宮崎産パクチーを美味しい料理でいただきつつ、今年の豊作を願おうという「パクチーヌゥーボー」なるイベントが開催されるという情報を入手したので、パクチー好きとしてはほっておけないと、忙しい中、時間を捻り出して出かけてきました。 場所は、宮崎市千草町のABC90ビル5階にあるダーツバー「Dining&Darts woodbull DD」。 テーブルには、今年産のフレッシュなパクチーが飾られています。 まずは、パクチービールで ウェルカムドリンクはいろいろ選べたのですが、ここは当然ながら、パクチービール。 グラスの底から生ビールが竜巻状に沸き上がるトルネード・サーバーを使って、生パクチーペーストを加えた、スペシャルなパクチービールが完成。 パクチーが香り立つビールは、パクチー好きにはたまりません。 ノンアルコール派には、パクチーペーストを炭酸水で割っただけの、パクチー・ソーダもあり。 これは撮影しただけで飲んでませんが、パクチービール以上にかなり強烈そう。 国富町のパクチー王子 今回のイベントの主催者は、国富町でコオリファームを主宰する、郡康貴さん。 これまでも何度かテゲツー!に登場しているので、ご存知の方も多いかもしれません。 ピーマン栽培を主体に経営されている郡さんは、ピーマン博士の異名も持つほどですが、最近ではパクチー生産にも取り組まれており、パクチーを使った様々なイベントの仕掛け人として、パクチー王子とも呼ばれるようになっています。 ゲストは、タイ宮廷料理研究家の鈴木都さん この日のゲストは、タイ宮廷料理研究家の鈴木都さん(写真右)。 鈴木さんは、1997年から5年間タイ・バンコクに在住し、その間にタイ王室専属の料理家 Wandee氏に師事。 宮廷料理から地方や家庭の料理、お菓子など幅広いジャンルのタイ料理を400種ほど習得し、現在は、フレッシュなハーブやスパイスをふんだんに使った香り豊かな伝統的なタイ料理を伝えるサロン式の料理教室を主宰されています。 宮崎にもこのところ毎年のように来られていて、私がお目にかかるのは2度目になります。 鈴木さんプロデュースのエスニック料理 こちらが、ビュッフェ形式で並べられた、鈴木さんの手によるパクチーをメインに使ったエスニック料理の数々。 これを食べながら、郡さんと鈴木さんのお話を伺いました。 イカとパクチーのサラダ。 軽く火の入ったイカのもっちり柔らかな食感と、パクチーのシャリシャリした食感のコラボ。 パクチーをたくさん食べられて、幸せ。 ガパオのピーマンのせ。 ピーマンは、もちろんコオリファームのもの。 「種まで美味しいので、2つに割っただけで使いました。」 と鈴木さん。 苦みの無いピーマンのシャクシャクした食感に、鶏挽肉をハーブと一緒にニョクマムで炒めたガパオがよく合います。 ベトナム風サンドイッチのバインミー。 ここにもたっぷりパクチーが挟まれています。 鈴木さんが最強に美味しいと自負する、タイ風鶏唐揚げ。 レモングラスの風味が効いた、エスニックな香りをまとう唐揚げは、確かに美味しい! 素揚げしてある赤く大きな唐辛子も、辛くないのでそのまま食べられます。 鈴木さんが、 「パクチーは葉を食べるものだと思っているかもしれませんが、実はタイ料理では根が大事なんです。 宮崎のパクチーは根も美しいので、フリットにしてみました。」 と出された、パクチーの根のフリット。 塩で食べると根の持つ甘さが引き立ち、パクチーの香りと繊維質の食感も楽しめます。 美味しい料理で人心地ついたところで、いよいよ鈴木都さんのライブクッキングのスタートです。 続きはこちらから。 鈴木都さんによるライブクッキング 鈴木都さんによるライブクッキング 特設ステージで、鈴木さんがグリーンカレーを実際に作るライブクッキングが始まりました。 グリーンカレーに使われる、レモングラス、カーと呼ばれるタイの生姜、ホムデンと呼ばれる小さな赤タマネギ、コブミカンの葉などのハーブ類や、白丸ナス、プリック・チーファー(甘長とうがらしで代用)などの野菜について、ひとつひとう説明がありました。 普段はなかなか見ることのないハーブや野菜も多く、興味津々。 ハーブ類は、細かく刻んで、石臼で更にすり潰します。 こういうペースト状になれば、石臼での作業は終了。 あらかじめ鶏肉や野菜を煮込んで、ココナッツミルクを入れた鍋に、すり潰してペースト状になったハーブ類を加えます。 タイのカレーは香りを楽しむために、ハーブのペーストは最後に入れ、あまり煮込まないのが原則だそうです。 最後に、ミニトマトとフレッシュバジルを加えてできあがり! 「出来合いのペーストではなく、フレッシュハーブを使って作ることで、鮮やかなグリーンのカレーになります。」 と鈴木先生。 こうして、ライブクッキングは無事終了。 先ほどのグリーンカレーは、こういう形で参加者に供されました。 グリーンカレーというとすごく辛いというイメージがありますが、複雑な香りと旨味が先に来て、辛さが後から追いかけてきます。 その辛さも思ったよりマイルドで、実に美味しいグリーンカレーでした。 そして、最後を締めるのは、タイ料理を代表するスープであるトムヤムクン。 辛味と酸味、複雑な香りが特徴のスープですが、鈴木さんによれば、トムヤムクンは世界一抗がん作用のある食べ物という研究結果があるらしいです。 鈴木先生に教えていただいたタイ料理の数々、なかなかに奥が深く、しかも美味しいとあって、自分でも作ってみたくなりました。 作り方は、鈴木先生の本を参照してね! 会場にもさりげなく置いてあったこの本、鈴木都著『本場仕込みのタイごはん』(グラフィック社)。 今回出されたグリーンカレーや、イカとパクチーのサラダなど、タイ料理の作り方が、写真とともにわかりやすく書かれています。 フレッシュハーブやタイ料理独特の材料を揃えるのは大変そうですが、郡さんが育てるパクチーのように、日本でも手に入れやすくなっているものも増えていますので、チャレンジのしがいはありそうです。 皆さんも、宮崎産のパクチーを使ったヘルシーなタイ料理、是非ともお試しください。