.jyukai-shuzou.jp/