宮崎に移住して一番びっくりしたのは、日常生活の中に溶け込む古墳群かなと、即答します。特に私の住む児湯郡には、あちこちに古墳があるんですよ。古墳に興味が湧きすぎて、日本最大級の古墳の聖地・西都原でバイトしちゃってますBassyです。 西都原は、西都市街地の西にある標高60mほどの平坦な台地で、東西2.6㎞、南北4.2㎞の広い地域に300余りの古墳が点在しています。中でも、南九州の古墳文化の頂点と言われる男狭穂塚(おさほづか)・女狭穂塚(めさほづか)は有名で、神話に登場するニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの陵墓とも言われています。1952(昭和27)年に国の特別史跡に指定され、「特別史跡公園西都原古墳群」として、春の桜と菜の花、夏のひまわり、秋のコスモスと古墳の景観が多くの人を楽しませてくれています。 いつ来ても楽しい西都原考古博物館 その西都原古墳群の一角にあるのが、宮崎県立西都原考古博物館。 南九州のみに分布する特異な墓制の地下式横穴墓のしくみなど、古墳群の歴史や周辺環境が学べる博物館で、ちょっとおどろおどろしい雰囲気もありますが、その展示内容は歴史通も納得の充実ぶり。この博物館が入場無料というのも嬉しいところ。 2023年7月8日(土)から9月3日(日)までは、置県140年記念特別展として、日向国周辺の城にスポットを当てた「大地を刻む~変化する日向の城」が開催されています。もちろん、特別展も入場無料。 1階ホールでは歌劇やコンサートも開催! 博物館の1階には、国際シンポジウム(同時通訳ブース4か国語対応)、講演会など、多目的に使用することができる300人まで収容可能なホールがあります。そのホールで、7月8日(日)に「ひまわりコンサートと神話劇 ミュージアムコンサート2023」が開催されたので、ちょっとレポートします。 音楽劇「ニニギとコノハナ~西都原に眠る恋」 ミュージアムコンサートの第一部として行われたのは、天孫降臨でみやざきの地に降り立ったと伝わるニニギノミコトと、絶世の美女と言われたコノハナサクヤヒメの甘くて切なくて障害ばかりの恋物語を、宮崎市で活動する「神話の杜 みやざき」が演じる音楽劇「ニニギとコノハナ~西都原に眠る恋」。 神話の杜みやざき代表で神話の絵本作家の湯川英男氏 「神話の杜みやざき」は、日本の宝である神話を身近に感じてもらいたいと、勉強会、朗読、歌、劇などを通した「神話」の普及を目的として2016年7月に設立されました。メンバーは、オペラ歌手、ピアノ教師、篠笛、演劇大好き!な多彩なメンバーが集まり、活動を続けているそうです。 西都原博物館では初公演となるこの歌劇、100名余りのお客様で席が埋まりました。 美しい歌声と立ち居振る舞い。ニニギノミコトや美の象徴と言われたコノハナサクヤヒメがそこにいるかのようで、見入ってしまいました。 コノハナサクヤヒメの姉イワナガヒメ(磐長姫)が一緒に嫁ぐも、ニニギノミコトに気に入られず送り返され、その後の西都市の東米良や銀鏡の地名の元にもなったとも言われる、地元に縁の深いお話もあり。 一夜の契りだけで子を身籠ったコノハナサクヤヒメに不信感を持ったニニギノミコトを納得させるべく、出入口を全て塞いで火を放った産屋で3子(海幸彦・山幸彦・火須勢理命)を無事に出産するお話も、歌劇で観客を魅了します。 二人仲睦まじく「都萬神社」で暮らしたとさ、めでたしめでたし…ってところまで、歴史と古事記の勉強もできる素晴らしい歌劇でした。 …ちなみにコノハナはお乳替わりに甘酒を作って子育てをしたと言われており、都萬神社境内には「日本酒発祥の碑」があるそうですよ。 フルートアンサンブルコンサート このイベントの冠でもある「ひまわりコンサート」は、「フルートアンサンブル楽~らっく~」による演奏会で、西都原にひまわりが咲くころにほぼ毎年行われ、今回で10回目の公演となる息の長い公演だそうです。 「フルートアンサンブル楽~らっく~」は、宮崎在住・出身のフルートが大好きなプロ、アマチュア奏者で結成され、30名のフルートオーケストラ演奏から少人数のアンサンブルまで、イベント出演や自主公演開催など幅広く活動しているそうです。 この日は10名ほどの奏者さんが参加され、10名での壮大な演奏や、2名や3名での演奏など10曲ほどを披露してくださいました。 そのどの曲もが「あ、知ってる!」という曲でしたが、知っている曲でもフルートだけのアンサンブルだと雰囲気が変わり、美しい音色に息を飲むほどでした。奏者さんのお衣装も本格的なクラシックコンサートに来たかのようで、博物館にいるのも忘れてしまう夢のような空間でした。 こんなに素敵な歌劇やコンサートが行われる博物館。とっても素敵な場所に勤務してるってなんだか誇り高くて、いつもより胸を張って帰路につけた気がします。 夏休みにおもしろいワークショップもあります! 7月27日(木)には、今回で2回目となる「新聞紙で古代衣装を作ろう」というワークショップが予定されています。新聞紙で衣装を作って、古代人になりきって、最後はみんなでファッションショー! 日時:2023年7月27日(木) 10:00~11:45(9:45受付開始)場所:西都原考古博物館 1階ホール 参加無料ですが、先着順の申し込みとなっていますので、お申し込みは主催のNPO法人iさいと(電話:0983-43-5116)まで。 夏休みも涼しい~西都原考古博物館で、消しゴムはんこでおなじみのさかみちやさんや、テゲツー!ライターでもあるゴエ姉と楽しく遊んじゃおー! 【西都原考古博物館】住所:西都市大字三宅字西都原西5670 → マップ電話:0983-41-0041 (団体予約専用:0983-43-5116)営業時間:9:30~17:30(展示室への入室は17時まで)休館日:月曜日(国民の祝日と重なる時は翌日) 祝日の翌日(土曜日、日曜日又は休日に当たるときを除く) 年末年始(12月28日から翌1月4日まで)駐車場:博物館正面(普通車100台、大型バス8台、身障者等専用駐車場8台) 寄稿者:Bassy(ばっしぃ) 千葉県北東部出身、本職は看護師。地方移住に憧れて2020年に九州へ移住。大分県で花火撮影をメインとした観光関係のカメラマンを経て、2022年9月に地域おこし協力隊として児湯郡に移住。元々てげてげな性格が宮崎の風土にマッチし、今では宮崎人より宮崎人。西都原考古博物館ミュージアムショップでバイト中。花火、プロ野球、ご当地アイドルを好むカメラマン。