食にかける熱い戦い! MIYAZAKI FOOD AWARD 2024 審査会場レポート

こんにちは、「食品ロス削減推進サポーター」でもある、アンナです。

今回は、2024年2月5日(月)にニューウェルシティ宮崎にて開催された、MIYAZAKI FOOD AWARD 2024の最終審査会についてリポートしたいと思います。

MIYAZAKI FOOD AWARDとは

画像:みやざきフィードアワード2024公式サイト画面キャプチャ

今回が5回目となる、宮崎県主催のMIYAZAKI FOOD AWARD (みやざきフードアワード)。
県は、フードビジネスに取り組む事業者等を対象に人材育成プログラム「ひなたMBA(フードビジネス部門)」を実施しており、この取り組みの一つとして企画開催されているものです。

アワードの目的は、本県の農林水産物を活用して開発・改良された新商品を審査・表彰し、販路開拓につなげていくこと、とのこと。

1次審査(書面審査)には50商品がエントリーし、そのうちの20商品が、この日の最終審査(試食・プレゼンテーション審査)に臨むことになりました。

熱気あふれる審査会場

この日、会場となったニューウェルシティ宮崎の2階大ホールは、参加する事業者と関係者の熱気で溢れていました。
最終審査の様子はインターネットでライブ配信されるとのことで、会場内外で多くの方が固唾を飲んで審査の様子を見守っていたことと思います。

審査方法は、出品事業者が1商品4分で商品開発のストーリーや商品の特徴、利用シーン、パッケージデザイン、価格や市場性などをアピール。
最前列に居並ぶ審査員は、その都度配膳される商品を試食し、事業者の皆さんのプレゼンテーションに聞き入ります。

今回の審査員は、以下の8名の皆さん。

藤本誠一さん(宮崎空港ビル株式会社 取締役営業部長)
佐藤友紀さん(株式会社ラディッシュ 専務取締役)
田村武文さん(株式会社ハットリー 会長)
山口長臣さん(イオン九州株式会社 宮崎事業部サポート部長)
永井陽さん(株式会社東急百貨店 フード事業部フード統括バイヤー)
岩城紀子さん(Smile Circle株式会社 代表取締役)
竹内幹人さん(株式会社ARAN. 代表取締役)
井上真一さん(株式会社食文化 取締役マーケティング本部長)

全20商品が4商品ずつ5グループ(午前中3グループ・午後2グループ)に分けられ、順番に商品を披露。そして各グループ終了後には、審査員の皆さんからの感想や質問の時間がありました。

審査員と事業者とのやり取りで印象的だったのは、「こうしたらもっと良くなりますよ」というアドバイスが、多くの審査員から事業者の皆さんへ投げかけられていたこと。
審査員の皆さんの新商品に対する期待や、事業者へのねぎらいの想いが感じられました。

全ての商品の試食・プレゼンテーションが終わると、80分もの時間をかけて、審査・討議が行われます。
結果発表の時間が近づくと、事業者の皆さんが次第に緊張の面持ちとなっていかれ、会場の空気が張り詰めていくのが分かります。

審査員賞の発表!

いよいよ、審査結果発表の時間になりました。
まずは、「審査員賞」の発表。

「審査員賞」は、各審査員が今後自社で取り扱いたいとして選定した商品(審査員1名につき最大2商品まで選定可)について、表彰するというもの。
今回は、以下の11商品が選ばれました。

みやざき南国落雁

宮崎市の「桐木神楽堂」による、宮崎県の名所や名物をかたどった手作り落雁(らくがん)です。
敷き詰められた金平糖の上に、和三盆と米粉で作られた鳥居や飛行機、波、貝などが、可愛くきれいに並んでいます。国内だけでなく、海外展開も視野に入れておられるとのこと。

「宮崎空港ビル株式会社」による選定です。

小さい農家がこだわって創ったピーナッツドレッシングTSUNOPPY(つのッピー)

2年前に阿蘇から都農にUターンしたという、「じろうとまさみの食卓」のご夫婦によるプレゼンテーションが印象的でした。
都農町にある自分たちの畑で栽培した2種類のピーナッツをたっぷり使ったドレッシングとのことで、栽培から乾燥、殻むき、加工に至るまで、全てにこだわりを持って作られた商品だそうです。

こちらも、「宮崎空港ビル株式会社」による選定です。

草庵てっぱんソース まろやか甘口

「ニシタチのお好み焼き・鉄板焼きのお店『草庵』の味をご家庭で楽しんで欲しい」との思いを、綾町の「大山食品株式会社」が10年の歳月を経て実現しました。
有機JAS認定工場でお酢やこんにゃく等を製造されている事業者とあって、こんにゃくでソースのとろみを出されたとの話が新鮮でした。

「株式会社ラディッシュ」と「Smile Circle株式会社」の2社が選定。

ワインのように愉しむ 自然派・水出し緑茶

新富町でオーガニック緑茶の生産をおこなっている「豊緑園」が開発。
抽出温度で味が変わる緑茶の特性を活かし、水出しで美味しい茶葉を選んで商品化されたとのこと。
高級感がありながら、実はペットボトルの緑茶より安いそうで、マイボトル派にも受け入れられそう。

「株式会社ハットリー」による選定です。

フィナンシェだいず味 きな粉まみれ

TOKUBOブランドで知られる、小林市の「株式会社オンザマーク」の開発商品。
宮崎県都城在来種大豆の「みやだいず」を使用した、きな粉感たっぷりのフィナンシェで、食べる温度帯(冷凍・冷蔵・常温)によって、異なる味わいが楽しめるのだそうです。

