0から1への初シーズン「宮崎サンシャインズ」開幕戦レポート

気を取り直して第2戦

二日目の試合前セレモニーでは、地元・都城のグループ「ティダ」によるエイサーパフォーマンスや、公式サポーターとなった地元アイドル「ふわり歌舞四季会社」、ご当地ヒーロー「日神王子アマテリアス」のパフォーマンスもありました。

ファンによる始球式では、「ふわり歌舞四季会社」のメンバーと「日神王子アマテリアス」が後ろで見守ります。

スターティングメンバー(通称・スタメン)は、獅子舞の獅子に噛まれてご利益をいっぱいもらってグラウンドへと飛び出していきました。
獅子に噛まれているのは、先発の背番号21・佐々木 諒太投手。

第2戦の行方は…

この日も北九州打線は強烈で、獅子に噛まれた効果もむなしく、先発佐々木は初回から1点先取されてしまいました。

それでも、試合前に金丸監督が、
「初戦のように大差だと自分たちの弱さを認めざるを得ない。
最後まで諦めたくなかったけど、大差で途中からベンチの雰囲気も沈んでしまった。
今日は最後までベンチから明るく元気を送るよ!」
と話していたとおり、ベンチ隣の記者席にいても聞こえるくらい、監督の元気な声がベンチから響いていました。

すると、その声に押されたのか、獅子の効果か、1回裏の攻撃で3番打者でキャプテンの青松 志選手が四球で出塁。
続く4番打者・平湯 皓基選手の、プロ初となるレフトへの豪快な2ランホームランで逆転に成功しました!

その後しばらくは継投で0点に抑えてしのいだものの、横浜DeNAベイスターズにも所属していたこともある大河選手など北九州下関フェニックスの打線は強力でした。

中継ぎの背番号47・江口 駿希(えぐち たかき)投手が好投したものの、打線が援護することができず、最終回に3失点。

結局この日は、平湯選手のホームランを含む安打2本のみで、3-5で敗戦。
金丸監督へ、バースデー勝利のプレゼントを贈ることはできませんでした。

試合後の金丸監督

試合後、いつもの明るく陽気な表情とは違い、神妙な顔つきで金丸監督の方からBassyに声をかけてくれました。

「いやぁ、不甲斐ない試合を見せてしまったね。力の差は歴然だったよね。
昨日(開幕戦)みたいな大差より、今日の試合みたいに僅差で競り負ける方が悔しい。
課題がいくつもわかったので、それを解決する策をみつけていくよ。」

開幕戦では大差がつき、得点ごとにベンチが静かになっていったのはスタンドからも感じたので、それを伝えると、

「そう思って今日はスタメンをぐるっと変えて、ムードメーカーとなる選手がベンチにいたから雰囲気も変わったように思う。
そうやってひとつずつやっていかないと。
まだ全試合78試合のうちの2試合が終わったところ。
まぁ見ててよ。最終戦では感動して泣けるようにするよ。大笑いしながらね(笑)」

0から1への挑戦はまだ始まったばかり。
「不甲斐ない」なんて言わせたくない。
選手が全力ならファンだって全力応援です。
金丸監督を信じて、最終戦には選手もファンも大笑いしながら泣きましょう!

スタンドでは

対戦相手である「北九州下関フェニックス」の応援団で、福岡県から駆けつけたファンも多く、開幕戦は853人の観客動員数となりました。
2022年度の独立リーグ全体の1試合での平均観客動員数は約400人程度だったらしいので、まずまずの滑り出しではないでしょうか。

この日は福岡のみならず、神奈川県、埼玉県、滋賀県、兵庫県、大分県など多方面から、選手の前所属チームで応援していた熱烈なファンや、選手のご家族もはるばる応援に駆けつけていました。

また、都城市立妻が丘中学校吹奏楽部による応援歌の演奏でスタンドは盛り上がっていました。
トランペットの音が鳴り響くと、野球場に来た!って感じで気分が高揚します。

試合だけがシーズンではない

試合終了後には、さっきまでグラウンドを駆け回っていた選手たちが、出口に並んでお客さんをお見送りします。
独立リーグの、選手との近さを象徴するともいえるファンサービスです。

前の所属球団からファンだった方や、この開幕シリーズでファンになった方、選手の家族や友達。
それぞれの想いを胸に、記念撮影をしたり会話をしたり、サインをもらったり、選手に近づける尊い時間となりました。

選手たちが開幕戦前に試合観戦した宮崎のJ3サッカーチーム「テゲバジャーロ宮崎」のサポーターさんも、「先日の応援のお礼に!」と駆けつけてくれました。
種目を超えたスポーツ間交流に胸が熱くなるシーンでした。
サッカーも野球も全力応援なのは同じ気持ち!

グラウンド外の活動は、主にボランティアさんに支えられる独立リーグですが、グラウンド整備や試合前後の会場設営、片付けなど選手が行うことも多くあります。

掲出した横断幕を片づけるのも、選手のお仕事のひとつ。

もしかしたらこの選手たちの中に、未来のWBC出場選手がいるかもしれない…。
そんなダイヤの原石たちは、今は誰もが主役で誰もが裏方なのです。

ハッピーバースデー金丸監督

残念ながら開幕2連敗となりましたが、2戦目が行われた3月19日は、金丸監督の36回目の誕生日でした。

金丸監督は指導者経験がなく、サンシャインズの監督の要請があったときは本気で悩んだそう。
それでも愛する宮崎県のためならと引き受けたそうです。
いつもおもしろおかしく場を盛り上げてくれる金丸監督ですが、開幕戦を迎えるまでの気苦労は計り知れないものであったと思います。

そんな金丸監督を思って、球団スタッフからサプライズで花束が用意されていました。
(片付け終了後のミーティング時にキャプテンから贈呈されたそうです)

最後は、選手それぞれが頑張って指ハートを作って集合写真。それぞれに個性があっておもしろい!
そんなハートいっぱいの宮崎サンシャインズは、県民やファンを明るく照らす球団となってくれることと思います。

熱く輝くサンシャインズ、次のホームゲームは、4月14日(金) ~16日(日)アイビースタジアム(宮崎市生目の杜)に大分B-リングスを迎えての3連戦。
是非一度、現地の興奮を味わってみませんか!?

今後の試合情報などは、下記の球団公式HPでチェック!

寄稿者:Bassy(ばっしぃ)
千葉県北東部出身、本職は看護師。地方移住に憧れて東北地方を目指すも慣れない雪で盛大に転倒し断念、2020年に温暖な九州へ移住。大分県で花火撮影をメインとした観光関係のカメラマンを経て、2022年9月に地域おこし協力隊として児湯郡に移住。元々てげてげな性格が宮崎の風土にマッチし、今では立派な宮崎人。「真面目にふざける」がモットー。
花火、プロ野球、ご当地アイドルを好むカメラマン。

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宮崎てげてげ通信ライター(寄稿)

県内各地に散らばる寄稿者用の統一アカウントです。 宮崎県内の地元の人だからこそ知っているおすすめの「グルメ」「観光」情報を軸に、地域の安全安心につながる情報の提供にも取り組んでいきます。