「起業を考えているけれど、事業計画書ってどう書いたらいいんだろう?」
「事業計画書を絵に描いた餅にしないためには、どういう工夫が必要なんだろう?」
そんなことをお考えのあなたにピッタリのイベントが、10月31日(月)、延岡市コワーキングスペースで開かれました。
題して、「絵に描いた餅にならない事業計画書の作り方」セミナー。
講師は、(株)エッジコネクション代表の大村康雄さん。
延岡市出身で、6年連続増収で、11年連続黒字経営の会社の社長さんです。
延岡在住で、本に関するイベントを企画・運営している私・黒木萌が、体験取材してきました。
「セミナーと銘打っていますが、ワークショップと思ってほしい」という大村さんの挨拶とともに、イベントが始まりました。
10人の参加者がそれぞれ、自分の考えているビジネスを含めて自己紹介をした後、席替えが行われました。
「何で席を分けたと思いますか?」と大村さん。
自己紹介で話されたビジネスプランを基に、店舗ビジネスチームとオフィスビジネスチームに分け、ディスカッションしやすいようにしたんだそうです。
大村さんは、ホワイトボードによく見かける事業計画書を書いてみせます。
「これがいわゆる絵に描いた餅に終わる事業計画書です。どこがダメなんだと思いますか?」
と大村さんが問いかけると、参加者からは
「机上の空論に過ぎないんじゃないか」
という仮説が出ました。
それに対して大村さんは「売上の根拠がないんです」と端的に答えます。
では、お金の動き、キャッシュフローが見える事業計画にするにはどうしたらいいのでしょうか?
答えは、ズバリ「マーケティング投資の予算を入れること」。
「つまり事業計画はマイナスからはじまっていないといけないんです。」
「マーケティングとは、お客さんをつくる活動のことです」
と大村さんは話します。
なんと分かりやすい!
そこから参加者は、大村さんの指示に従い、インターネット検索を使って売上を生むためのマーケティングにはどんなものがあるのかを調べていきました。
たとえば、フリーペーパー出稿やポスティングなどの項目名と、それにかかる金額を調べます。
次にExcelを用いて、実際に事業計画書づくりに取りかかります。
マーケティング項目、売上項目それぞれについて、具体的な数字を入力し、どんなマーケティングをどの程度行ったときにどの程度売り上げが立つかをシミュレーションします。
「マーケティング項目を最初に入れることで、どうやって売上が上がるかという解像度が高くなります」
と大村さんは話して締めくくりました。
参加者からは、
「シミュレーションしてみたら正味売上がマイナスになったので、不安でドキドキしている。一気に現実に引き戻されたが、開業に向けて前向きに準備を進めたい。」
とか、
「いい意味で期待していた内容とギャップがあった。リアルな数字が見えるとワクワクする。」
という声が聞かれました。
私は、このセミナーを傍聴して、事業計画書を書くことは数字をシミュレーションすること、つまり経営そのものなんだなと感じました。
決して「書かされるもの」や「補助金を取るために仮につくるもの」ではなく、実際の経営をシミュレーションするのに不可欠なもので、そのためにマーケティング項目を入れて、マイナスから始めることが必要なことがよく理解できました。
もし起業することがあったら、今回のお話しを参考にして事業計画書を作ろうと思います。
数字を使って実際にどう経営を行っていくのか、シミュレーションを行いながら事業計画書を作る方法を教えてくださった大村さん。
「FMのべおか」で毎月第2・第4火曜日の朝7時30分~7時40分に放送されている「大村社長のビジネスライフenjoy塾!」という番組を持たれていて、リスナーからのお便りに答える形で、普段仕事で出会う人や業務の取り組み方などについてお話されているそうです。
「FMのべおか」は周波数88.6MHz。エリア外の方も、Listen Radio(リスラジ)のサイトやスマートフォン用の無料アプリでもお聴き頂けますので、ビジネスや起業に興味ある方は、そちらもぜひお楽しみに!