週末チャリダーDiceです。
久しぶりのロングライドで高鍋町のひまわり畑を見た帰り、新富町日置にある「湖水ヶ池」(こみずがいけ)に立ち寄りました。
海岸線に沿って、南北に細長い形をしたこの池は、周囲が約 1km、面積約7haあり、池を覆い尽すように蓮が群生していて、この時期は咲き誇る白い蓮の花を楽しめることで有名なのです。
湖水ヶ池の北西には、水沼神社が鎮座しています。
神社の創建は、元禄年間(1688年~1704年)頃と伝えられていますが、定かではありません。
御祭神は、水波能女神(みずはのめのかみ)、闇淤加美神(くらおかみのかみ)、鳴雷槌神(なるいかづちのかみ)の3柱。
水波能女神(みずはのめのかみ)と闇淤加美神(くらおかみのかみ)は、ともに日本における代表的な水の神、鳴雷槌神(なるいかづちのかみ)は、その名のとおり雷神です。
農耕に関係の深い神社であることが、この御祭神からよくわかります。
脇に置かれた手水舎(ちょうずしゃ)で手と口を漱ぎ清めてから、お参りしましょう。
清める際の作法については、手水舎の上部にイラスト入りで説明されていました。
社殿の背後に湖水ヶ池が広がり、蓮の葉が生い茂って、夏の強い日差しの下で風に揺れています。
「湖水ヶ池」は、この水沼神社の所有になっていますが、下記のとおり「児見ずが池」から転じて今の名前になったと伝えられています。
「昔、池のほとりに太郎兵衛とおつるという親子が住んでいました。
とても仲の良い親子でしたが、ある日おつるが池に行ってから帰りません。
心配した太郎兵衛は幾日も幾日も池におつるを探しにいきましたが、とうとうおつるは帰ってきませんでした。
悲しみにくれた太郎兵衛が池を眺めていると、いつのまにか池全体に暗雲が立ちこみ、稲光とともに大きな龍が現れ、遠くの空へ飛び立っていきました。
それ以来、この池のことを「児見ずが池」と呼ぶ様になり、子どもたちの安全と水の神様への祈りから、熱心に 信仰するようになりました。」
周辺は「湖水ヶ池公園」として整備され、池の周囲は遊歩道で巡ることができるようになっています。
ご覧のとおり、水面が見えないくらいに蓮が生い茂り、見事な景観を呈しています。
この蓮は、江戸時代にこの地を治めていた高鍋藩の七代藩主・秋月種茂(1744~1819)が、冬場に困窮する農民を救う為に大和の国から種を導入して植えたのが始まりと伝えられています。
私たちが普段スーパーなどで見かける、食用の蓮根を採る蓮とは違い、日本に古来からある在来種の蓮で、奈良県に現存する品種と同じであることが、遺伝子的に確認されているそうです。
夏の間にたっぷりと陽射しを浴びて、光合成で作られた糖分が、地下の根に貯められて蓮根(レンコン)となります。
湖水ヶ池の蓮根は、栽培種と違って細長くスマートで、食物繊維が豊富で切断面から長く糸を引くのが特徴です。
10月から3月にかけての収穫期に、この湖水ヶ池の蓮根を掘ることができるのは、水沼神社の氏子に限られているのだそうです。
フォトジェニックな蓮の花を探して、池の周囲を歩いてみましたが、なかなかこれという花に出会うことができません。
実はこの日、湖水ヶ池に到着したのは午後2時過ぎ。
気温も一番高い時間帯でした。
蓮の花は、夜明けとともに開き始め、昼頃には閉じてしまう特性があります。
なので、私が訪れた時間帯は、一度開いた後に閉じてしまったか、開ききって花びらが散りかけているか、まだ開く前の蕾の状態の花しか見ることができなかったのです。
ということで、同じ日の午前中に湖水ヶ池を訪れた津曲智英さんから提供いただいた、蓮の花の写真を掲載しておきましょう。
画像提供:津曲智英さん
画像提供:津曲智英さん
画像提供:津曲智英さん
画像提供:津曲智英さん
画像提供:津曲智英さん
いかがですか?
カメラの器材と撮影技術の違いはさておいて、やはり被写体が美しく咲いていないと始まりませんね。
津曲さん、ありがとうございました。
湖水ヶ池の蓮の花の見頃は、今月下旬まで。
既に花が散って茶色くなっている花托もありましたので、盛花の時期はあと一週間ほどかと思います。
皆さんも少し早起きして、朝のうちに水神様の蓮を観に出かけてみませんか。
【湖水ヶ池公園】
住所:児湯郡新富町日置 ⇒ マップ