宮崎県が推進する「フードビジネス推進構想」の一貫で進められている人材育成プログラム「みやざきフードビジネスアカデミー」。
そのアカデミーで開催されている長期セミナーのひとつに「台湾塾」があります。
この台湾塾は、単に輸出だけを主目的としたものではありません。 「農林水産物」をキーワードに、気候や風土に多くの共通点を持つ宮崎と台湾のフードビジネス関係事業者が、ともに学び合い、協力して課題を解決するような仕組みづくりを考える機会を創出するとともに、県内事業者(農林水産業、製造業、飲食業)が海外展開を図る前に必要不可欠な台湾の方々との国を超えた理解と信頼関係構築を目的とします。
(参照元:みやざきフードビジネスアカデミー)
(Photo by Akihiko Kimura)
その台湾塾の第5回目が開催された6月11日(木)の夜、カリーノ地下の「まんまーる」において、台湾から来県されたゲスト講師を囲んで、セミナー受講者や関係者が参加する「台湾バル」が開催されたので、取材に行ってきました。
(Photo by Akihiko Kimura)
「台湾塾」のメイン講師(塾長)は、宮崎県産業振興機構でフードビジネス等のコーディネーターも務める高峰由美さん。
数年前に県主催の物産展で台湾に行ったのが最初で、北京語・台湾語はほとんど話せないけど、リアルな台湾を知りたいとバックパックを背に台湾各地を巡っているという高峰さん。
昨年から台湾塾を開催するようになって、台湾の農業生産者とつながりたいとFacebookで発信。それを翻訳してもらって100軒以上の農家を紹介され、時間を作ってはその農家を巡る旅を続け、既に40回以上も訪台して、宮崎と台湾の架け橋を作ろうとされています。
今回の台湾塾と台湾バルは、そうした旅で出会った台湾・高雄のキーパーソン達を招いて、宮崎の農業や風土を知ってもらうとともに、宮崎の農業生産者や事業家達との交流を通した将来につながる関係の構築を目指しているようです。
バルの幕開けは、台灣啤酒(台湾ビール)での乾杯。
台湾最大のビールブランドである台灣啤酒も、ルーツは1919(大正8)年に日本人が現地で興した「高砂麦酒株式会社」なのですね。
わざわざ乾杯用に台灣啤酒を用意するところに、主催者の力の入れようがわかるというものです。
乾杯の音頭は、台湾塾の共催者のひとつ(公財)宮崎県産業振興機構の岡村巌理事長。
「台湾との交流は日本にとって大事なところであり、相互に知りあって、学びあって仲間となり、それが将来的にはビジネスになるように期待している。」
と挨拶されました。
この日のメインイベントは、台湾塾のためにゲスト講師として高雄から来県された6人によるゲストトーク。
ゲストは、右から
梁銘憲さん
黄イ如(コウイジョウ)さん(「イ」は「王」偏に「韋」)
Colin Wu(呉宗霖)さん
Maggie Shu(周季嬋)さん
Nato Jay(陳正傑)さん
Trisita Liao(廖紋慧)さん
梁さんは、高雄市政府農業局科長で、台湾の農業も日本と同じ問題を抱えており、日本の農業政策の良いところを取り入れたいと話されていました。
黄さんは、(財)中衛發展中心という政府の外郭団体の職員で、農業に関する商品企画、イベント、マーケティング、人材育成などの仕事をされています。
一年間、日本に留学されていたということもあって、日本語もお上手で、他の方の通訳もされていました。台湾でも講座や雑誌で日本の「なう」を紹介したりもされている日本通です。
Colinさんは、台湾海軍での兵役を終えた後にアメリカのオーガニック農場で働きながら学び、今は微風市集(高雄ファーマーズマーケット)でオーガナイザーをされています。
Mggieさんは、高雄市の内陸部にある美濃区で、美濃が面白い農村であることを伝えたいと「野上野下」というローカル雑誌を出版したり、小さなショップを運営したりしながら、農業の六次産業化にも関わっています。
NatoさんとTristaさんは、高雄でCHEZ KIKIというゲストハウスを共同経営し、高雄の食やアート、自然など高雄の魅力を再発見する“去去高雄”というプロジェクトを立ち上げ、情報発信されています。
お二人の活動には、なんとなく、テゲツー!と通じるものを感じました。
この後、飲みながら食べながら、参加者相互やゲストとの交流タイムへと突入したのでした。
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