日南市飫肥。 伊東氏の居城・飫肥城を中心とした、5万7,000石の旧城下町として、宮崎でも有数の観光スポットのひとつ。 昔ながらの石垣や武家屋敷が残り、情緒あふれる趣ある町並みから、「九州の小京都」ともいわれています。 そんな飫肥城下町の中心部に、2015(平成27)年にオープンしたのが、「塒珈琲」(ねぐらコーヒー)です。 国道222号線沿い、飫肥城大手門へと向かう交差点のすぐ近くにあります。 店主・清水泰博の想い 店長の清水泰博さんの、スペシャリティコーヒーの奥深さを地元の日南から広めるとともに、城下町の特色を生かして観光客の回遊性を高めるなど、地域活性化に貢献したいとの熱い想いをお聞きし、今回、取材させていただくことにしました。 「塒珈琲」は、 「消費者へスペシャリティコーヒーの豊かなコーヒーライフの提案と普及拡大」 「地域に密着したコーヒー店を目指し、コーヒー文化の発信をする」 というコンセプトで運営されています(「塒珈琲」Webサイトから)。 そして、お店の名前にもある「塒(ねぐら)」とは、鳥の巣、人の住居、住まいという意味を持ち、塒に帰って”ほっこりと”一杯のコーヒーを家族と一緒に飲んでもらおう、という意味をこめて名付けられたのだそうです。 塒となる店内は、客席数10席とこじんまりとしながらも落ち着きがあり、馥郁としたコーヒーの香りが漂って、コーヒー好きのための安らぎの空間を創りだしていました。 店の壁には飫肥杉を使用するなど、こだわりも感じられます。 清水さんは、元々、宮崎市役所に勤務されていましたが、珈琲店をやりたいと早期に退職し、東京の珈琲店に2年ほど通うなどして、豆のピッキングや焙煎などについて修業を積み、ようやく出身地でもある日南市で開店することができたのだそうです。 アイスコーヒー 早速、コーヒーを頼もうと思ったのですが、この日は大変暑かったので、アイスコーヒーを注文しました。 オススメとして、パプアニューギニアとコスタリカ産の豆をブレンドしていただきました。 冷えた銅製のカップで出された珈琲は、乾いた喉を潤すと同時に、夏の陽射しで火照った身体を冷ましてくれました。 スペシャリティコーヒーでクオリティの高い豆を使用していることもあり、味はコクや深みがあるけどスッキリとしていて、何杯でも飲めそうです。 ホットコーヒー アイスを飲んで落ち着いたところで、せっかくだからとホットコーヒーも注文しました。 ロゴマークの入ったオリジナルカップで供されるホットコーヒーは、ペーパーフィルターを使ってドリップされた物で、独特な風味と少しの酸味がマッチして、ほっこりと落ち着く感じでした。 休日、好きな音楽でも聴きながら、のんびり味わいたい気分になりました。 どちらも本当に美味しかったので、ぜひ、アイスもホットも味わってほしいですね。 自家焙煎のスペシャリティコーヒーを 店内には、主に中煎りから深煎りのさまざまなコーヒー豆が並んでいますが、それとともに目を惹くのが、この焙煎機。 何でも、この焙煎機だけで約400万円もするとか! この焙煎機で、豆の状態を確認しながら、用途に応じて中煎りや深煎りなど、自在に自家焙煎をされているのです。 清水さんは、 「地元の皆さんにスペシャリティコーヒーの味を知ってもらい、その魅力を広げていきたい。 自家焙煎した自慢の豆を販売しているので、家庭でもゆっくり、ほっこりと味わってもらいたい。」 と話します。 お店の雰囲気、コーヒーの味わい、そして清水さんのコーヒーに対する想い。 それらがすべて特別なものとして、地元日南から、スペシャリティコーヒー文化を発信していきます。 飫肥を訪れた際は、ぜひ“ほっこり” してみてはいかがでしょうか!? 【塒珈琲(ねぐらコーヒー)】 住所:日南市飫肥5丁目2-18 → マップ 電話:0987-67-5808 営業時間:10:00~18:00 定休日: 水曜日 客席数:10席 寄稿者:さこっち 宮崎の音楽・食・人が大好き。 ピーマン、キュウリ、タマネギなど、宮崎特産の野菜が苦手という斜め上をいくライター。 現在は、宮崎の魅力を発信し、他県から移住してもらえるよう取り組んでいる。