突発的に、いろんな人のインタビューをお届けしているDiceです。
さて今回は、神奈川県から宮崎県日南市のいちご農家に嫁ぐために、今年の7月に宮崎に移住してきたばかりの、渡邉茜さんのインタビューをお届けします。
※ このインタビューは、2017年9月3日に若草HUTTE & co-ba Miyazakiで行われました。
D:茜ちゃん、今日はありあがとう。
茜:こちらこそ、ありがとうございます。
あらためまして、たいぴーによって宮崎に輸入されて結婚した茜です。
D:あ、知らない人のためにたいぴーについて解説しておくと、東京生まれ育ちで、23歳の時に中央大学理工学部を中退して日南市北鄕に移住し、1年間の修行の後に昨年からイチゴ農家として独立した、ちょっとぶっ飛んだ面白い青年です。
D:早速だけど、宮崎に来てどれくらいになるんだっけ?
茜:3ヶ月目ですね。
D:農家の嫁ということになると思うんだけど、普段はどんな生活なの? 農作業の手伝いとかもやってるの?
茜:朝6時から10時までですが、やってますよ。この時期は、苗作りと土作りがあるので手伝っています。
そこから、家に帰って自分の仕事をやるって感じですね。
D:自分の仕事って、具体的には?
茜:ライターとして文章書いたり、デザインチョークアートの仕事がメインです。
ありがたいことに、東京にいた頃から付き合いある方から仕事をいただいたり、宮崎にある飲食店のメニューボードを製作したりしています。
D:なるほど。
それで、月並みな質問になるけど、宮崎の印象を教えてください。
茜:そうですね、一番感じるのは、どこに行っても迎え入れてくれる、よそ者扱いされない、ということですね。
住んでいる家のある地元では、たいぴーが知られていることもあって、「たいぴーのヨメ」という感じで優しく迎えてもらっています。
それから、祭りが多い。地区ごとに祭りがあって、花火が上がることに驚きました。
そして、スーパーで普通に売っている鶏肉が美味しい。これは、都会のスーパーとは全然違います。
肉でも野菜でも、素材が美味しいから、複雑な料理をしなくてもなんとかなるので、主婦の味方です。
D:そうね、確かに鶏肉は美味しいかも。
宮崎に来る前に、どんな情報が参考になったとかある?
茜:実は、ほとんど宮崎のことを調べずに来たんです。
たいぴーと結婚することが決まって、移住するまでに2泊3日の旅程で2回、宮崎に来ただけなんですが、いろいろ情報を得ることで、宮崎のことが嫌だと思ったら困るなと思って。
D:そんなものなのか。僕なんか、知らない場所に行くときは、すごく細かく調べるけどね。
茜:私も、旅行に行く時はすごく調べます。
これまで、海外にも30カ国くらい行ってますけど、どこでどう乗り継げばいいか、それこそバスの時間まで事前に調べますし、どこでどんなものを食べればいいかとか、細かく調べます。
だけど今回は、宮崎に住むことがあらかじめ決まっていて、そこから逃げられないと言うか。
それで、住んでから知ることができればいいかなと。
D:ふ~ん。それじゃ、移住してきて大変なことって?
茜:在宅での仕事柄、家で仕事をしていることが多いので、人としゃべる機会が少ないことですね。たいぴーと8割、仕事で2割みたいな。
なので、移住するのも、ある程度メンタル強くないとダメかなと思います。私もまだまだですが、自分から外に出る努力も必要ですしね。
D:確かに、宮崎の知り合いはたいぴーだけだったしね。
茜:でも、たいぴーも含めてお世話になっている日南に皆さんがとても面倒見が良くて、そういう人と話す機会があるのはありがたいです。
先日も油津Yottenで結婚お披露目会を開いてくださって、そこでも皆さんと親しくなれました。
D:たいぴーもみんなから愛されている感じがするよね。
D:そのたいぴーとのなれそめも含めて描かれている4コマまんがだけど、面白いね。
ペンタブレット使って描いていると思うんだけど、ほぼ毎日更新してるの?
茜:はい。ほとんど毎日描いてます。
D:凄いな~!
あのヘタウマな感じのテイストがいいよね。
でも、これまで特にまんが描く勉強とかしたわけじゃないんでしょ?