「イオン九州株式会社」「株式会社ラディッシュ」の2社による選定です。

極トロレバー

都城市の「ティケィ・エビス株式会社」が、「新鮮なレバーの本当の美味しさを知って貰い、食品ロスを減らしたい」との想いのもと、生レバーの風味を残しながら、低温殺菌で安心して食べられる商品の開発に挑戦。
レバーには調味料を加えず、つけダレを工夫(都城産醤油と国産生姜を使用)したとのことでした。

「株式会社東急百貨店」、「イオン九州株式会社」、「株式会社ARAN.」の3社が選定しました。

エスニック料理ハロハロ 浸して食べる!しびうまグリーンカレー

宮崎市の「エスニック料理ハロハロ」による、グリーンカレーの美味しさを追求した商品。
辛さだけではないグリーンカレーの旨味を消費者に知ってもらい、ご飯をカレーに浸して食べるという食べ方についても伝えたい、とのことでした。

「株式会社東急百貨店」による選定です。

サクッとだいこん うま塩味

宮崎市の「野崎漬物株式会社」が、「たくあん」の端っこの有効活用から考案したスナックで、食品ロス削減を意識した商品。
漬物の中心購買層が50~60代となる中、若者にもぜひ食べて欲しいとの想いで、若手社員が商品開発に携わったとのこと。
商品名の「サクッとだいこん」は、「サクッとたくあん」と社内を二分したとか。

「Smile Circle株式会社」による選定です。

宮崎スープカレー 綾町産ぶどう豚トロトロなんこつ

「息子が作ったスープカレーが夢に出てくる」との、闘病中の母親の言葉に胸が熱くなり2018年にスープカレー専門店をオープンさせたという、宮崎市の「SPICE CHUNKY」による開発商品。
昨年のアワードでは、「オーガニックの町綾町の人参たっぷり生ドレッシング」で最優秀賞を受賞されましたが、今回の出品商品は、綾町産のぶどう豚のなんこつと野菜を使用した、トロトロに煮込んだスープカレーとのことでした。

「株式会社ARAN.」「株式会社ハットリー」の2社による選定です。

吟取(ぎんしゅ)

宮崎県で120年の歴史を持つ日本酒専門蔵「千徳酒造株式会社」(延岡市)が、初めて造った本格焼酎。
自社の大吟醸の酒粕のみを使用する、県内唯一の「粕取り焼酎」で、アルコール度数は39度。原料となる酒粕は大吟醸のものに限られるため量産は出来ないとの事で、貴重な焼酎になりそうです。

「株式会社食文化」による選定です。

旨辛無限なめ茸 宮崎辛麺風味

えのき生産に専念して50周年の、宮崎市の「加藤えのき」が開発。
同社が昨年発売した「特選無限なめ茸」に続く第2弾で、今回は「宮崎辛麺」とのコラボ製品。
大豆ミートの食感と、程よいにんにく風味、ピリ辛旨味が特徴とのことで、国内産の新鮮なえのきを使用している点も売りだそうです。

「株式会社食文化」による選定です。

最優秀賞の栄冠のゆくえは

そしていよいよ、審査員による合計得点が最も高い商品に授与される、最優秀賞の発表です!
今回の最優秀賞は、椎葉村「株式会社菓te-ri」が開発した「秘蜜のバターサンド」に決定しました。

この商品は、昔ながらの伝統的養蜂を守り続けてきた養蜂家たちによる、希少なニホンミツバチから採れる100%椎葉産のハチミツ「椎葉の秘蜜」を贅沢に使用している点が特徴です。

「株式会社菓te-ri」の椎葉昌史さんは、MIYAZAKI FOOD AWARDの全ての回にエントリーされ、今回の受賞を含めて最優秀賞が3回、審査員賞が1回という、驚異の成績を残されています。
今回の製品では、
「養蜂家から良質なハチミツを適正価格で購入し、消費者に向けて良質で新しい食体験を提供する事で、適正な評価をフィードバックいただき、三方良しの輪を作っていきたい」
との事でした。

受賞後にお声かけしたところ、
「新商品は差し上げてしまったので、この看板でいいですか?」
と、塩キャラメルバターサンドの看板を持ちながら、笑顔で対応してくれました。

「今回は、椎葉のニホンミツバチの現状について、皆さんにご紹介できてよかったです。
椎葉村内に新工場も準備中なので、益々がんばりたいと思います」
とのことでした。

一般観覧も可能なMIYAZAKI FOOD AWARD最終審査会では、生産加工者の商品にかける情熱と審査員の真剣な眼差しが交差する、熱い戦いを見ることができました。
ただ、いずれの商品もとても美味しそうで、プレゼンを聞いているとお腹が空いてしまうのが難点。

表彰状を授与された河野知事も、
「今回初めて全商品を試食させてもらいましたが、いずれも美味しくて、審査員の皆さんのご苦労を思い知りました」
と仰っていました。

このアワードで披露された商品については、既に販売されているものもあれば、今後市場に登場するものもあるとのことです。
皆さんも、気になる商品をぜひチェックしてみてくださいね!

寄稿者:アンナ
普段着物が好きな消費生活アドバイザー。 地球にやさしい暮らしを目指して、日々実践中です。

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宮崎てげてげ通信ライター(寄稿)

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。 宮崎県内の地元の人だからこそ知っているおすすめの「グルメ」「観光」情報を軸に、地域の安全安心につながる情報の提供にも取り組んでいきます。