とある日の夕方、住宅街の中の道を歩いていたら、「居酒屋」という提灯の下がった、古民家風のちょっと心惹かれるお店を発見しました。
店の名は、「Kutsurogi 三四郎」。
みやざき地頭鶏の炭火焼を食べさせていただけるお店のようです。
その日は所用もあったので入店できなかったのですが、先日の日曜日、お誘いを受けて訪問する機会がありましたので、ちょこっと取材させていただきました。
入口入ってすぐに、6席のカウンターと掘りごたつ席があり、奥の小上がりには4人用と6人用がそれぞれ2つずつ、計20席ほどのテーブル席が用意されています。
内装は黒を基調として、シックな感じにまとめられています。
小上がりの座敷の黒い壁に白色のマジック書かれたサインをよく見てみると、なんと、先日、第一子のご懐妊を公表された、宮崎市出身のタレント・神戸蘭子さんではありませんか。
有名モデルも愛するお店だったのですね。
さて、腰を落ち着けたら、さっそくオーダー。
こちらは、通常メニューとは別に用意されている、手書きの「本日のオススメ」メニュー。
日付が入っているので、毎日書き換えられているのですね。
鶏料理はもちろん、刺し身、サラダ、唐揚げ、パスタなどいろいろ。
マスターのオススメは、ワインと日本酒もあって、「右から左まで全部持ってきて」って言いたいくらいの期待度。
「カツオ」の文字があると頼まずにはいられない鰹好きの私。
まずは、「本日のオススメ」から、「生カツオ刺し」をいただきました。
付き出しの白和えを肴にプレミアムモルツの生を飲みながら待つことしばし。
出てきた皿は、盛り姿が美しい。
もちろん醤油も卓上にありますが、塩が添えられているところも嬉しい。
旬の初カツオと味わいのある塩の組み合わせ、美味しくいただけました。
このお店は、鶏の希少部位が味わえることが特徴のようで、レバーや砂肝の他、オリジナルな数量限定のメニューがいろいろ用意されていました。
まずは、レバ刺しが食べたかったのですが、日曜日は朝締めの鶏が入らないので、内臓系が提供できないという残念な告知をいただいたので、その代わりに、希少部位の中から、「チャックテンダーの炙り刺し」をいただきました。
「チャックテンダー」は、通常は牛肉の肩ロースの中にある部位を指す英名で、日本では「とうがらし」と言ったりもするようですが、このお店では、鶏もも肉の中のから旨味の詰まった最高の部位を切り分けて提供しているようです。
周りを軽く炙って、刺し身に引かれたチャックテンダーを、これもわさびと塩でいただきます。
ももの中でもよく動く部分が使われていると思われ、固くはありませんがしっかりした歯応えがあり、噛みしめると、肉本来の甘みと旨味が溢れてきます。
続いては、定番中の定番、「みやざき地頭鶏のもも炭火焼」。
備長炭を使って、中心部はレアになるように絶妙な焼き加減で仕上げられた炭火焼。
あちこちでみやざき地頭鶏の炭火焼きを食べてきましたが、その中でも最高ランクに入る美味さと言っても良いでしょう。
それだけではなく、炭火焼に添えられたこのキュウリをご覧ください。
種の部分が丁寧に取り除かれているんです。
キュウリの中心部にある種の部分、全然問題なく食べられるんですが、微妙な食感の違い、水分量の違いを気にするこの細やかな気配り。
これだけでも仕込みに手間暇かかると思うのですが、それを厭わない、ただ者ではない感じが、こうした細かい部分からもビンビンと伝わってきます。
続いての一品は、「日向夏と生ハムのサラダ」。
宮崎ならではの旬の素材を使ったサラダは、日向夏の爽やかな酸味を生かして、塩とオリーブオイルをメインに、おろしチーズ、少量のバルサミコ酢で味付けされています。
爽やかなサラダを間にはさんで、鶏の炭火焼をもう一品。
こちらは、みやざき地頭鶏ではなく、親鶏(卵を産み終えた鶏)を使った「昔ながらのもも焼」から「にんにく焼」をセレクト。
みやざき地頭鶏に比べれば、やや歯応えのある親鶏ですが、これも中心部がレアに焼き上げられているので、固さを感じることはなく、ニンニクとネギがまぶされて、これまた激ウマに。
「昔ながらのもも焼」は、「塩」と「とうがらし」というバリエーションもあるので、その日の気分でいろいろ楽しめます。
続いての一品は、3個分の卵と出汁を使って焼き上げられた「三四郎の出し巻き卵焼き」。
焼きたてふわふわの卵焼きは、カツオと昆布の出汁が効いて、しみじみとした美味さがあります。
そして、最後の〆も選択肢がいろいろあって悩むところですが、鶏料理がウリの店ならやはり親子丼を頼むのがベストでしょう。
ご飯の量は調整して貰えるので、ご飯少なめにしても、食べる価値あり!
こちらの開店は2014年8月とのことで、2年目も半ばを過ぎてますね。
こんなにいい店なのに、今まで知らなかったのが残念。
オーナーの山口虎太郎さんは、まだ29歳ながら、フレンチの店での経験もあるようで、料理はもちろんのこと、ワインの品揃えも充実しています。
この日いただいたハウスワインも、リーズナブルで美味しかった。
この日は、オープンと同時に入店しましたが、帰る頃にはほぼ満席状態。
人気店のようなので、訪問の際は、予約してからの訪問がお勧めです。
【Kutsurogi 三四郎】
住所:宮崎市堀川町57-1 ⇨ マップ
TEL/FAX:0985-31-1888
営業時間:18:00~24:00 L.O.23:00
定休日:火曜日