茜:自分の昔のこととか、ちょっと重めの話もあるので、あんまりシリアスにならない画の方が良いかなと思って、親しみやすさ重視です。
特に漫画の勉強はしてないんですが、イラスト書くのは元々好きでしたし、前の仕事で動画製作とかもちょっとやっていたので、コマ割りとか多少慣れているというのもありますが、1話書くのに取材含めてだいたい1~2時間くらいですね。
D:描かれている自分の経験も、高校中退して、パン屋になって、チョークアート初めて、大検受けて大学入って、就職してと波瀾万丈というか、すごいなーと思うけど、たいぴーの昔の話しなんかも結構赤裸々だよね。
よく話してくれるな~と思うけど。
茜:普段からお互い言いたいことは言ってるからか、意外と話してくれますよ。
たいぴーも過去の武勇伝を喋りたいみたいで(笑)。
D:なるほど。
でも、いろいろネタ持ってるよね(笑)。
茜:そうですね~(笑)。
D:チョークアートの方でも、ここ(若草HUTTE)もそうだけど、九電ビルのbiocafeとか、来たばっかりなのにいろいろと仕事してるよね。
茜:はい。biocafeの方は、たいぴーのお客様だったベル・エポックの宮田さん(社長)に声をかけていただいて、描くことになったんですよ。
D:チョークアーティストになったいきさつも4コマまんがに描かれていたけど、描いてみてって言われて、『やります。』って答えて、それから自腹で勉強に行って描いちゃうって、なかなかできることじゃないよね。
茜:あの時は、できないのに勢いで『できます』って言っちゃっただけなんですよ。それから必死で勉強しましたけど。
D:いやいや、もともと器用なんだろうね。
でも、誰でもできることじゃないと思うよ。
茜:イラストを描くのは昔から好きだったので、うまくハマりました。
D:東京での生活と比べて、ここは違うっていうのは、どういうことですか。
茜:まずは、天気。
それから、ごはんがどこで食べても安くて美味しい。
せかされない。時間に多少遅れて行っても、『いっちゃが、いっちゃが』と許して貰える。
あと、野菜は買ったことがないんですよ。この前は、地区の皆さんに挨拶回りに行ったら、一週間分の食糧をもらって帰りました。
あと、車に乗らなければならないとこ。ペーパードライバーではあったんですが、北鄕に来て練習して、今ではMT車を運転してます。
そして、家に鍵をかけない。というか、鍵がない。いや、本当はあるんでしょうけど、どこにあるか知らないんですよ。
いつの間にか、隣のおばちゃんが自分ちの縁側に座っているとか(笑)。
いいとこですよね~(しみじみ)。
D:宮崎市内とはまた違った、北鄕の良さでもあるかな。
それじゃ、最後に、これからの夢というか、こういう風に過ごして行きたいっていうのを教えてください。
茜:そうですね、私が応援したいと思う人が直面している壁を、扉にするお手伝いをしたいと考えています。
「壁を扉に」っていう言葉が好きで、誰かの壁になっていることを、私がお手伝いすることで扉に変えられて、その誰かが理想とする世界や、新しい世界に出会えたらいいなと思うんです。
ちょっと小難しい話ですが、丸と線の集合体や単語は、人の想いが乗った瞬間に、見た、あるいは読んだ人の心を動かすことができます。
人の心を動かすには、その人の思いを言語化し、言葉に表せないものをビジュアルで表現し、可視化することが必要です。
幸いにも、私には今まで培ってきた技術があるので、スキルを使って、その方のポテンシャルを最大限に表現することで、抱えている課題を解決するお手伝いをしたいです。そして、壁が扉に変わる瞬間を見続けていきたいです。
そのために、チョークアートだったり、デザインやライティングだったりという仕事を、くらうんふぁーむというプラットフォームの中でやっていきたいと考えています。
D:楽しみだね。、益々の活躍を期待しています。
今日は、忙しい中ありがとうございました。
いかがでしたか?
移住間もない茜さんですが、すっかり日南の人々に気に入られて、早くも「たいぴーのヨメ」から脱して、マルチに活躍の場を広げつつあります。
たいぴー・茜夫婦の詳細については、是非とも4コマまんが「みやざきに移住したイチゴ農家のヨメ日記」をご覧ください。
今後も、二人の活動から目が離せません。益々の活躍を期待しています。