単身赴任5年目に突入し、最近は本格的なレストランに縁遠くなったDiceです。 橘通東2丁目のバス停近く、改装オープンした宮崎信用金庫本店の北隣に、お洒落な雰囲気のレストランがオープンしたので、フードアナリストの勉強会の帰りに、アナリスト仲間を誘って出かけてきました。 お店の名前は、「estudio PARIS CINQ (エストゥディオ パリサンク)」。 宮崎神宮前にある「PARIS CINQ (パリサンク)」の姉妹店になります。 店名サインの横の細い通路を抜けてガラス張りのドアから中に入って右手、橘通り側には、2~6人掛けのテーブル席が並べられています。 テーブル席側から奥を見ると、奥はオープンキッチンになっていて、その周囲にはカウンター席がしつらえられています。 間近に調理を眺められるカウンター席 カウンター席からの眺めはこんな感じ。 目の前のオープンキッチンの様子がよく見えます。 最近は、キッチンの中にシェフズテーブルというお客様用の特別席を作って、シェフと会話しながら調理の様子を眺められるサービスを提供するレストランもありますが、こちらは、カウンター席が全てシェフズテーブルのよう。 オープンキッチンを採用するレストランも増えていますが、調理の様子をこんなに間近で克明に眺められるレストランは滅多にありません。 初めてのデートならテーブル席をオススメしますが、一人の時や気心の知れた仲間と行く時は、絶対にカウンターに陣取るのがオススメですね。 実は、個室もあります テーブル席とカウンター席だけかと思ったら、店の奥は深くて、レジを横を抜けて奥に進むと、6席のテーブルがある個室もありました。 このタイプの個室が並んで2つあって、仕切りをはずすと、最大12席の個室として使えるということでした。 大切な商談や打ち合わせ、プライベートな会合などの際は、こちらを利用するのも良いですね。 セッティングからお洒落 席に着くと、テーブルにサービスプレート(プレゼンテーションプレート)が置かれ、ナプキンとカトラリーがセットされます。 この黄色くて、切り株の年輪を感じさせるサービスプレートが、なんともお洒落。 思わず手に取って、裏側まで見てチェックしてしまいました。 オーナーによると、「日本のひなた」のロゴマークをイメージして選んだものらしいです。 まずは、飲み物をオーダー ワインリストには、ソムリエの阿部誠さんおすすめの今月のワインということで、泡、赤、白それぞれ2~3種が並んでいます。 グラス1杯のお値段は、スペイン産の550円から、シャンパーニュの1,200円までと、お好みと財布の事情に合わせて選べます。 リストを見てもよくわからない場合は、好みを伝えると、ソムリエが選んでくれるので、お任せするのも良いでしょう。 ノンアルコール飲料も揃っていて、車の二人は、ノンアルコールの発泡性ワインをオーダーしていました。 オーダーが決まったら、オーナーで料理長兼ソムリエの大岐裕司さんと、ブライダルコーディネーターでもある奥様の千香さんがサーブしていただきました。 喉を潤したら、料理のオーダーです。 この日は、21時を過ぎて入店したので、コースではなくてアラカルトでもオーダー可能でした。 がっつりと食べるつもりはなかったので、その旨とおおよその予算を大岐料理長にお伝えしたら、 「それでは、ミニコースでお出ししましょう。」 と仰るので、お任せすることにしました。 そうして出された驚きの料理の数々、次のページでご紹介しましょう。 続きはこちら 目でも楽しめる絶品料理 目でも楽しめる絶品料理 まず最初に出てきたのは、3種類のアミューズですが、アミューズが載っているオブジェのような器に驚かされました。器の概念を越えてますね。 アミューズは、写真左から、 丸く抜いてトーストした食パンの上にほぐしたカニの身、 同じく丸く抜いてトーストした食パンの上に、ミニトマト、ゆで卵、オリーブ、アンチョビと重ねたもの 空豆のフィナンシェ、 という3種。 目で見て楽しく、口に入れるとその複雑な香りや味のハーモニーに、思わず笑みがこぼれてきます。 これを、細かい泡の立ち上るシャンパーニュとともにいただく至福。 米のサラダ 続いて、円錐形で少し深めの白いボウルに入って出てきたのは、お米のサラダ(Salade du riz)。 米をサラダに使うというのは、日本ではあまりなじみがありませんが、フランスでは、米のサラダは代表的な家庭料理のひとつです。 米のほかに、細かく刻んだゆで卵やパプリカ、ニンジン、エビなどが混ぜられていて、塩・胡椒とビネグレットで和えてあり、さっぱりとしながらもそれぞれの素材の確かな旨味が感じられます。 もう、これだけでいいから丼いっぱいちょうだいという感じの美味さです。 魚料理(ポワソン) 3品目は、魚料理(Poisson/ポワソン)。 白色で細かいドレープの入った、大きめで浅いボウルの中央にこんもりと盛られて出てきました。 ホタテのグリルの下に、軽く火を通した春キャベツが添えられ、上から細かく刻んだ野菜とヴィネグレットのソースがかけられています。 大ぶりのホタテは、完全に火を通さずに中央はレアっぽく、絶妙な火加減で甘さを引き立たせてありました。 肉料理(ヴィヤンド) 驚いたことに、ミニコースなのに、魚料理に続いて、肉料理(Viande/ヴィヤンド)も出てきました。 これが、この日のメインディッシュ。 大きな白い皿の中心をずらして、0時から3時の方向にかけて、絵を描くように盛りつけられた、このたたずまいの美しさ。 宮崎県産黒毛和牛のローストは、これまた中央部がほんのりと温かくなる程度に火が通され、噛みしめると柔らかく歯を押し返しつつ、肉の旨味が溢れてきます。 これに、ブルゴーニュ産の赤ワインを合わせて、ノンアルの連れ二人をよそに、一人悦に入ってしまいました。 デザート(デセール) ミニコースの最後は、デセール(Dessert)で締め。 これまた肉料理と同様に、大きな白い皿のキャンバスに、絵を描くように盛りつけられています。 色彩と空間を意識した盛り付けが、まずは目を楽しませてくれます。 盛られていたのは、ピスタチオのムースにカシスシャーベット、2種のベリー添え。 これで最後にもう1杯、シャンパーニュを飲みたくなったのですが、ぐっと我慢したのでした。 こうしたクオリティの高い料理やお酒をいただきつつ、シェフを始めとするスタッフの皆さんの一挙手一投足を眺め、時には料理にまつわる様々なお話を伺いながら楽しい時間を過ごす。 オープンキッチンのカウンター席は、至福の時間を楽しめる、素晴らしい場所でした。 若き料理人を育成する場 オーナーシェフの大岐裕司さん(写真右から2人目)は、料理学校で後進の指導に当たることもあり、このestudioは、そうした若い料理人の卵達の修行の場でもあります。 あえて店の中央にオープンキッチンを設け、周囲にカウンター席を巡らせたのは、お客様を楽しませると同時に、見られることで料理人達に適度な緊張を与え、時にお客様と会話することで、サービスの本質を学ばせようとする意図があるのだと感じました。 21時までは、コース料理(3,500円~)のみですが、21時以降はアラカルトで気軽に楽しむことができ、今回のように予算に応じてアレンジもしていただけますので、是非、お一人でもカウンターでスタッフとの会話を楽しんでいただければと思います。 【estudio PARIS CINQ】 住所:宮崎市橘通東2丁目4-4 → MAP 電話:0985-41-8700 営業時間:17:30~24:00 店休日:日曜日