【閉店】50年の歴史にありがとう-忠太郎茶屋 / 宮崎市

ふわやわな宮崎うどんファンの皆様、こんにちは。宮崎は隠れたうどん県だと、あちこちで吹聴しているDiceです。

2023年10月13日(金)20時33分に、「忠太郎茶屋」のFacebookページに投稿されたお知らせが、ネット界隈をざわつかせました。

宮崎市熊野の宮崎県総合公園近くにあり、長年にわたって多くの人々の胃袋を満たしてきたうどん店「忠太郎茶屋」が、1週間後の10月20日(金)に50年の歴史に幕を降ろすというのです。

別れを惜しむ人でいっぱい

それからの一週間、噂を聞きつけて、忠太郎茶屋のうどんの味を記憶にとどめておこう、最後に別れの一杯を味わおうという人々で、店は連日大入りとなりました。
特に昼時は、駐車場に入れなくらいの賑わいでした。

あちこちに歴史を感じる民具や写真、額などが飾られた店内は、時間帯によっては満席で、立って待つ人も出るほど。
回転は速いので、待ち時間はそんなに多くないのですが。

最終日の20日(金)は、最後の暖簾を仕舞うまでの様子がを撮影しようと、テレビの取材も入っていました。

看板メニューは、ごぼう天うどん+いなり

忠太郎茶屋には、いろいろなメニューがありましたが、頼む人が最も多かった組み合わせが、この、ごぼう天うどん+いなりだったのではないでしょうか。
ごぼう天うどんは、ここの看板メニューだったと言っても過言ではないでしょう。

うどんの出汁は、「いりこと昆布を長時間煮込んだもので、カルシウムとヨードを多量に含む」というのが、店の壁に掲げられた説明書にもありましたが、旨味はもちろん、優しい塩味に酸味と苦味の余韻を感じる独特の味で、この味の虜になって通い詰めた人も少なくないはず。

天ぷらは作り置きではなく、注文が入ってから店内で調理する形でしたが、細切りのごぼうを薄衣でまとめ、じっくりと揚げたごぼう天は、カリカリ、サクサクの食感で、他店のごぼう天とは一線を画していました。

揚げたての食感を楽しみながら食べるもよし、しばらく出汁に浸かって柔らかくなったものをうどんと一緒にいただくもよし、食べていて楽しくなるごぼう天でした。

いなりは、薄揚げに上品な味の出汁がたっぷりと染みて、薄味ながら満足度の高い絶品。
県内うどん店のいなり選手権があれば、個人的には優勝を差し上げても良いくらいの美味しさでした。

11月1日からは「鬼玉うどん」に承継

閉店の前日、遠くからでも目立っていた「忠太郎茶屋」の看板は、ブルーシートに覆われていました。

店構えや味は、事業承継という形で受け継がれ、11月1日から「鬼玉うどん」として新たな歴史を刻むことになります。

ごぼう天うどんやいなりの味が、消えることなく受け継がれていくのは、一ファンとしてうれしい限りですが、経営者が変われば、そこに新味も加わってくることでしょう。
店の歴史は、経営者や従業員と、客が一緒になって創り上げていくものですから、「鬼玉うどん」のこれからを楽しみにしたいと思います。

とりあえず今は、「忠太郎茶屋」の50年の歴史を創り上げられたきた先々代、先代、そして現店主の福田京一郎さんを始め従業員の皆様に、これまで美味しいうどんを食べさせていただいてありがとうございましたと、お礼を申し上げたいと思います。

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Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。